第8回仙台国際音楽コンクール(ピアノ部門) ファイナル 第2日 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

宮城県の仙台市で開催されている、第8回仙台国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

6月24日は、ファイナルの第2日。

ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。

ちなみに、第8回仙台国際音楽コンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第7回仙台国際音楽コンクール(ピアノ部門)が終わって

第7回仙台国際音楽コンクール 審査結果詳細を見ての感想

第8回仙台国際音楽コンクール(ピアノ部門) 出場者発表

ヴァイオリン部門 予選 第1~3日

ヴァイオリン部門 セミファイナル 第1~3日

ヴァイオリン部門 ファイナル 第1~3日

ピアノ部門 予選 第1~3日

ピアノ部門 セミファイナル 第1日

ピアノ部門 セミファイナル 第2日

ピアノ部門 セミファイナル 第3日

ピアノ部門 ファイナル 第1日

 

 

 

 

 

なお、以下の協奏曲は高関健指揮、仙台フィルハーモニー管弦楽団との共演である。

 

 

 

 

 

01 ヨナス・アウミラー Jonas AUMILLER ドイツ 1998-

 

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 op.37

 

ピアノはカワイ。

くっきり明快なタッチによる、力強い演奏。

音色にドイツ風の味があり、ベートーヴェンらしい。

テクニック的にもなかなかだが、第1日のジョンファン・キムの同曲演奏に比べると精度はやや落ちる(ベートーヴェンらしさは上だが)。

また、強音の音質がきつめなのが少し気になる。

 

 

06 ジョージ・ハリオノ George HARLIONO イギリス 2001-

 

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 op.37

 

ピアノはヤマハ。

端正な正統派の演奏。

この数日、クライバーンコンクール(その記事はこちらなど)も併せこの曲を何度も聴いたが、その中で最も曲の様式に合致している。

例えば第1楽章カデンツァ、三連符アルペッジョを強奏するクライマックスで、音の強め具合やテンポの速め具合が行き過ぎず、絶妙な“節度”を保っている。

疵や走りがちな箇所もないではないが、基本的には流麗によどみなく音楽が流れる。

音色も水のように清澄で美しい。

 

 

14 ジョンファン・キム Jeonghwan KIM ドイツ 2000-

 

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 op.30

 

ピアノはスタインウェイ。

何ともスマートで品のあるラフマニノフ。

先日のクライバーンコンクール(その記事はこちらなど)のYunchan LIMに匹敵する切れ味だが、LIMの絢爛なスタイルとは対照的。

終楽章の第1主題の同音連打など、ハイスピードのあまり不明瞭になるYunchan LIMとは異なり、しっかり細やかに鳴らしている。

同第2主題も、ここぞとばかりにぐっと加速するYunchan LIMとは異なり、品よくテンポを保っている。

個人的には、こちらのスタイルのほうが好み(インパクトはYunchan LIMのほうが上だが)。

 

 

22 ルゥォ・ジャチン LUO Jiaqing 中国 1999-

 

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 op.16

 

ピアノはカワイ。

目立ったミスもなく、しっかり弾けている。

この難曲をここまで弾けたら大したもの。

ただ、第1日のモーツァルトもそうだったが、割と淡々としていて、ぐっとくる演奏かといわれるとそうではない印象。

このあたりは好みの問題かもしれないが。

 

 

 

 

 

そんなわけで、ファイナル第1、2日の6人の演奏を気に入った順に並べると

 

1.  06 ジョージ・ハリオノ George HARLIONO イギリス 2001-

2.  14 ジョンファン・キム Jeonghwan KIM ドイツ 2000-

3.  16 キム・ソンヒョン KIM Songhyeon 韓国 2002-

4.  01 ヨナス・アウミラー Jonas AUMILLER ドイツ 1998-

5.  22 ルゥォ・ジャチン LUO Jiaqing 中国 1999-

6.  29 太田 糸音 OTA Shion 日本 2000-

 

といったところか。

皆うまいので、これがどう並べ替えられてもおかしくはない。

そんな中、ジョージ・ハリオノとジョンファン・キムあたりは優勝に近いところにいるような気がするが、どうだろうか。

 

 

次回(6月25日)はファイナルの第3日。

ファイナルの最終日である。

 

 


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