前回、前々回のブログで広島県三原市の白滝山に登り、
龍泉寺磨崖仏に出会った話をしました。
今回もそのつづき、因島の白滝山編です。
リンクを貼りますので、つづけてお読みいただくと流れが分かります。
『広島で最も会いたかった磨崖仏(前編)』
『広島で最も会いたかった磨崖仏(後編)』
今回は、前回の山登りを終えたところから。
三原市の白滝山を降りる途中、軽い目眩を感じました。
どこかが痛いとか気持ち悪いとかではないけど、
なんか真っすぐ歩けてない感じ…もしかしてこれって熱中症じゃない?と。
ただ、関東住みの私にとって広島はそう頻繁に来られる場所ではありません。
これから向かう因島の白滝山も、前々から行きたいと願ってきた場所。
旅先で倒れるのは避けたい。でも軽症なら諦めたくない。
そんな想いが交錯します。
標高227メートルの因島の白滝山は、もともと修験者の修行の場でした。
そうしたこともあり、山のふもとの仁王門から、
展望台のある山頂まで、大小約700体の石像仏が並んでいる、
石仏ファンには有名な場所なんです。
本当は仁王門から石仏を拝みつつ登って行きたいところですが…
この暑さ(この日の最高気温は37.6度)です。
しかも熱中症一歩手前でフラフラしている。
誰がどうみても到底無理!!
なので泣く泣くすっ飛ばし、山頂に一番近い駐車場に車を停めました。
帽子をかぶり、首に冷たいタオルを巻き、手には杖を持ってと…
考えうる限り最大限の対策をし、ゆっくり登山を開始しました。
上の写真が山頂に一番近い駐車場からの登山道入口です。
二人連れが階段の先を登って行きます。
酷暑にもかかわらず、何人もの登山客(参拝客)とすれ違いました。
有名な散策スポットであることがうかがえます。
ここから山頂までは10分で行けると書いているサイトもあれば、
20分かかると書いているサイトもあります。
どちらにせよ、猛暑でなければそこまで大変な道のりではありません。
体調が体調ですから、いつもより慎重にゆっくり登って行きます。
10分ほど登った頃でしょうか、分岐点が現れました。
表参道と裏参道に分かれる分岐です。
行きは表参道、帰りは裏参道を行くことにしました。
ここから山頂までは100メートル。
100メートルなんて、すぐだろうと思うでしょ。
でも山登りの100メートルと平坦な100メートルでは雲泥の差です。
表参道の途中にあった、白滝山マップにも載っている慈母観音。
昭和に入ってからつくられた磨崖仏のようです。
優しげなお顔が汗ダクの登山の中で一時の癒しになりました。
そうこうしていると階段の先に山門が見えてきました!
なんとかここまで来ることができた!
最後の力を振り絞り階段を登ります。
登り切ると白滝山山頂です!
そしてそこには、無数の石仏たちが待っているんです!!
山門をくぐり辿り着いた山頂!
息も絶え絶え、周囲を見渡します。
正面に観音堂と管理室、右手に大きな多宝塔。
(この自然石による多宝塔が素晴らしかった)
そして左手には瀬戸内海を見渡せる展望台があります。
この展望台は土足厳禁になっていて、ゴザが置いてあります。
景色を望むためだけでなく、休憩を取るためのスペースとなっているようです。
まさに今の私のためにあるような場所。
靴を脱ぎゴザを敷き横になって休憩させていただきました。
水分補給をし横になると、呼吸も落ち着き汗も徐々にひいてきて、
冷静に回りが見えるようになってきました。
すると周囲の個性的な石仏、磨崖仏が目に入ります。
展望台のすぐ脇に大きな岩があります。
岩の高い位置には天狗らしき像が3体、
その他にも地蔵菩薩、観音菩薩の石仏が安置されています。
そして岩自体にも数カ所、磨崖仏が彫り込まれていました。
上の写真の左下にある千手観音磨崖仏を拡大したのが下の写真です。
ニッコリ合掌する可愛らしい観音さまですが、何か気付きませんか?
そうです、十字架です。
観音さまの左手、向って右側に十字架が刻まれています。
現在は何の説明看板もありませんが、
この観音磨崖仏はかつて『十字架観音』と紹介されていたそうです。
(いまもパンフレットには紹介されてました)
ここ白滝山山頂には、この十字架観音の他にも
十字架と取れるものが刻まれた像が何体もあります。
これらの像がつくられたのは主に1827〜1830年。
江戸時代後期ですから、キリスト教は禁教とされていました。
なんだかドキドキしますね。
ここ白滝山がどんな場所なのか詳細は、
長くなりますので、後編につづきます。
後編はとうとう無数の石仏が並ぶ、憧れの五百羅漢ゾーンへ!
しばしお待ち下さい。