僕のお気に入り映画BEST200(洋画編)101位~110位 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

この企画もいよいよ中盤戦に入ってきました。

自己満企画にお付き合いいただきありがとうございます。

 

世間の批評とは関係なく僕な好きな作品をランキング形式で200本挙げていきます。

場末の二番館で映画を観る感覚で読んでください。

 

僕のお気に入り映画BEST200(洋画編)

それでは110位から!

 

110位

ポセイドン・アドベンチャー』(1972)

The Poseidon Adventure

81,000トンの大型客船が大波を受けて転覆。
船体は完全に反転し、天井と床が完全に逆さまになってしまった。
 
ほとんどの乗客が命を落としてしまった中、
生き残ったのは19人。
 
牧師のスコット(ジーン・ハックマン)は船外に脱出することを提言するが、
同調したのはわずか9人。
残りの10人はその場に残って外部からの救助を待つことにした。
 
脱出を試みた9人だったが、
爆発の続く船内で脱出は困難を極め、
意見の違いで対立も起こる。
 
手に汗握る場面の連続の中、
己を犠牲にして仲間を助けようとする婦人のエピソードが胸を打つ。
 
109位
ダーティー・メリー/クレイジー・ラリー』(1974)
Dirty Mary, Crazy Larry
この作品も批評家さんたちからはそんなに評価される作品ではないかもしれない。
でも、僕が好きだからいいんです。
 

イージー・ライダー 」でアメリカン・ニューシネマの先駆けを作ったピーター・フォンダが、

バイクを自動車に変えてまたまた走りまくる。

何回も書くようですが、

CG映像の洪水の今日では味わえない、

本物のカーチェイスを見せてくれます。


スーパーマーケット強盗をして車で逃走しようとするピーターフォンダと相棒の車に何故か乗りこんでくるスーザン・ジョージ。
 
たちまち非常線がひかれ警察車両が追跡するが、
ピーター・フォンダらは、警察無線を傍受しながら逃走しているため警察の裏をかいて逃げ続ける。
 
特殊車両まで出動させて警察側の指揮を執るのがヴィグ・モロー。
執念深くヘリコプターまで動員して追跡する。
くるみの森でのカーチェイスは伝説かもしれない。
 
このヴィグ・モローが本当に執念深くていいね。
こういう作品は敵役が強くて憎らしいほど面白くなる。
 
生意気娘のスーザン・ジョージがたびたび置いてきぼりをくらうとぼけた面白みもあり面白いです。
 
アメリカン・ニューシネマの隠れた名作だと思います。
 
108位
狼たちの午後』(1975)Dog Day Afternoon
うだるような暑さが続くこの時期に鑑賞するのにぴったりだと思います。
 
銀行強盗に押し入ったソニー(アル・パチーノ)とサル(ジョン・カザール)
のんびりムードのソニーと不気味な凶暴性を秘めていそうなサル。
 
計画通り進んでいくと思われたが、
銀行の現金はすでに運び出されてしまった後だった。
 
通報により到着する警官隊。
200名もの警官たちに二人は包囲されることになる。
 
女房を呼べというソニーの要求に妻は全く興味を示さず、
現われたのは男。
ソニーの強盗の目的はこの男の性転換の費用を得るためだった。
 

これに呼応したホモ・グループがプラカードで応援を始めたり、

部長刑事との対応に共感した群集は、ソニーを英雄扱いに祀り上げる。

 

こうして、警官隊と、ソニーたちの真夏の長い長い持久戦が続くのであった・・・

 

汗が噴き出すような真夏の持久戦の様子をユーモアを交えながら描き出すシドニー・ルメット監督の手腕の確かさを確認できる秀作です。

 

107位

パリは燃えているか』(1966)

仏: Paris brûle-t-il?、英: Is Paris Burning?

