ビッグ・ウェンズデー | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます


あの時の映画日記-ビッグ・ウェンズデー
これまた、去り行く青春を惜しむ1978年度ジョン・ミリアス監督作品。

『ビッグ・ウェンズデー』


1960年代初め、カリフォルニアの海辺の町にはマット、ジャック、リロイを中心とする若者たちが、サーフィンを通じてグループを作っていた。


彼らの夢は水曜日にやってくるという世界最大の波”ビッグ・ウェンズデー”に挑戦する事だった。


ポイント岬で最高のサーファーといわれるマットは、一向にやってこないビッグ・ウェンズデーを待ちかねて、酒に溺れる事もしばしばで、ジャックやリロイの友情によって何度か立ち直りのチャンスを与えられていた。そんなマットの心を優しく受けとめてくれたのは、明るく健康な娘ペギーだった。


1960年代も半ば、彼らにも激化するベトナム戦争のための徴兵命令が来た。


マットやリロイ、そしてサーファー仲間のワクサーたちグループの大半が徴兵を逃れようと奇抜なアイデアを考えているのをよそに、優等生のジャックは堂々と徴兵検査を受け、ベトナムへと赴任していった。マットとリロイは何とか不合格をもらったが、ワクサーたちはベトナムへとかりだされていった。


ジャックの歓送会は盛大に、そして悲しく行われた。マットもリロイもペギーも泣いた。恋人のサリーも。

帰って来いジャック、俺たちも、海もサーフ・ボードもお前を待っているぞ・・・。


1960年代も終わり、ジャックは帰ってきた。懐かしいカリフォルニアの海へ。マットとの再会はサーフボードの上だった。ジャックはその足で恋人のサリーを訪ねた。だが彼女はすでに結婚してしまっていた。

彼らの心にベトナム戦争は暗く大きな傷を残したのだった。マットとジャックとリロイの三人は、とうとう帰らぬ人となってしまったワクサーの墓の前で酒を酌み交わし、泣いた。


そして闇の中をそれぞれの道を歩きながら別れた。かれらは皆口にはいわなかったものの、あの無鉄砲な青春時代の終わりを、それぞれの心に感じていた。


そして1970年代の半ば、彼らが待ちに待ったその日が来た。



あの時の映画日記-ビッグ・ウェンズデー3

今はもうジャックやリロイも立派な社会人として生活を確立しており交際も途絶えていた。

マットはベア特性のロング・ボードを抱え、浜辺に下り立った。

警官たちの警告を無視し、多くのサーファーたちがビッグ・ウェンズデーに挑戦して弾き飛ばされている。

懐かしい青春の浜辺にはジャックとリロイが待っていた。昔と同じだ。黙って顔を見合わせるだけで言葉はいらなかった。

とうとう俺たちの青春のけじめの日が来たのだ。三人はサーフ・ボードに乗って波に向かった。


あの時の映画日記-ビッグ・ウェンズデー2

(公開当時のプログラムより)



夏の終わりを感じるような、しっとりとした青春映画です。

決して派手なアクションシーンやラブ・シーンがあるわけではないのに、目を閉じればそれぞれのシーンが目に浮かんできます。

そして、忘れてはならないのが、ラストの”ビッグ・ウェンズデー”に三人が挑戦する場面。

パイプラインの撮影が見事。

この映画を超える、サーフィンシーンの映画をいまだ私は観たことがありません。素晴らしいです。

主演の三人も好演でした。J・マイケル・ビンセント、ウィリアム・カット、ゲーリー・ビジー。

彼らの新作の話題を聞かないのが寂しいです。

いい映画です。観てください。


ペタしてね 読者登録してね


ビッグ ウェンズデー [DVD]/ワーナー・ホーム・ビデオ
¥1,500
Amazon.co.jp