僕のお気に入り映画BEST200(洋画編)81位~90位 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

僕のお気に入り映画を200本挙げていく企画。

今回もよろしくお願いいたします。

実はこの81位から90位は一旦アップしていたつもりだったのですが、アップされていなかったようです。

もう一回書きます(涙)

 

僕のお気に入り映画BEST200

さて、今回は90位から!

 

90位

明日に処刑を』(1972)Boxcar Bertha

 

マーティン・スコセッシ監督の初期の秀作。

 

不況の1930年代。
飛行機事故で父を亡くしたバーサは、
貨車にただ乗りしながら、放浪生活を続けるうち、
南部のある街で、組合運動の闘士ビルと知り合い恋に落ちる。

そしてトランプ詐欺師レイクと組んで渡り歩くうち、
イカサマがばれて殺されそうになった彼を助けるため、
バーサは弁護士を撃ち殺してしまう。

そして逃げようとして貨車に乗り込んだバーサは、
ビルと再会、
しかしビルとレイクはつかまり、
やたらと囚人を撃ち殺してしまう刑務所に入れられる。

労役として、ビルとレイク、そして黒人のボンが、
線路工事をしていたとき、
盗難車でバーサが現場に現れ、3人を脱獄させる。

脱獄した3人とバーサを加えて4人組となった彼女らは、
強盗を続けながら放浪の旅を続け、
彼女らは有名になる。

 

ボンとビルは再度投獄される。

 

いつまでも釈放されないビルを待ち続けるバーサは、娼婦にまで落ちていくが、実はビルは脱走していたのだった。

 

ビルとバーサは再会を果たすが、

これが悲劇の始まりとなる。

霧の中からゆっくりと貨車が現れるシーンから、
映像感覚がとても素晴らしい。
ドカン、ドカンとショットガンをぶっ放す場面も、
構図がバッチリ決まっていてかっこいい。

ハーモニカで奏でられるブルースも、
時代を感じさせてくれるし、
組合つぶしに躍起になる鉄道会社の描写も時代です。

 

ラストシーンは残酷で悲しい。

速度を上げ去っていく汽車にビルの屍が貼り付けられる。

 

B級映画の帝王のロジャー・コーマンがこんな厳しい作品を制作するとは思いませんでした。

 

89位

タワーリング・インフェルノ』(1974)

The Towering Inferno

 

「大空港」(1970)あたりから流行り始めたオールスターパニック映画の最高峰だと思います。

 


ほとんど同じ内容の二つのベストセラーの映画化権を持っていた20世紀フォックス社とワーナー・ブラザース社が共同制作をした、70年代最高のスペクタクルアクション。

 

手抜き工事が原因で81階の物置から出火した、

138階の超高層ビル。

 

その時ちょうどビルの落成式が行われており、

設計士のロバーツ(ポール・ニューマン)とその妻(フェイ・ダナウェイ)をはじめ、ビルのオーナー他各界の名士たちが揃っていた。

 

瞬く間に広がる炎。

オハラハン(スティーヴ・マックイーン)を隊長とした消防隊が到着するが、建物が余りにも高層過ぎて通常の消火方法は通用しない。

 

オハラハンとロバーツはお互いに連絡を取りながら、

パーティー客の救出と鎮火を試みるのだが。

 

手抜き工事を隠蔽しようとするオーナーの息子(リチャード・チェンバレンだったかな)がとても卑怯で、物語の悪意を一人で引き受ける。

 

パニックに陥った人々の醜さとそれに相反する勇気というものが良く描かれていてとてもよかった。

 

ポール・ニューマンとスティーヴ・マックイーンの2大スターの共演ということで、クレジットの仕方やポスターの写真の配置では少しもめたりしたようですが、

この作品ではスティーヴ・マックイーンの方が(僕は)カッコよかったかな。

 

88位

お熱いのがお好き』(1959)Some Like It Hot

 

アメリカAFIによる投票で、
喜劇映画BEST100で、堂々1位を獲得した作品。

 

禁酒法時代のシカゴ。

偶然マフィアの粛清場面を目撃してしまったトニー・カーティスとジャック・レモン。

 

追われる身となった二人は女装をして女性だけの楽団にベースとサックス奏者として入団。

 

その楽団の記者での移動中に、

規則破りをしたマリリン・モンローを二人が救ったことにより仲良くなる。

 

その気持ちが徐々に恋心に変わっていくのだが、

モンローにとっての二人はあくまで女。

 

カーティスは高級船舶の船長に化けて、

“男”になってモンローを口説こうとする。

 

一方、ジャック・レモンは、

金持ちの紳士に女性として惚れられてしまう。

 

これだけの挿話を詰め込むと展開が混乱しそうになるものだが、

そこはビリー・ワイルダー監督の手腕。

「完璧な人はいない」とオチをつけて見事に作り上げています。

 

そして、マリリン・モンローが最高!

 

87位

現金に体を張れ』(1956)The Killing

 

天才スタンリー・キューブリック監督が一気に注目を浴びることになったサスペンスアクション。

 

刑務所帰りの男が、綿密な計算によって仲間とともに競馬場の売上金強奪を図る。

 

分刻みのスケジュールの元、計画は粛々と実行されるのだが、

思いもしないアクシデントで計画は狂い始める。

 

異なる場所での同じ時間の経過の描き方が秀逸で、

そこに写真家出身のキューブリック監督の見事な構図とカメラワークが入るんだから緊張しないわけがない。

 

そして見事なのがラスト。

余計な説明一切なし。

凄いです。

 

86位

ブルージャスミン』(2013)Blue Jasmine

 

時々ウディ・アレン監督はとても残酷な作品を作る。

「欲望という名の電車」にインスパイアされたであろう本作はその代表だと思う。

 

絶望のふちにおとされた主人公ジャスミンを、
アレン監督は温かな目でみているなんていう見当違いの評価も散見されるが、
とんでもない、この作品のアレン監督の目は手術中の外科医のようにつめたい。

 

ラストで我々観客はドンと背中を押され、
なにもできないまま映画は唐突に終わります。

 

主人公ジャスミンを演じたケイト・ブランシェット良かったねえ。

ジャスミンと対極の立場にあるジンジャーを演じたサリー・ホーキンスも良かった!

