半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

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長野県伊那市高遠が生んだ江戸の天才石工、

守屋貞治の石仏をめぐる、私的『推し活(おしかつ)』レポート。

 

前回のブログ『貞治の故郷へ〜勝間の大聖不動明王〜』では

貞治の最高傑作とも言われる不動明王像をご紹介しました。

次にむかったのは高遠城趾を見下ろす高台にあるお寺、桂泉院です。

 

この桂泉院さんも行くまでの道のりが…なかなかでした。

いや、高遠城址公園や歴史博物館から徒歩で行ける距離なので、

駐車場に車を停め歩いて行けば、何の問題もありません。

私は労を惜しんで車で近くまで行こうとした結果、
ナビがめっっちゃ狭い道を案内し、危うく車を擦るところでした…
車幅プラス15㎝ぐらいの道幅でした、都内でよく見る神業駐車場みたいなやつ。
マジ擦らなかったの奇跡!
 
その後、もっと広い道も見つけましたが、
これを読んでいる方には歩いて行くことを強くおすすめします!
 
 
そんなこんなありまして、
冷や汗をかきながら辿り着いた桂泉院さん。
その冷や汗もスッと引くぐらいに、静かで落ち着いた境内。
 
この山門をくぐると貞治仏が現れます。
 
 
 
むかって左が「延命地蔵菩薩」
右が「准胝(じゅんてい)観世音菩薩」
 
石段の両サイドに2体の貞治仏。
参拝客を出迎えるかのようです。
 
まぁ、お寺でよく見る光景だと思いますが、
こちらの石仏は普通の石仏ではありません。
貞治仏ですから、石仏なのになんだかオーラが出ちゃってる感があります。
私だけかな?オーラ感じるの。
いや、そんなことないと思う。
 
 
貞治は晩年に大きめの地蔵菩薩像を多くつくっているそうです。
こちらはそこまで大きくありませんが、貞治円熟期の名作といわれています。
 
夕方頃に参拝すると西日が入ってくるので、
写真など撮りたい方は夕方がおすすめです。
 
 
私が特に心惹かれたのは准胝観音さまのほうですね。
全体的に風化して丸みを帯びていますが、
それが優しげな雰囲気を強調しているみたいでとても素敵です。
 
実は桂泉院さんには、
裏山の歴代住職墓所にも貞治仏や貞治の弟子の石仏があります。
こちらも静かに参拝させていただいたのですが、
お墓は撮影などひかえた方がいいと思いますし、
こちらに写真を載せるのもひかえます。
もし参拝される方がいらっしゃいましたら、静かにご参拝ください。
 
 
最後に准胝観音さまの、また別の時にきた写真です。
ご覧いただいてお解りだと思いますが桜の頃ですね。
 
伊那市はさくらの名所として知られていて、
高遠城趾公園は桜の時期には人がいっぱいです。
ところが桂泉院さんは「そんな喧騒もどこふく風」といった感じ。
ここだけ別の空気が流れているようでした。
 
城址公園を見下ろせる高台にありますから少し坂道ですが、
見晴らしもよく、なにせ貞治仏が素敵!
何度も言いますが、歩いて来て心穏やかに参拝したいお寺です。

前回のブログ『守屋貞治との出会い 〜海岸寺〜』で書いたように、

守屋貞治の石仏(以下、貞治仏とします)と出会い、

感銘を受けた私は、貞治のことを調べはじめました。

 

貞治は長野県伊那市高遠の出身で、活動期は江戸時代後期。

高遠は石造物を作る石工(いしく)をたくさん輩出し、彼らは高遠石工と呼ばれました。

高遠藩は石工を『出稼ぎ石工』として日本各地に送り出すことで、

藩の財政の多くをまかなっていたようです。

そんな中で生まれた天才が守屋貞治だった。

調べる中で、そうしたことがわかりました。

 

ならば今度は伊那市高遠に行こう、と。

 

この時点ではまだ自覚はありませんが、

いまになって思えば貞治仏をめぐる旅は、私にとっての『推し活(おしかつ)です。

超ド級にマイナーな『推し活』ではありますが、ライバルは激少。

ここにきて早くも推しの地元に行ってみよう、となったわけです。

 

そんなわけで海岸寺に参拝してから約半年後、

私は伊那市高遠へとむかいました。

人生、初伊那市です。

 

