貞治の故郷へ 〜建福寺〜 | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

長野県伊那市高遠が生んだ江戸の天才石工、

守屋貞治の石仏をめぐる、私的『推し活(おしかつ)』レポート四話目。

 

ここまでの経緯は、

『守屋貞治との出会い〜海岸寺〜』

『貞治の故郷へ〜勝間の大聖不動明王〜』

『貞治の故郷へ〜桂泉院〜』

と順にお読みください。

申し訳ありませんが、読んでる前程で話を進めてまいります。

ご了承ください。

 

 

さて、つづいてむかったのは、

『高遠石工 巡礼の聖地』ともいわれる建福寺

建福寺さんには西国三十三所の観音石仏が祀られています。

西国三十三霊場のご本尊を一箇所にまとめ、

庶民がお参りできるようにしてあるわけです。

 

そしてこの三十三観音が私の推しである守屋貞治の作

三十三観音以外も含め、建福寺の貞治仏は40体あまり

 

最初にご紹介した海岸寺が百観音ですから、それに比べると少ないです。

ですが海岸寺は廃仏毀釈の影響で破損している石仏が多く、

建福寺は石仏の状態がとても良い。

高遠では一番の貞治仏密集スポットといえるわけです。

 

 

この石段をのぼった先が建福寺!

大量の貞治仏との出会いに心躍らせてむかったのですが…

私的にこの日は参拝条件があまりよろしくなかったんです。

 

というのは、

建福寺の本堂へとつづく斜面には、横長の建屋が何段にも重なり建てられています。

その中に三十三観音や六地蔵などの石仏が祀られているのですが、

 

 

ご覧のとおり建屋には格子がかかっているんです。

この日は天気がとても良く、強い日差しが順光で当っていました。

 

そうすると…

 

 
こうなっちゃうんです。
曇りだったら、ここまでのコントラストではありません。
時間にもよると思いますが、この時は完全に晴れ女が裏目に出た展開でした。
 
もちろん格子越しの順光であっても貞治仏は美しかったです。
信仰心の厚い人に言わせたら、
「どう見えるかは問題じゃない。その場に来られただけで幸せだろう!」
とお叱りをうけることと思います。
 
解ります…本来そうあるべきだと私も思います。
ですが遠方から参拝していて、そう頻繁に来れるわけじゃない。
できることなら良い条件で拝みたい…と思ってしまうのは仕方ないかと。
 
 
結論としては、
建福寺さんで三十三観音を参拝するのは曇りの日が良い!
ということです。
 
 
そして、ここでお伝えしたい情報が!
絶好のコンディションでこの三十三観音を拝める日があります。
それは春の桜まつり秋のお祭り年に2回!
限定で格子が外され、夜はライトアップされるんです!!
これは絶対にこの日に来なければ!
 
実はずっとこの格子が外される時に参拝する機会をうかがっていました。
ですが桜の開花時期をハズすなどあり…機会を逃しつづけ2年が経過
そしてとうとう今年4月!
念願かなって桜の開花時、桜まつりに参拝できることになったのです!!
 
(これにはみほとけちゃんのご協力や、
伊那市観光協会さまのご尽力などなどあったのですが…
長くなるので詳細は省かせていただきます。御礼申し上げます!)
 
 
ということで、お待たせしました。
格子が外された建福寺、西国三十三所観音石仏の写真がこちら!
 
 

素晴らしい!!

3つ前の格子のある写真と見比べてみてください。

貞治仏がどんなに間近で拝めるか解るでしょう。
 
 
横顔も美しい…時を忘れ魅入ってしまいます。
私は必死にシャッターを切っていて、気付くと時間が過ぎていました。
 
そして、夜のライトアップがまたスゴい!!
 
 
奇麗でしょー!
この光景を拝むのに2年かかりました。
でも待った甲斐があったなと思います。
 
 
こちらは三十三観音ではありませんが、
貞治作の伽羅陀山地蔵菩薩像、かなり大きな像です。
こちらも通常は格子越しの参拝になりますが、格子が外されライトアップ!
 
本当に幻想的ですし、昼間とはまた違った石仏の表情がみられます。
 
 
このライトアップ、いつとはっきり言えなのが難しいところ。
春の桜まつりは、桜の開花に合わせ行われるため、
開花が早い年は早く行われますし、遅い年は遅くなります。
 
ライトアップは夕方〜夜に行われるので、宿を取る必要があります。
ですから1ヶ月前ぐらいからカレンダーと桜の開花情報とを交互に睨めっこ。
で、ハズしてるんです…昨年(泣)
 
秋のライトアップはもう少し早くから日時が決定するようなので、
こちらの方が安全かなと思います。
詳しくは伊那市観光協会さんにお問い合わせください。
 
 
写真はたくさんありますが、キリがないので。
最後に私の大好きな貞治仏、第二十四番の十一面観音さまを。
これ、海岸寺の時にも出しましたが、
光背に彫り込まれた蓮の花がアールヌーヴォーかってぐらいに素敵なんです!
 
二十四番の中山寺のご本尊の光背にも蓮が描かれているようですから、
それを忠実に表現しているんでしょう。
でもただ模したという感じではなく、貞治風のアレンジが効いている。
それがスゴい。そして好き。
 
不勉強で言葉足らずではございますが、
素敵だなと思う気持ちが伝わったら嬉しいです。
 
 
文中で少し触れましたが、
この時の動画を仏像大好き芸人のみほとけちゃんがYouTubeで公開しています。
全3回で、私もちょこちょこ出演しています。ご興味持たれた方はご覧ください。