宮城県の仙台市で開催されている、第8回仙台国際音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。
6月23日は、ファイナルの第1日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、第8回仙台国際音楽コンクールについてのこれまでの記事はこちら。
なお、以下の協奏曲は高関健指揮、仙台フィルハーモニー管弦楽団との共演である。
14 ジョンファン・キム Jeonghwan KIM ドイツ 2000-
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 op.37
ピアノはカワイ。
全体的にごまかしなくしっかり弾かれており、特に終楽章では彼の優れた技巧が発揮されている。
ただ、彼の音の線の細さがベートーヴェンにはややしっくりこないのも否めないか(セミファイナルのモーツァルトは良かったのだが)。
22 ルゥォ・ジャチン LUO Jiaqing 中国 1999-
モーツァルト:ピアノ協奏曲 ハ長調 K503
ピアノはカワイ。
こちらも明快な演奏だが、単調とまではいわないにしても、先日のクライバーンコンクールでのアンナ・ゲニューシェネの同曲演奏などと比べると(その記事はこちら)、どこか味気なさも感じてしまう。
16 キム・ソンヒョン KIM Songhyeon 韓国 2002-
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 op.73 「皇帝」
ピアノはカワイ。
先ほどのジョンファン・キムあたりと比べると太くて力強い音が出せており、ベートーヴェンらしい。
技巧的にも概ね問題ないが、この曲は課題曲の大小2曲の協奏曲のうち大きいほうに属しているため、よほど目覚ましく弾かないと映えない(2009年浜コンでのチョ・ソンジンのように)。
その点では、優勝を確信するほどの演奏とは言えなそう。
29 太田 糸音 OTA Shion 日本 2000-
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 op.26
ピアノはカワイ。
予選では圧倒的なプロコフィエフ演奏を聴かせた彼女だが、協奏曲では手堅くもややこじんまりした印象か。
それでも、目立ったミスもなくしっかり弾けているし、終楽章のコーダではなかなか盛り上げている。
そんなわけで、ファイナル第1日の4人の演奏を気に入った順に並べると
1. 16 キム・ソンヒョン KIM Songhyeon 韓国 2002-
2. 14 ジョンファン・キム Jeonghwan KIM ドイツ 2000-
3. 29 太田 糸音 OTA Shion 日本 2000-
4. 22 ルゥォ・ジャチン LUO Jiaqing 中国 1999-
といったところか。
並べてはみたものの、どの演奏も一定以上のレベルを保っており、あまり差はない印象(逆に言うと突出した演奏もみられず)。
次回(6月24日)はファイナルの第2日。
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