 

まず最初に会いに行ったのは、貞治の代表作。

『最高傑作』と多くのサイトや書籍に書かれている、つまりは人気の石仏

勝間の大聖不動明王(かつまのだいしょうふどうみょうおう)です。

 

ただその場所がちょっとばかり難しい場所でした。

ようは、お寺や神社じゃない、道ばたの石仏なんです。

場所がわからなくて泊まったホテルの方に聞くと、丁寧に教えてくださいました。

子連れで石仏の場所を聞く、変な客だと思われていただろうなぁ…(笑)

 

不動明王像は、切り立った三峰川の岩壁、常磐橋のたもとに安置されています。

 

 

上の写真が遠景なのですが、わかりますか?

石仏の右側にロープが貼られ『立ち入り厳禁』的な看板があります。

想像するに、不動明王像に近づこうとする人がたまにいるんでしょうね。

この橋の下は断崖絶壁、とっっても危険です!

絶対に橋から参拝してください!!

 

わりと交通量があるので、橋付近に車を駐車するのも危険です。

離れた停めやすい場所に停め、歩いて参拝しましょう。

レンタサイクルがあるといいですね…そんな場所です。

 

前置きが長くなりました。

貞治の最高傑作、勝間の大聖不動明王がこちら!

 

 

メラメラと燃え上がる光背の炎も勇ましい、怒れるお不動さま!

憤怒の形相でありながらも、ただ怖いというだけでない魅力を感じます。

 

あまりの存在感に、

「本当にひとつの石から掘り出したの?」

と思うわけですが、

全体像をみると上部に石のそのままの感じも残されていて、

ちゃんと石なんだな、と素人目にもその凄さが伝わります。

 

 

このお不動さま、難しい場所にあるのにはワケがあります。
この川は江戸時代90回も氾濫し、人々はとても苦しめられたんだそうです。
「川を鎮めるお不動さまを!」
という地元の要望を受け、貞治がつくったのです。
 
他の場所に移されたこともあったそうですが、
移すと良くないことが起き、またこの場所に戻されたのだとか。
 
ですから、来るのが難しい場所であろうと、近くに車を停められなかろうと、
お不動さまはここに居なければならない
それがお不動さまの存在理由なわけです。
たとえ大変であっても我々がここまで出向かねばならない。
石仏とはそうしたものなのです。うん。
 
 
橋の上の同じ場所からしか拝めないため、
写真も同じ角度からしか撮れないわけですが。
私はもう3度この場所に行っていますので、初見とは違う季節の写真もあります。
秋はこんな感じです。
今度は夏に行き、太陽の光をガンガンに浴びているお不動さまを拝みたいものです。
 
 

こちらのお不動さんも拙著『道ばた仏さんぽ』に掲載させていただきました。

ご興味持たれた方はチェックしてみてください。

 

私の『推し活』はまだまだつづきます。
ストックは山ほどありますので。
しばしお待ちください。

『お笑いの歴史は、松本人志前と松本人志後にわかれる』

などと言われたりしますが、

『私の中の石仏の歴史は、守屋貞治前と守屋貞治後にわかれる』

と言っても過言ではありません。(あくまでも私の中でです)

そう例えるぐらいに守屋貞治の石仏(通称:貞治仏)との出会いは衝撃的でした。

 

後々説明していきますが、

守屋貞治(もりやさだじ)は長野県が生んだ天才石工(いしく)。

江戸時代の名工とうたわれています。

 

まだこのブログでちゃんと守屋貞治のこと書いてなかったですよね?

書いてたらごめんなさい。おもいっきり重複します。

でも私のここ数年の石仏行脚を書こうと思うと、

まずここから始めなきゃいけないので、話を数年前に戻します。

 

今回は天才石工、守屋貞治との出会い編

よろしければお付き合いください。

 

 

山梨県北杜市に海岸寺というお寺があります。

海抜1,000mの山中にあるにもかかわらず海岸寺。

これには諸説ありますが、長くなるので端折ります。

ググってください、出てきます。

 

この海岸寺に100体の観音石仏があると聞き、

石仏にハマりはじめていた私は数年前の初夏、はじめて参拝しました。

 

↑海岸寺は紫陽花が綺麗なお寺としても知られています。

 

この頃の私は石仏めぐりをはじめてまだ間もなく、

「石仏って可愛らしい」

というのが石仏のイメージの大半をしめていました。

もちろん国宝 臼杵石仏のように、もの凄い迫力で迫ってくる石仏もあります。

ですがその反面、ルールに縛られない自由な表現が多く

ユニークなのが石仏の良いところ、だと思っていたんです。

 

それまでは。

 

 

ところが海岸寺に行って驚きました。

「可愛らしい」という言葉ではとうてい納まり切らない石仏たち!

