今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
2021年に聴いたコンサートのうち、とりわけ印象に残ったものを挙げたいと思う。
なお、アマチュア音楽家によるコンサートや、ミュージカル・演劇・展覧会などは、今回の選定からは除外する。
オペラ、バレー、コンクール、マスタークラスは含むこととする。
あと、聴けなかったプログラムがあったり、印象に残った曲とそれほどではない曲があったりした場合、演奏曲目の一部しか記載していないこともある。
なお、前回(2020年)の印象深いコンサートについては、リブログ元の記事をご覧いただきたい。
また、それ以前の年についてはこちら。
まず、2021年に行ったコンサートの数。
1月 2回
2月 3回
3月 5回
4月 2回
5月 0回
6月 3回
7月 3回
8月 4回
9月 2回
10月 2回
11月 3回
12月 0回
計 29回
2021年は、2020年の約2倍とコンサート数が増えた。
ワクチン等によりコロナ禍がやや落ち着き、コンサートもあまり中止にならなくなったためと思われる。
次に、印象に残るコンサート20選を例年やっていたが、2021年は29回しか行っていないため、15選にしておく(順序は時系列)。
●1月9日 小林愛実(Pf) ショパン:幻想ポロネーズ、バラード第2番、ワルツ第5番、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、24の前奏曲
●3月6日 沼尻竜典 指揮 京都市交響楽団 ヴァーグナー:「ローエングリン」
●3月12日 田中玲奈(Fl) 法貴彩子(Pf) 宮城道雄:春の海、林光:「七つの子」変奏曲、團伊玖磨:フルート・ソナタ 第1楽章、尾高尚忠:フルート協奏曲 第2、3楽章、山田耕筰:「この道」変奏曲
●3月18日 齊藤一郎 指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 ファリャ:「三角帽子」第2組曲、ラヴェル:ピアノ協奏曲(菊池洋子(Pf))、トゥリーナ:幻想舞曲集、ラヴェル:スペイン狂詩曲
●4月3日 藤田真央(Pf) モーツァルト:ピアノ・ソナタ第7番、きらきら星変奏曲、ピアノ・ソナタ第16(15)番、6つのウィーンソナチネ第1番、ピアノ・ソナタ第1番、ピアノ・ソナタ第10番
●6月21日 山本貴志(Pf) シューベルト:即興曲D899-1、ショパン:4つのマズルカop.24、ベートーヴェン:「ヴァルトシュタイン」ソナタ
●7月3日 藤岡幸夫 指揮 関西フィルハーモニー管弦楽団 グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲、グリーグ:ピアノ協奏曲(福岡拓歩(Pf))、シベリウス:交響曲第2番
●7月10日 西本智実 指揮 イルミナートフィルハーモニーオーケストラ ドビュッシー:小組曲、ベートーヴェン:「田園」交響曲 第1楽章、R=コルサコフ:熊蜂の飛行、J.シュトラウス2世:雷鳴と電光
●7月16日 カーチュン・ウォン 指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 リスト:前奏曲、バルトーク:弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽、ムソルグスキー/ラヴェル:展覧会の絵
●8月9日 反田恭平(Pf) ショパン:ノクターン第17番、ワルツ第4番、マズルカ風ロンド、バラード第2番、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、3つのマズルカop.56、ピアノ・ソナタ第2番
●9月25日 クリスティアン・アルミンク 指揮 京都市交響楽団 ヴァーグナー:ジークフリート牧歌、ヴァーグナー/デ・フリーヘル:「ニーベルングの指輪」オーケストラル・アドヴェンチャー
●10月15日 沖澤のどか 指揮 京都市交響楽団 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番(務川慧悟(Pf))、ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第1、2組曲
以上である。
なお、藤田真央のコンサートは他にもいくつか行っており、いずれも素晴らしかったが、ここでは特に印象深い一つに絞った。
さて、上記の15のコンサートから、印象に残るものを5選まで絞るとすると、下記のようになる(順序は時系列)。
●1月9日 小林愛実(Pf) ショパン:幻想ポロネーズ、バラード第2番、ワルツ第5番、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、24の前奏曲
●4月3日 藤田真央(Pf) モーツァルト:ピアノ・ソナタ第7番、きらきら星変奏曲、ピアノ・ソナタ第16(15)番、6つのウィーンソナチネ第1番、ピアノ・ソナタ第1番、ピアノ・ソナタ第10番
●8月9日 反田恭平(Pf) ショパン:ノクターン第17番、ワルツ第4番、マズルカ風ロンド、バラード第2番、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、3つのマズルカop.56、ピアノ・ソナタ第2番
●9月25日 クリスティアン・アルミンク 指揮 京都市交響楽団 ヴァーグナー:ジークフリート牧歌、ヴァーグナー/デ・フリーヘル:「ニーベルングの指輪」オーケストラル・アドヴェンチャー
●10月15日 沖澤のどか 指揮 京都市交響楽団 ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番(務川慧悟(Pf))、ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第1、2組曲
以上である。
小林愛実の「24の前奏曲」、藤田真央の「きらきら星変奏曲」、反田恭平の「アンダンテ・スピアナート」、アルミンクの「ジークフリート牧歌」、務川慧悟の「サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番」。
これらは、もう本当に特別な、それぞれの曲における史上最高クラスの名演だった。
これ以上に絞るのは非常に難しいけれど、それでもあえて2021年のMVPを選ぶとすると、
●1月9日 小林愛実(Pf) ショパン:幻想ポロネーズ、バラード第2番、ワルツ第5番、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、24の前奏曲
ということになるだろう。
大いに話題になった2021年のショパンコンクール(その記事はこちらなど)、そのあらゆるコンテスタントの全演奏の中でもハイライトというべき、小林愛実の3次予選の「24の前奏曲」。
あの名演が、コンクールの半年前、滋賀県の小さな町の市民ホールにおいて眼前に繰り広げられたこと、忘れがたい思い出である。
皆様、2021年も弊ブログのマニアックな話題にお付き合い下さり、誠にありがとうございました。
もしよろしければ、2022年もどうぞよろしくお願いいたします。
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