僕のお気に入り映画BEST200(洋画編)71位~80位 | あの時の映画日記~黄昏映画館

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あの日、あの時、あの場所で観た映画の感想を
思い入れたっぷりに綴っていきます

引き続きやっていきます本企画。

作品の出来を競うランキングではなく、私のお気に入りを並べていく企画なのでゆる~くお楽しみいただけると嬉しいです。

 

僕のお気に入り映画BEST200

さて、今回は80位から!

 

80位

カッコーの巣の上で』(1975)

 One Flew Over the Cuckoo's Nest

 

ジャック・ニコルソンが精神疾患を患ったように偽り、
精神病院に入院して徴兵逃れをする。
 
しかし彼が入院した病院は、
婦長であるルイーズ・フレッチャーが支配する人間としての尊厳をすべて奪われてしまう場所だった。
 
ジャック・ニコルソンはそんな病院に入院して無気力になっている患者たちのために環境を変えようとするのだが、
その行動が病院の逆鱗に触れてしまい・・・
 
精神疾患にロボトミー手術が行われていた時代。
手術により呼吸するただの物体になってしまったニコルソンに、
枕を押し付けて窒息させて“カッコーの巣”から逃げ出す無表情のしゃべれないネイティヴアメリカンが人間の尊厳を問いかける。
 
79位
ディア・ハンター』(1978)The Deer Hunter

 

エンドロールが流れ終わっても席を立てなかった作品。

ペンシルバニアの普通の青年たちが徴兵されベトナムへ赴く。

戦闘で下半身不随になったりする者もいるが、

純粋な青年が極限の恐怖と麻薬のために精神崩壊してしまう場面が壮絶。

リーダー格のロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープの悲恋。

敵を悪魔にしすぎるという批判も多い作品ですが、

戦争で若者が負った心の傷を描く演出としてアリだと思います。

アメリカが敵に対してもっとむごいことをしていたとしても。

(少し皮肉っぽいですが)

 

78位

エクソシスト』(1973)The Exorcist

 

ストーリーは有名ですね。

ジョージタウンに住む少女にとりついた悪魔を祓うために呼ばれた神父と悪魔の死闘。

 

首が360度回ったり緑のゲロを吐いたり少女のお腹に文字が浮かび上がったりと怪奇ショーが繰り広げられる。

 

音楽がとてもよく、光と影を活かした撮影も素晴らしく、

この作品以降多く作られた“オカルト映画”の中でもひときわ完成度が素晴らしい。

 

西洋人とは悪魔の定義が異なる僕には、

本当の恐怖は伝わってこなかったのかもしれないのですが、

エンターテイメントとして楽しませてもらった。

 

あとこの年のオスカーの助演女優賞を、

『ペーパー・ムーン』のテイタム・オニールが受賞したのですが、悪魔にとりつかれた少女リーガンを演じたリンダ・ブレアにも何か賞をあげたかった。

とっても過酷な撮影だったそうです。

 

77位

ゴッドファーザー』(1972)The Godfather

 

マリオ・プーゾが1969年に発表したベストセラー小説を1972年にフランシス・フォード・コッポラ監督が映画化し大ヒット。

アカデミー作品賞他、各賞受賞した作品。

 

イタリアンマフィア(自らは決してマフィアとは言わずファミリーと呼ぶ)のボス、ゴッドファーザーことドン・ビト・コルレオーネとその三男マイケル・コルレオーネを中心としたコルレオーネファミリーがのし上がっていく物語。

 

その中にファミリーの絆や裏切りがあり、

ニーノ・ロータの音楽もよろしく重厚な出来栄えになっている。

 

敵対する他のファミリーを一斉粛清する場面のコッポラの演出の切れと言ったら本当に一級品。

 

マイケルが悪徳警官と父を襲ったチンピラがイタリアンレストランで会談する場面の緊迫感とアル・パチーノの表情。

 

そして静かに終わる、

ドン・ビト・コルレオーネの死。

 

すべて完全脳内再生できます。

 

ビト・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドが貫禄。

当時落ち目の俳優だと思われていた彼がオーディションで役を射止めて再ブレイク。

アカデミー主演男優賞を受賞したが拒否したのは有名な話。

 

その他、

マイケルを演じたアル・パチーノを始め、

ジェームス・カーン、ダイアン・キートン、ロバート・デュバル、ジョン・カザール、タリア・シャイアなどほぼ無名だった若手たちが大ブレイクした作品だった。

 

順位が低いなと思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、

わたしは続編である『PARTⅡ』のほうをより愛しているので、

バランス的にこの順位に落ち着きました。

 

76位

波止場』(1954)On the Waterfront

ニューヨークの波止場の利権を握るマフィアとマーロン・ブランド演じる労働者の対決。

 