衣のひだのひとつひとつ、光背の模様、手の表現、美しいお顔…

そこにはもの凄く繊細で、もの凄い力量の石仏がずらりと並んでいたからです。

 

↑光背に彫り込まれた蓮が美しすぎて痺れます。

 

ただ単に「超絶技巧」というのではないんです。

いろんなものを削ぎ落としたみたいな表現もあるから。

何て言えばいいんだろ…

芸術性というか、作家性が高いという感じがしました。

 

「なんかもの凄いぞ…これ誰がつくったの?」

と思いました。

 

石工(いしく)、石大工とも呼ばれる石仏や石造物を作る人のことですが、

石工が誰なのか気になったのは、この時が初めてだったかもしれません。

調べてみると、それが守屋貞治だったんです。

 

↑馬頭観音の迫力が尋常じゃない。

 

海岸寺には西国三十三所、坂東三十三箇所、秩父三十四箇所、

33+33+34=100

この観音さまを合わせた百体観音の石仏が祀られています。

百体観音とそれ以外の石仏を合わせ、境内には約150体の石仏があり、

その中の110体守屋貞治作と言われています。

 

仏像には仏とはこうあらねばならないというルールがあるのですが、

貞治仏はそのルールを忠実に守って作られています。

ルールに忠実だと無個性になりがちなのに、貞治仏はそうじゃない。

貞治がつくった仏像は一目見てそれと解る個性があります。

たぶんそこが天才と言われる所以なんだと思います。

 

 

その天才の作品が、海岸寺では屋外にある。

覆屋はあるものの、すごく身近にとても自然な状態で祀られている。

風化していたり苔に覆われていたり、植物のツルが巻き付いていたりするけど、

それも全部ひっくるめて、なんだか凄く美しい。

衝撃的でした。

 

思い返せば、一目惚れに近かったかもしれませんね。

私はそれ以降、何年も貞治仏をめぐり歩くことになるんですから。

 

 

この海岸寺のことや、他の貞治仏のことも

拙著『道ばた仏さんぽ』に書いています。

ご興味持たれた方はチェックしてみてください。

 

ということで、

次回は貞治の生まれた長野県伊那市に行った話を書こうと思ってます。

伊那市にはもう何回も行っていて、今年なんか3回は行ってるんじゃないかな…

でも詳細を書いてこなかったので、このへんで一度まとめたいと思います。

次回をお待ち下さい。

ハロウィンの10月31日、

こんな投稿がSNSで拡散されていたことをご存知でしょうか。

 

「今年のハロウィンは阿修羅像になりきってみました。」

この画像があまりに本気すぎると一部で話題になりました。

 

↑実際の投稿

 

↑投稿された写真

 

浅井企画所属の芸人さんで、お寺仏像研究家、みほとけちゃんの投稿です。

みほとけちゃんは『仏像モノマネ』を特技とし、

通常は紙などの身近な素材を使い仏像のモノマネをしています。


この本気すぎる阿修羅モノマネの撮影と画像編集をさせていただいたのが、

私、半田カメラでございました。

 

 

この話をするには3年前にまでさかのぼる必要があります。

 

2020年10月、私の本『遥かな巨大仏 西日本の大仏たち』

の出版記念を兼ねた配信トークイベントが渋谷で行われました。

その名も

「半田カメラ×みほとけの見仏トークツアーズ in カルカル」

私とみほとけちゃんがオススメの仏像をご紹介するという内容です。

 

この配信イベントのチケット購入者特典が、

『半田が撮った みほとけ仏像モノマネ画像のダウンロード』でした。

この画像がかなり良い仕上がり!!

