妄想吹奏楽部 (連載その14)第2章 | 好きなコードはEadd9

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錦戸亮
デビュー後の兄組通りました
(今はストとトラジャを応援)
そして
7→6の関ジャニ∞の記録

本日2個目。

 

すみません!

またもや大変久しぶりになってしまいました!!

お待たせしました!!

続きです!

 

 

 

 

第2シーズンに突入した、

妄想吹奏楽部の続きです。

行きます!!

 

 
 

 

前回までのお話。

 

妄想吹奏楽部 (連載その1)

妄想吹奏楽部 (連載その2)

妄想吹奏楽部 (連載その3)

妄想吹奏楽部 (連載その4)

妄想吹奏楽部 (連載その5)

妄想吹奏楽部 (連載その6)

妄想吹奏楽部 (連載その7)

妄想吹奏楽部 (連載その8)

妄想吹奏楽部(連載その9)第2章

妄想吹奏楽部(連載その10)第2章

妄想吹奏楽部 (連載その11)第2章

妄想吹奏楽部(連載その12)第2章

妄想吹奏楽部(連載その13)第2章

 

 

 

 

こちらがその「まとめサイト」です。

 

 

 

 

 

 

 

では、

続きです。

 

 

 

 

青春ノスタルジー

 

 

 授業と授業の間の10分休憩に、片膝をついて時計の秒針と共に指をトントンと机に付くのが癖だった二宮和也は、今日もイヤホンで音楽を聴きながらぼんやりしていた。

 教室では同級生が忙しくお互いの事を話したり、規則では一応禁止になっている携帯電話を付き合わせたりしているのに、そんな濁流にも揉まれず和也は、ただ空を焦がれる青葉のようにひとり教室で時の流れに身を溶かしているだけだった。

 もしかしたら、この世界で一番贅沢な時間を過ごしているかもしれない。

 窓側からふたつ廊下側の席の一番後ろに座る和也は、席替えで少し遠くなった窓を眩しそうに見上げた。

 3限目の終わりには暖かな日差しがやんわりと降り注ぎ、遠く向こうの空には境界線を引く飛行機雲がゆっくり右から左上へ横断していた。

 今日も昨日と何も変わらない。

 明日もきっと変わらない。

 和也は、学生生活にコレと言って何かは求めていなかった。この高校にも、担任から進められるがまま進学したし、部活も帰宅部だった。そんな彼はまた無意識に音楽に合わせて秒針をカウントしていた。

 その時突然、指を付いていた机がお腹の方に強引に押され何事かと顔を上げると、空いていた前の席に他のクラスである錦戸亮が、椅子に対して身体を逆向きにして軽やかに座った。

