駅馬車 | あの時の映画日記~黄昏映画館

あの時の映画日記~黄昏映画館

あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

$あの時の映画日記

駅馬車』原題:Stagecoach
1939年度(米)ジョン・フォード監督作品

優れたアクション映画の定番、
西の「駅馬車」、東の「七人の侍」じゃないでしょうか。

先日、やや理屈っぽい西部劇「ローン・レンジャー
(あれはあれで面白かったですが)を採り上げたあと、
無性に「駅馬車」を見直したくなった。

そして見直した。

やっぱりいいね、このスタイルの西部劇。
僅か99分。
その中に様々な人生ドラマ、風刺、恋愛、確執などを詰め込んで、
駅馬車はトントの街からローズバーグへ出発する。

これだけの要素を、あの狭い駅馬車の中だけで表現すると、
下手すれば重く暗い密室劇になりかねないシチュエーションを、
監督ジョン・フォードは、ジョン・ウェイン扮するリンゴ・キッドの
鮮やかな登場を得て、明朗快活な活劇作品に仕立て上げた。
これはもう神業!

駅馬車が進んでいくにつれ、
各登場人物があやとりのように交錯する。
乗客それぞれが、全員ワケアリなのだ。

快調に進む駅馬車。
途中までは騎兵隊が護送してくれるので、
乗客全員ネコをかぶっているが、
騎兵隊と別れたあたりから、
なにやら事情が変わってくる・・・不安。

このいいようのない不安は、
ちゃんと最初に伏線がある。

走る駅馬車を下から移動撮影で撮る。
見事なスピード感。

そして、アパッチの襲撃。
横移動撮影、砂埃、映画的魅力。
このシーンと同格に語ることができるシーンは、
七人の侍」の雨中の野武士との合戦シーンしか思い出すことができない。

川を渡るための舟は燃やされており、
自力で川を渡らなければならない。

それぞれの乗客に、
目的地ローズ・バーグに行かなければならない理由がある。
リンゴ・キッドの理由は復讐だった。

ラストはラブ・ストーリーのハッピーエンド。
ああいう酒場で僕も一杯やってみたい。

劇中、とても印象的だった、アル中の医者を演じたトーマス・ミッチェルが、
オスカー(最優秀助演男優賞)を獲得しています。

一度観ると、二度、三度と観たくなる麻薬のような映画。
これほど映画らしい映画はないと思います。

時代が経てば経つほど輝きが増す、
そんな作品です。

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