宮城県の仙台市で開催されている、第8回仙台国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。
6月17日は、セミファイナルの第1日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、第8回仙台国際音楽コンクールについてのこれまでの記事はこちら。
なお、以下の協奏曲は高関健指揮、仙台フィルハーモニー管弦楽団との共演である。
15 キム・セヒョン KIM Saehyun 韓国 2007-
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 op.19
ピアノはスタインウェイ。
素直な歌心を感じさせる、端正な演奏。
技巧的にかなり安定していて、急速な終楽章でもいっぱいいっぱいにならず、余裕をもってのびやかに歌えている。
弱冠14~15歳とは思えぬ技であるとともに、若々しい素直な音楽性をもうまく武器にできている印象。
ただ、予選のリストソナタほどの圧倒的なものを示せたかというと微妙なところで、ファイナル進出の可能性が高そうとはいえ、他の人たちもうまいぶん安泰とまではいえないかも。
28 小野寺 拓真 ONODERA Takuma 日本 2005-
モーツァルト:ピアノ協奏曲 ト長調 K453
ピアノはヤマハ。
こちらは端正というよりは少しロマン派風、ヴィルトゥオーゾ風だが、様式的な違和感を感じるほどではない。
音も柔らかというよりはややソリッドだが、それはそれで悪くない。
技術的にもしっかりしたほうだと思う。
01 ヨナス・アウミラー Jonas AUMILLER ドイツ 1998-
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 op.15
ピアノはカワイ。
端正は端正でもきりっとした演奏で、切れ味がある。
お国ものということもあり、様式感も文句なし。
技巧面もかなりのもので、終楽章の主要主題の連続和音はわずかに不安定だが、それでもいまいちというほどではない。
29 太田 糸音 OTA Shion 日本 2000-
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 op.15
ピアノはカワイ。
こちらもストレートなタイプの演奏で、ベートーヴェンにふさわしい。
テクニック面も申し分なく、彼女が予選で披露した得意曲プロコフィエフエチュードの難しい連続和音やオクターヴトレモロが、今回のベートーヴェンでも余すところなく発揮され、実に見事にきまっている。
そんなわけで、第1日の演奏者のうち、私がファイナルに進んでほしいと思うのは
15 キム・セヒョン KIM Saehyun 韓国 2007-
01 ヨナス・アウミラー Jonas AUMILLER ドイツ 1998-
29 太田 糸音 OTA Shion 日本 2000-
あたりである。
次点で、
28 小野寺 拓真 ONODERA Takuma 日本 2005-
あたりか。
と、少し違いを付けてみたが、実際には誰が選ばれてもおかしくない、いずれ劣らぬ演奏だったように思う。
次回(6月18日)はセミファイナルの第2日。
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