だったんですが…

チケット特典にしてしまったがゆえに他で公開することができず、

ごくごく少数の人しか観られない状態…

 

つまり、かなりガチで撮った仏像モノマネ画像が

ほぼ日の目を見ないままとなってしまったんです。

 

言ってみれば『幻の仏像モノマネ』です。

あの時の画像を持ってるというアナタ!

それ、とっても貴重ですよ!!

 

↑懐かしいトークイベントのメインビジュアル。

 

そんな経緯があり、みほとけちゃんの中には、

あの時のリベンジがしたい!

ガチの仏像モノマネ撮影がしたい!

という想いがずっとあったみたいなんです。

 

それから3年が経過した今年10月、

想いがしたためられた長文メールが私の元に届き、

もちろん私にとっても魅力的なご提案でしたから、すぐさま快諾。

と…長くなりましたが、

今回の撮影に至るまでには、実はこんな流れがありました。

 

 

さて、ここからが本題。

やるからには前回を越えるものを作ろう!

ということで、モノマネするのは

日本で最も有名な仏像のひとつである阿修羅像に決定!

 

RPGゲームよろしくまずは仲間探しから。

長年の友人でヘアメイクアーティストの中谷さんを

まんまと仲間に誘い込むことに成功!

これで頭部分と肌のクオリティーは確保されました。

 

欲を言えばスタイリストさんとか…

もっと言えば仏師の仲間を加えられれば良いのですが

(台座とかつくってもらえそうでしょ)

予算も限られているので、衣装とアクセサリーは手作りすることに。

 

みほとけちゃんと二人で手分けして、

手芸展やプチプラのお店をまわるなどし、

それっぽいアイテムや材料を探し歩きました。

ちなみに阿修羅の腰巻きの柄はみほとけちゃんの手描きです。

本当、マジ手づくり

 

そんなやり取りを重ね、むかえた撮影当日。

 

↑マジ阿修羅になる人と、マジ阿修羅つくる人

 

ここでみほとけちゃんから出た一言が、

私の中でこの日一番のパンチラインでした。

メイク担当、中谷さんにむかってのオーダー、

「劣化したいです!」

 

世の女性が最も聞きたくない言葉のひとつと思われる『劣化』

しかし仏像(特に日本国内の)において経年劣化は時が経ったことの現れ。

仏像は時が経過していればいるほど尊いと言っても過言ではないのです。

(もちろんそれだけではないけどね)

 

世の女性たちもそんな風に劣化を恐れず、

「いろいろ経てきたこの私を見よ!」

と胸をはって言えるようになったらいいのに…

などと思ってしまいました。(なんのこっちゃ)

 

↑どんどん阿修羅化していく人

 

↑阿修羅化後、スマホで自撮りする阿修羅

 

阿修羅になっちゃうともう何をしていても面白い、

という現象が発生するから不思議です。

 

自撮りする阿修羅。

おにぎりを食べる阿修羅。

あくびをする阿修羅。

 

調子にのる阿修羅。

 

すべて面白い。

この場にムービーカメラが入ってなかったことが実に勿体無い。

 

…本題に戻しましょう。

目指す阿修羅は顔が3つ、腕が6本あるわけです。

ですからメインの合掌するポーズの他に、

顔を2パターン、腕を2パターン撮影します。

そしてそれらを1枚の画像にまとめるのが私の仕事。

 

正面から、斜めからとカット数が増えると、

少なくとも、カット数×5パターンの撮影が必要になるわけです。

 

撮影だけじゃなく、この画像編集作業がけっこう大変なんです。

作業に2日ほどかかりました。

 

実際にはあり得ないことですから、どうしても不自然な部分が出てきます。

例えば、実際にはみほとけちゃんの首はもう少し細くて長いんです。

でも3つの頭を支えるには…おそらくその首ではもたない。

少なくともそう見える。

 

 

ですから生身の部分をできる限り活かしつつ、

少し太くしたりとか、場合によっては短く、長く…と、

バランス的になおすべきところに修正を加えていく。

この塩梅が難しい。

 

やり過ぎちゃうとAIでつくった画像みたいになってしまうんです。

でも実際には複数画像を合成しているとは言え、かなり手づくり。

『生身の部分がちゃんと見える、でも阿修羅

にしたいわけです。理想は。

この苦悩、伝わるかな?

そして、結果そうなったでしょうか?