ナチス・ドイツ敗色の色が濃くなり始めた1944年8月。
レジスタンスと自由フランス軍によるパリの解放を描いた作品。
アメリカ軍の挿話の脚本にフランシス・F・コッポラが携わっています。
 
ナチス・ドイツに対するレジスタンスたちの視点で描かれる本作。
 
海辺やジャングルではなく市街戦を描いた本作。
カーク・ダグラスやイヴ・モンタン、ジャン・ポール・ベルモンド、アラン・ドロンら、
オールスターキャストで描いていますが、
本当の主役はパリ市民。
 
パリの管轄を任されたドイツの将軍が、
ヒトラーのパリを焼け野原にする命令に対して躊躇するところが面白い。
 
ドイツ軍幸福の後に無人の指令室に響く、
「パリは燃えているか」というヒトラーの絶叫は忘れられない。
 
106位
ビッグ・ウェンズデー』(1978)Big Wednesday
青春の惜別がテーマなのだろう。
 

1960年代初め、カリフォルニアの海辺の町にはマット、ジャック、リロイを中心とする若者たちが、サーフィンを通じてグループを作っていた。

 

彼らの夢は水曜日にやってくるという世界最大の波”ビッグ・ウェンズデー”に挑戦する事だった。

 

1960年代中旬になると、

彼等もベトナム戦争に徴兵される。

ジャックだけ堂々と徴兵検査を受けベトナムに赴任する。

 

そして1960年代も終わり、

ジャックはカリフォルニアの海に戻ってくるが、

戦争は3人の心に深い傷を残していた。

 

時は過ぎ、

無鉄砲な青春時代を送っていた3人も立派な社会人になっていた。

交流もすっかり途絶えていたが、

青春の頃に憧れていた伝説の大波ビッグ・ウェンズデーがやってきた。

 

マットはベア特性のロング・ボードを抱え、浜辺に下り立った。

警官たちの警告を無視し、多くのサーファーたちがビッグ・ウェンズデーに挑戦して弾き飛ばされている。

懐かしい青春の浜辺にはジャックとリロイが待っていた。昔と同じだ。黙って顔を見合わせるだけで言葉はいらなかった。

とうとう俺たちの青春のけじめの日が来たのだ。三人はサーフ・ボードに乗って波に向かった・・・

 

サーフボードを抱えて現れる3人の姿が男の私の目から観ても美しい。

 

そしてクライマックスのサーフィンシーンの素晴らしさ。

サーフィンをやったことのない僕でもわかる。

このパイプラインの描き方に匹敵する作品は今でもない。

 

夏の終わりを感じる名作。

 

105位

駅馬車』(1939)Stagecoach

今や活劇映画の教科書ともいえるのではないか。
99分の間に様々な人間ドラマも詰め込まれる。
 
駅馬車が進んでいくごとに浮かび上がってくる人間関係。
騎兵隊が護送をやめたあとに起こる不安感。
 
この不安は序盤にちゃんと伏線が貼ってあるのが見事ですね。
 
そして駅馬車を下から移動撮影で撮ることによるスピード感と迫力が相まって映画全体に力強さを感じることになる。
 
そして語り草になっているアパッチの襲撃シーン。
横移動撮影と砂埃と光と影。
もうこれは神業に近いと思う。
 
全員駅馬車に乗って目的地に絶対に行かなくてはならないという理由があって、物語の起承転結も綺麗に完結します。
 
脱出もの、襲撃もの、追跡もの、カーチェイスもの、
ほとんどの作品がこの作品がお手本になっていると思う。
逆に、本作を知らないで活劇を撮っている作家は二流作品しか撮れないのではないかと思う。
 
104位
暗くなるまで待って』(1967)Wait Until Dark
盲目の妻オードリー・ヘップバーンが麻薬が隠された人形を預かってしまうことから命を狙われてしまうシチュエーションスリラー。
職人監督テレンス・ヤングは、
燃える灰皿の紙屑や冷蔵庫などの小道具の伏線や電話のトリックなどをうまく『画』でみせてくれるので、サスペンスが理屈っぽくならずストレートに盛り上がる。
 