ボクサー崩れの主人公マーロンブランドが、

時にひどい暴力を受けながらも労働者の権利を守り、

日和見的だったほかの労働者たちもその背中についていくようになる。

 

マーロン・ブランドが一番カッコいい作品じゃないか。

 

左寄りとも思われる作品内容とエリア・カザン監督との推測をしてみるのも面白いかもしれない。

 

75位

トリュフォーの思春期』(1976)L'Argent de poche

 

ここで大好きなトリュフォー作品をご紹介できる。

 

フランスの小学校に通う学童たちを、

サラッと描いて、深い感銘を与えてくれる、

トリュフォー監督の佳品。

 

誰にでも覚えがあるような、

小学校時代の行状を誇張することなく、

ある場面では笑わせ、ある場面では泣かせ、

ある場面では共感させてくれる。

 

日常の全てをドラマとして爽やかなタッチで描いてくれるから、

なんだかとてもうれしくなりますね。

 

たとえば赤ちゃんが猫と戯れていて、

そのままアパートの10階から落下!

などというシーンは、

真面目に描くとホラーですが、

この作品ではコメディになっている。

 

お気に入りの汚れたハンドバックを、

両親からレストランに持っていってはいけないといわれた少女が、

家に閉じこもり、

拡声器で身の不幸を嘆くシーンも楽しい。

 

子供だって恋をする。

友人の母に恋した少年は、

有り金はたいて赤いバラを友人の母に送るが、

友人の母は・・・

というのもほろ苦い。

 

問題児として転校してきた少年が、

実は家で虐待を受けており、

その事実を知った担任が、

少年に辛く当たっていたことを詫びるシーンは、

胸が詰まる。

 

性に早く目覚める子もいれば、

晩熟の子もいる。

 

子供が生まれた教師が、

子供たちに子供の権利を諭すシーンは感動的だし、

説得力もある。

 

これらの挿話が散文的に描かれていて、

トリュフォー監督の才気を感じるなあ。

 

ハリウッド映画にはないこの感覚!

 

74位

スイート・チャリティー』(1969)Sweet Charity

 

フェデリコ・フェリーニ監督の『カビリアの夜』の素敵なリメイク。

ミュージカルにしたのが大成功で、いつも男につまずいている主人公をシャーリー・マクレーンが元気いっぱいに演じていて、感動さえしてしまう。

 

ボブ・フォッシー監督独特の肩をツンと上げたダンスなど、

同監督でしか撮れないダンスシーンが満載で、

オリジナルと遜色のないリメイクです。

楽しい!

 

73位

大脱走』(1963)The Great Escape

 

第2次世界大戦中、ドイツの捕虜収容所に捉えられた連合国軍の将兵ら250人が、なんと集団脱走を試みる。
森へ抜ける数百メートルの「トム」というトンネルを掘り、それを通じて脱走しようという計画だ。

捕虜になった兵士達の任務は一つ。
脱走して、敵の兵力を調査報告し錯乱させる事。

かくして史上最大の脱走計画が始まった。
 

個性的なキャラクターがたくさん出てきますが、

やっぱりスティーヴ・マックイーンでしょう。

 

バイクで鉄条網を突破して脱走しようとする場面が白眉。

めちゃくちゃカッコいい。

そしてエルマー・バーンスタインの音楽がそれに輪をかける。

 

結果的にこの作戦は失敗だったんじゃないかなと思うのですが、

懲りないマックイーンの姿がそう感じさせないんですよね。

 

72位

イージー☆ライダー』(1969)Easy Rider

 

 

アメリカン・ニューシネマといわれるジャンルの作品の中でも代表的な作品ですね。

 

自由を求めてバイクで疾走する若者。

だが、閉鎖的な村では彼らは好奇の対象でしかなく排除されてしまう。

 

時代らしくドラック描写がとても具体的だったりするのが、風俗的にとても興味をそそられる。

 

アメリカの自由って何なんだと若者が真っ向から声を上げた作品。

この作品がアメリカ映画界に与えた影響は大きく、

ドロップアウトした若者たちがスクリーンに次々と登場することになる。

 

71位

フェーム』(1980)Fame

 

「イージー☆ライダー」あたりからドロップアウトした若者の青春を描いた作品が連発されましたが、1976年の「ロッキー」あたりが境となり、真面目に人生を生きていく若者たちを描く作品が帰ってきたような気がします。

 

本作などはまさにそんな作品で、

ニューヨークの芸能専門学校に通いスターになることを夢見る若者たちの物語。

キラキラした青春の汗がほとばしるようなアラン・パーカー監督の秀作。

生徒たちが路上を占拠してしまう「フェーム」のシーンや食堂でのセッション「ホットランチジャム」そして卒業式の場面は鳥肌ものの素晴らしさ!

清々しい。

 

71位から80位まではこんな感じです。

次回は61位から70位までご紹介したいと思います。