 

 

ということで…

2000字にも及ぶ長いレポートになってしまいました。

そのぐらい皆んな本気でつくった

本気でつくったものが、多くの人に観ていただけてよかった。

2000字も使ったけど、言いたかったことはそれが全てです。

 

とてもとても楽しい時間でした。

みほとけちゃん、仲間になってくれた中谷さん、

ありがとうございました!

 

写真が気に入った方は、

冒頭のみほとけちゃんの投稿に『いいね』してみてください。

好評であれば、仏像モノマネパート2あるかもしれません。

 

 

では、また。

たぶん今度は通常のお寺参拝ブログにて。

最近『石の羅漢さん』にハマっています。

 

まぁそもそも本を出してしまうぐらい石仏にハマっているわけですが。

(本に関してはこちらをどうぞ→『道ばた仏さんぽ』

羅漢さんって他の仏像に比べ人に近い存在で、身近な感じに惹かれますし、

それが露座(屋外)にある石仏ってなると物理的にも近いですよね。

それが特に好きなところです。

 

五百羅漢だと500近い数の羅漢さんがいらっしゃるわけですから、

何度行っても新しい発見がありますし、

探してみれば未見の五百羅漢もまだまだ近場にあるものです。

 

今回はそんな初めてお会いした石仏の五百羅漢の話です。

しかもそれが彼岸花で有名なお寺だというので、

せっかくなら彼岸花と石仏のコラボが観たいと思い、

9月末をねらって参拝しました。

 

 

場所は神奈川県大和市。

花のお寺として知られる常泉寺さん。

最寄りの高座渋谷駅から徒歩10分ほどと比較的アクセスは良いものの、

まだまだ暑い日だったので、しっとり汗をかいてお寺に到着。

 

緑溢れる境内に足を踏み入れると、

無数の石仏とその合間にポツポツ色が映える彼岸花の世界が広がっていました。

 

 

 

なんとこちらの五百羅漢

昨年、2022年4月に完成し境内に納まったばかり!

1988年に一人の石彫家が発願したのをきっかけに、

34年かけてやっと昨年、念願成就したのだそうです。

 

一人の石彫家がおそらく人生を賭けて制作したであろう五百羅漢…!

これは心して参拝しなければ。

 

 

確かに、マスク羅漢さんやアマビエさまなどをみるに、

時代を反映している感じがします。

 

個人的には、ニッコリ顏の羅漢さん率が高い印象で、

制作者のお人柄かな?ご住職のお人柄かな?

が現れているのかも、と思いました。

 

 

参拝料は300円。奥の寺務所でお納めします。

これだけの緑と石仏を管理するのも大変なことでしょうから、

少しでもお役に立てたら嬉しいですね。

 

 

また常泉寺さんは『花のお寺』だけでなく

『河童のお寺』としても知られているそうで、

境内には羅漢さんだけでなく河童の像も無数にあります。

 

 

寺務所でいただいたお寺のパンフレットにも

「境内には数多の河童が住んでいます」とだけ…

謎の一文が書かれていて、なんとも興味をそそります。

 

なぜに河童?なのかといえば、

以前、境内に水が湧き出るところがあったため、

水の神様として河童を祀っているという説明。

 

石仏ファンとしては五百羅漢像だけでも見所満載といった感じなのに、

境内に300体ほどあるという河童像もユニークでスルーできません。

五百羅漢像三百河童像ですね。

もはや石仏、石像天国です。

 

 

こんな風に羅漢さんと河童さんが仲睦まじく手を取り合っている像も。

他にも相撲をとっていたり、楽器を演奏していたりと、

盛りだくさんで、一度の参拝ではとても観切れないという印象でした。

 

本当に落ち着くお寺と言いますか、

つい長居してしまう、何度でも参拝したいと思うお寺さんで、

境内も美しく素敵な写真がたくさん撮れました。

 

特に気に入った二枚をこちらに公開させていただきます。

羅漢さんでも河童さまでもありませんが…

『石仏と彼岸花』です。

 

 

仲良し道祖神と彼岸花。

 

 

観音さまと彼岸花。

 

彼岸花だけでなく、常泉寺さんは一年を通して花が咲いている『花のお寺』

この先はモミジの紅葉も奇麗なんではないでしょうか。

春もよさそうですよね。

また定期的に参拝したいお寺が増えてしまいました。

嬉しい悲鳴です。