暗闇の中両足を掴まれるショックシーンなども用意されている。
オードリーの好演も相まって、極上のスリラーになった。
 
103位
真夜中のカーボーイ』(1969)Midnight Cowboy

カウボーイじゃなくてカーボーイなんだななんてことはどうでもいいか(笑)

 

自らの肉体と容姿で、ニューヨークの女性達のジゴロとなって一旗上げようと、テキサスからやってきたジョー(ジョン・ボイト)。

自信満々でやってきたものの、女性には全く相手にされず逆に金を巻き上げられてしまう始末。

 

片足が悪く、肺も悪い詐欺師ラッツオ(ダスティン・ホフマン)にもカモにされるが、ジョーは何故か憎めない。

 

二人は友情を深めるうち、

一緒に住むことになる。

そこは暗く汚いはきだめのような場所だったが、ラッツオはいつかこの世界から飛び出して、太陽の光溢れるマイアミに行くことを夢見ている事を熱くジョーに語るのであった。

 

僅かな金を手にしたジョーはラッツオの夢をかなえるために一緒にマイアミに向かうのだが、ラッツオの病状は次第に悪化していく。

 

アメリカの文明批判をも含んだ友情物語。

ラストは涙。

 

102位

第十七捕虜収容所』(1953)Stalag 17

空挺部隊や戦車部隊、

戦闘場面ではなく収容された捕虜収容所が舞台になった初めての映画。

 

ドイツの第17捕虜収容所に収容された米軍の軍曹たち。

 

準備万端、

計画通り脱走は計画通り進むはずだったが、

なぜか事前に脱走を察知していたようなドイツ軍の兵士に待ち伏せされ、

二人の兵士は銃殺される。

 

あまりにも簡単に脱走が失敗したことで、

収容書内では、

この施設の中にだれかスパイがいるんじゃないかという疑念が生まれる。

 

そのスパイと疑われたのが、ウィリアム・ホールデン演じるセフトン。

彼はドイツ兵といろいろ取引等をしていたことから疑われる原因だった。

 

そんな中、

中尉達二人がこの収容所に収監されることとなり・・・

 

面白い!

戦争ドラマでありながら、

そこに推理サスペンスの愉しみを注入してくれている。

 

ピンポン玉、ラジオ、ピッコロ、

裸電球、チェスの駒、

小道具から物語の本筋に持っていく腕は、

やっぱり大したもの。

 

この作品の後、

収容所脱走物は一つのカテゴリとして定着し、

様々な作品が生まれることになります。

 

101位

素晴らしき戦争』(1969)Oh! What a Lovely War

反戦ミュージカルの傑作。

流血場面は一切出てきませんが、それを象徴する赤いテープが象徴的な作品です。

 

1914年。

セルビアを訪れたオーストリアの大公夫妻の暗殺事件をきっかけに、

ドイツ・オーストリア・イギリス・フランスを中心とした、第一時世界大戦が始まる。

 

平凡な中流家庭だったスミス一家は家族揃ってピクニック。

そこで行われていた新兵募集の催事に参加したことから、この一家に悲劇が訪れる。

 

犠牲となる兵士の数は膨大な数となっていくが、

各国の上層部の人間はまるで戦争を楽しんでいるとしか思えない。

 

クリスマスの束の間の休戦時、ドイツ兵とイギリス兵の交流が心にしみる。

兵士たちは好きで殺しあっているのではない。

しかし上層部は「兵士は戦闘が好きなのだ」と言い放つ。

 

赤いテープに導かれる幻想的なエピローグ。

そしてラストは強烈な印象を残す。

 

リチャード・アッテンボロー監督お見事でした。

 

いよいよ次回からは100位からのご紹介となります。

よろしくお願いいたします。