 「二宮くん、なに聴いてるん?」

 移動教室の帰りなのか、左手に教科書を抱えた錦戸は、空いていた右の手で自身の右耳をトントンと触りながら和也に尋ねた。

 和也は左のイヤホンを外すと、声は出さずに「ん?」と聞き返す仕草をした。

 その顔を見て錦戸は嬉しそうになぜか笑った。なぜかはさっぱり分からなかったが、和也もつられてふふっと少しだけ笑った。

 「だから、なに、聴いてるん?」

 錦戸はまだニヤニヤしたまま外された左のイヤホンを和也から奪うと右耳にはめ、違和感に困惑しながら自身の左耳にはめ直してその音を盗み聴くようにした。

 「WeatherRepotのBirdlandだよ、亮も良く聴いてたじゃん。」

 そう話しかけたが、亮はイヤホンをはめた途端に目を見開いたまま動かなくなってしまった。

 もしかしたら何か思いついたのかもしれない。和也はそう察すると、自分がはめていた右のイヤホンも亮に渡した。

 「あ、ありがとう。」

 亮はイヤホンを受け取ると右耳にねじ込み「少し巻き戻してもエエ?」と尋ねた。和也は目だけで返事をすると、それを合図に亮は巻き戻しのボタンを押した。

 「懐かしい!」

 そういって亮は、口を大きく開けて子供のように笑った。

 幼かった頃、亮が父親のコレクションからレコードを持ち出しすばるの家のプレイヤーで聴いていた。ギターサウンドを好む和也とは違って、亮はもっぱらジャズを好んでいた。

 演奏の後半、曲に合わせて亮は身体を揺らしながら手拍子を始めた。裏拍を刻むジャズは聴く者を陽気にさせるようだ。亮はサックスと絡み合う金管の音を楽しんでいた。

 「二宮くん、コレいいやん!」

 イヤホンをもぎ取るように耳から抜くとそれだけ言って、何かを探すように天井を右から左へと視線を走らせた。

 「何のことだよ。」

 亮の思想をあえて深読みしないように、和也はわざとポイントをずらすことで距離を取った。

 「ああ、ううん、何でもない。」

 意識が現在に戻ってきた亮は少し誤魔化すようにそう言ったが、見つけた何かが彼の心にハマったのか、その喜びは表情に溢れていた。

 和也が思うに、亮は結構ポーカーフェイスで、隠そうと思えば隠せるその想いを溢れんばかりに表してくれるという事は結構自分に馴染んでくれているのかと解釈すると、なんとも気恥ずかしい気持ちになった。

 和也が両の目頭を揉みこむように頭を下げると、次の授業を告げるチャイムが鳴った。

 「ヤベ、戻んなきゃ。」

 急に立ち上がった亮は、先程の授業で使っていた教科書一式を落とし、勢いのまま椅子を跨ごうとした足はその机にぶつかり、ひとりでガチャガチャと騒がしくも至って冷静に周りに手を合わせて詫びを入れながらその場を繕った。教室から出て行く手前で「二宮くん、ありがとう。」小さく手を上げてニコリと笑い、踵を返すと爽やかに教室の枠から姿を消した。

 決して動きが大きいわけではないのだが、静と動が混同する亮を見ると、昔から何も変わってないなと和也はしみじみ思った。

 亮が出ていった少し後に、前の扉からは教師が入って来た。チャイムの音を聴いても動かなかった生徒は慌てるように各々の席へ戻りがちゃがちゃと不快な音を立てる。

 「ねぇねぇ、何の話してたの?」

 右斜め前の相葉雅紀がその雑音に紛れるようにこっそりと和也に尋ねた。

 「いや、別にたいした話じゃないです。」

 和也は雅紀を見ないように前へ真っ直ぐ顔をむけたままいつも通りあしらった。

 「ヘイヘイ、連れないなぁ~♪」

 口を閉じたままの和也に凹むことなく雅紀もいつも通り陽気だった。

 「ねぇねぇ、ニノミィ野球部入んない?」

 そういうと、キラキラと子犬のような瞳で和也を見つめた。もちろん和也は聞こえない振りをしたまま日直の号令に従う。

 「俺と野球しようぜ!」

 変わらず澄んだ瞳でそんなジャイ○ンのような事を言う奴もいるのかと和也はぼんやり思った。確かに小学生までは野球少年だったけれど、今はどの部活にも入る気はしない。青春と感動とか、そういうことに注ぎ込むだけの情熱は有り難いとこに持ち合わせていない。

 雅紀もそうだが、亮もいつまでも楽しそうにサックスを吹いている。もちろん楽しい事ばかりではないにしても、情熱を持ち続けるためには体力がいる。部活という団体になれば、結束力や団結力、そして何よりも同じ方向を見続ける統率に縛られてしまう。

 縛られるその環境に、それぞれどのように対応しているのだろう?

 その場所が楽園だと思う者、その場所の限界を知っている者、決められた世界で求められるだけの能力を発揮する者、外が恋しくなる者…

 

 やめよう。

 無駄な思想だ。

先程教室に入って来た先生の顔を思い出して、和也はそっと机の中から必要な教科書を引っ張り出した。とつとつと授業を始めるその声に合わせて教科書のページをめくったがそこには社会に出た時に使う機会は訪れるのかと思われる計算式が並んでいた。