 

85位

ジョニーは戦場に行った』(1971)Johnny Got His Gun

 

第一次世界大戦に出征し重症を負った兵士ジョー・ボナム(ティモシー・ボトムズ)。

彼は今「姓名不詳傷兵407号」とよばれベッドに横たわっている。

 

顔はぐしゃぐしゃに壊れ、両足、片手ももがれかろうじて性器だけが男性の痕跡を残している。

 

しかし、意識だけはしっかりしており、父と釣りに行った事、出征前夜に恋人と結ばれた事などを回想する。

 

とても悲惨で強烈な反戦メッセージです。

看護婦がジョーの胸に指で文字を書くシーン。

こんなに悲しいクリスマスのシーンは観たことがない。

 

頭を叩きつけて送り続けるモーリス信号。

「SOS...SOS...」

ただの物体で、意識などないと思っていた上官は唖然とする。

だがこのことは外に漏らさないようにと命令する。

軍医長の、

「意識もない男を生かしておくのは彼から我々が学ぶためだ」という言葉のために。

 

息が詰まるほど悲しく厳しい物語。

後世の多くの若い人に観てほしいです。

 

84位

バニシング・ポイント』(1971)Vanishing Point

 

15時間で車をデンバーからサンフランシスコまで届ける賭けをした主人公が、交通法規を無視して突っ走る。

 

この主人公をラジオのDJが応援するような実況をしたものだから、暴走男は人気者になっていく。

 

警察はヘリコプターまで動員しての大追跡。

ハッピーエンドにならないところが時代ですね。

 

CGでは絶対に感じることのできない興奮。

どんなにうまくやっても、しょせんCGは作り物なのだ。

本物の迫力に及ぶことはない!

 

83位

暴力脱獄』(1967)Cool Hand Luke

 

アンチ・ヒーローこそが正義を貫き、

自由を求めるがゆえに、悲劇的な結末を迎える。

 

ポール・ニューマンが演じるルークは不屈の男だ。

決してあきらめない男だが、

その先にあるのはアメリカン・ドリームなんて甘いものではない。

ただ厳しい自由が待っているだけ。

 

パーキングメーターを破壊したことによって、

劣悪な環境の刑務所に収監される。

 

脱走を繰り返すルーク。

そのたびに連れ戻され、

置かれる環境はますます悪くなっていく。

 

リンチともいえる、

看守たちの仕打ちに根をあげ、

反抗するのをやめたルークだったが・・・

 

ルークが入所してくるまで、

囚人たちのボス的存在だったドラックを、

ジョージ・ケネディが演じているのだが、

情にもろいこの男がいい存在感です。

 

優しそうな顔と鍛え抜かれた身体のギャップが凄いポール・ニューマンが凄く魅力的。

 

繰り返し観てしまう作品です。

 

82位

スター・ウォーズ』(1977)Star Wars

 

現在は「スターウォーズエピソードⅣ・新しい希望」などという仰々しい副題がついていますが、僕は最初に観た時の感動と興奮を忘れないためにシンプルに「スター・ウォーズ」と呼びます。

 

悪の帝国に捕らえられた王女様が2体のアンドロイドに救出のメッセージを託し、そのメッセージを受け取った若者でジェダイの騎士の末裔ルーク・スカイウォーカーが、ジェダイマスターのオビ・ワン・ケノービの教えを受けながら、宇宙の流れ者ハン・ソロとチューバッカが操る宇宙船ファルコン号に乗って王女様を助けに行く物語。

 

主役3人がとても仲が良さそうなのが伝わってくるし、

2体のアンドロイドのコメディ―リリーフが楽しい。

 

ギャグを交えながらの緩急よろしい活劇場面も楽しいし、

悪役ダース・ベイダーの存在感も凄い。

 

この作品で僕の一番好きなシーンはラスト。

王女様がルークとハン・ソロに勲章を授けるシーン。

 

このシリーズ3作目までは楽しく観てきたのですが、

それ以降になると物語の設定が入り組んできてつまらなくなっていった。

そしてスピンオフ作品の量産がこの作品の価値を著しく下げている。

新しいCGの見本市と化しているのも悲しいね。

搾り取れるところがあればとことん搾り取るハリウッド商業主義の悪例の最たるもの。

 

81位

if...もしも』(1968)If....

厳格な規律の英国の寄宿学校で起こる、
はみ出し生徒3人の反乱劇。
 
偶然見つけた機関銃や手りゅう弾で、
学校の500周年記念行事の日に武装隆起する。
 

恋愛や同性愛をタブー視する体制側。

反乱分子の3人らのほうが常識的な人間に思えてくる。

 

校長が殺されるシーンを含め、

眉をひそめたくなるほどの強烈なつくり方です。

 

『if』というタイトルですが、

現実に銃乱射事件や無差別殺人が頻発する現代においては、

もはや『もしも』ではないことを感じる。

 

主人公の少年を演じるのが、

マルコム・マクダウェル。

後の「時計仕掛けのオレンジ」の前章ともいえる役柄でしたね。