この企画もいよいよ中盤戦に入ってきました。
自己満企画にお付き合いいただきありがとうございます。
世間の批評とは関係なく僕な好きな作品をランキング形式で200本挙げていきます。
場末の二番館で映画を観る感覚で読んでください。
僕のお気に入り映画BEST200(洋画編)
それでは110位から!
110位
『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)
The Poseidon Adventure
「イージー・ライダー 」でアメリカン・ニューシネマの先駆けを作ったピーター・フォンダが、
バイクを自動車に変えてまたまた走りまくる。
何回も書くようですが、
CG映像の洪水の今日では味わえない、
本物のカーチェイスを見せてくれます。
スーパーマーケット強盗をして車で逃走しようとするピーターフォンダと相棒の車に何故か乗りこんでくるスーザン・ジョージ。
これに呼応したホモ・グループがプラカードで応援を始めたり、
部長刑事との対応に共感した群集は、ソニーを英雄扱いに祀り上げる。
こうして、警官隊と、ソニーたちの真夏の長い長い持久戦が続くのであった・・・
汗が噴き出すような真夏の持久戦の様子をユーモアを交えながら描き出すシドニー・ルメット監督の手腕の確かさを確認できる秀作です。
107位
『パリは燃えているか』(1966)
仏: Paris brûle-t-il?、英: Is Paris Burning?
レジスタンスと自由フランス軍によるパリの解放を描いた作品。
アメリカ軍の挿話の脚本にフランシス・F・コッポラが携わっています。
オールスターキャストで描いていますが、
1960年代初め、カリフォルニアの海辺の町にはマット、ジャック、リロイを中心とする若者たちが、サーフィンを通じてグループを作っていた。
彼らの夢は水曜日にやってくるという世界最大の波”ビッグ・ウェンズデー”に挑戦する事だった。
1960年代中旬になると、
彼等もベトナム戦争に徴兵される。
ジャックだけ堂々と徴兵検査を受けベトナムに赴任する。
そして1960年代も終わり、
ジャックはカリフォルニアの海に戻ってくるが、
戦争は3人の心に深い傷を残していた。
時は過ぎ、
無鉄砲な青春時代を送っていた3人も立派な社会人になっていた。
交流もすっかり途絶えていたが、
青春の頃に憧れていた伝説の大波ビッグ・ウェンズデーがやってきた。
マットはベア特性のロング・ボードを抱え、浜辺に下り立った。
警官たちの警告を無視し、多くのサーファーたちがビッグ・ウェンズデーに挑戦して弾き飛ばされている。
懐かしい青春の浜辺にはジャックとリロイが待っていた。昔と同じだ。黙って顔を見合わせるだけで言葉はいらなかった。
とうとう俺たちの青春のけじめの日が来たのだ。三人はサーフ・ボードに乗って波に向かった・・・
サーフボードを抱えて現れる3人の姿が男の私の目から観ても美しい。
そしてクライマックスのサーフィンシーンの素晴らしさ。
サーフィンをやったことのない僕でもわかる。
このパイプラインの描き方に匹敵する作品は今でもない。
夏の終わりを感じる名作。
105位
『駅馬車』(1939)Stagecoach
カウボーイじゃなくてカーボーイなんだななんてことはどうでもいいか(笑)
自らの肉体と容姿で、ニューヨークの女性達のジゴロとなって一旗上げようと、テキサスからやってきたジョー(ジョン・ボイト)。
自信満々でやってきたものの、女性には全く相手にされず逆に金を巻き上げられてしまう始末。
片足が悪く、肺も悪い詐欺師ラッツオ(ダスティン・ホフマン)にもカモにされるが、ジョーは何故か憎めない。
二人は友情を深めるうち、
一緒に住むことになる。
そこは暗く汚いはきだめのような場所だったが、ラッツオはいつかこの世界から飛び出して、太陽の光溢れるマイアミに行くことを夢見ている事を熱くジョーに語るのであった。
僅かな金を手にしたジョーはラッツオの夢をかなえるために一緒にマイアミに向かうのだが、ラッツオの病状は次第に悪化していく。
アメリカの文明批判をも含んだ友情物語。
ラストは涙。
102位
『第十七捕虜収容所』(1953)Stalag 17
空挺部隊や戦車部隊、
戦闘場面ではなく収容された捕虜収容所が舞台になった初めての映画。
ドイツの第17捕虜収容所に収容された米軍の軍曹たち。
準備万端、
計画通り脱走は計画通り進むはずだったが、
なぜか事前に脱走を察知していたようなドイツ軍の兵士に待ち伏せされ、
二人の兵士は銃殺される。
あまりにも簡単に脱走が失敗したことで、
収容書内では、
この施設の中にだれかスパイがいるんじゃないかという疑念が生まれる。
そのスパイと疑われたのが、ウィリアム・ホールデン演じるセフトン。
彼はドイツ兵といろいろ取引等をしていたことから疑われる原因だった。
そんな中、
中尉達二人がこの収容所に収監されることとなり・・・
面白い!
戦争ドラマでありながら、
そこに推理サスペンスの愉しみを注入してくれている。
ピンポン玉、ラジオ、ピッコロ、
裸電球、チェスの駒、
小道具から物語の本筋に持っていく腕は、
やっぱり大したもの。
この作品の後、
収容所脱走物は一つのカテゴリとして定着し、
様々な作品が生まれることになります。
101位
『素晴らしき戦争』(1969)Oh! What a Lovely War
反戦ミュージカルの傑作。
流血場面は一切出てきませんが、それを象徴する赤いテープが象徴的な作品です。
1914年。
セルビアを訪れたオーストリアの大公夫妻の暗殺事件をきっかけに、
ドイツ・オーストリア・イギリス・フランスを中心とした、第一時世界大戦が始まる。
平凡な中流家庭だったスミス一家は家族揃ってピクニック。
そこで行われていた新兵募集の催事に参加したことから、この一家に悲劇が訪れる。
犠牲となる兵士の数は膨大な数となっていくが、
各国の上層部の人間はまるで戦争を楽しんでいるとしか思えない。
クリスマスの束の間の休戦時、ドイツ兵とイギリス兵の交流が心にしみる。
兵士たちは好きで殺しあっているのではない。
しかし上層部は「兵士は戦闘が好きなのだ」と言い放つ。
赤いテープに導かれる幻想的なエピローグ。
そしてラストは強烈な印象を残す。
リチャード・アッテンボロー監督お見事でした。
いよいよ次回からは100位からのご紹介となります。
よろしくお願いいたします。