国立科学博物館では7月13日~10月14日まで、「恐竜博2019」という特別展が開かれていました。この特別展の目玉は、北海道むかわ町穂別で発見された「むかわ竜」の展示。

全身の8割の骨格が発見され、全身骨格としては日本最大の約8mのこの恐竜は、なんと新属新種であることが判明して、この「恐竜博2019」開催中に「カムイサウル・ジャポニクス」という正式学名が与えられたのです。

その為にかなり多くの親子連れが、特別展を訪れていました(梅之助が当館を後にした昼少し前は、特別展入場行列の最後尾が80分待ち状態)。

 

しかし梅之助の予定は特別展ではなく、あくまで常設展。

特別展と常設展とでは入口も料金も異なっており、常設展の方は結構空いていました。料金は620円で、受付にて「写真撮影の可否」を確認し、まずは目的エリアに向かいます。

国立科学博物館は前回の記事で紹介した1931(昭和6)年建築の「日本館」と、それに隣接して2004年にグランドープンした「地球館」に分かれているのですが、最初にやって来たのは「地球館」2F。

テーマは「科学と技術の歩み/科学技術で地球を探る」です。

 

 

目的展示物にたどり着く前に、まず目に入って来たのは、1851(嘉永4)年に完成した田中久重による「万年自鳴鐘」。おお~、ここにあったのか。

これに関しては過去記事に詳しく書いているので、興味のある方はご参照を。

→ 驚異!田中久重の万年時計(2018/11/29)

 

 

2Fの様子です。目指す展示物は、この先の左にありました。

 

 

言わずと知れた「零式艦上戦闘機」。

東京で見る事が出来る零戦は靖国神社・遊就館と、ここだけなはずです。

型式は「21型」で、偵察用に複座機へと改造されており、1972年にラバウル北西ニューブリテン島沖の海底から引き上げられた機体番号53-122をベースに、数機の部品を合わせて作られました。

操縦士も判明しており、ラバウル海軍第253航空隊所属の吉沢徳重(徳三説あり)上飛曹との事で、1945(昭和20)年1月9日に撃墜、戦死されました。合掌・・・

 

 

エンジンの様子が見えるように、カバーを外して展示されています。

梅之助、特にここを見たかったのですよね。空冷複列星型14気筒の「栄エンジン」です。


 

零戦をじっくり見終えた後、「江戸時代の科学技術」のコーナーに戻ります。

上は「算盤」と、1769(明和6)年刊行の「拾璣(じゅうき)算法」という和算書。江戸時代は現代の我々が想像する以上に数学が発達しており、これらを用いて高次方程式の処理なども出来たそうです。

 

 

 

江戸時代の測量・製図道具。(左)は伊能忠敬が使用した距離を測定する量程車(複製)。

 

 

 

(左)不定時法時刻を示す和時計(江戸時代中期・複製)。二挺天符櫓時計というタイプです。

和時計に関しては過去記事→江戸時代の和時計(2018/11/28)を参照下さい。

(右)はからくり人形と平賀源内のエレキテル(複製)。

 

 

1887(明治20)年頃、英国より購入したオットー4サイクル内燃機関。

帝国大学工科大学で研究に使われたそうです。

 

 

 

小惑星探査機「はやぶさ」です。

2003年に打ち上げられ、小惑星イトカワにてサンプル回収を試みた後に幾多のトラブルに見舞われながらも、2010年に地球に戻ってきたのは覚えている人も多いのではないでしょうか。

当然「はやぶさ」の本体は大気圏再突入で燃え尽きてしまっているので、これは2012年公開の映画「はやぶさ 遥かなる帰還」で使用された実物大復元模型です。

 

では3Fに行ってみます。

展示テーマは「大地を駆ける生命」。

 

 

地球環境の豊かさを示す、さまざまな哺乳類と鳥類の剥製展示でした。

 

 

 

地球館の地上階はここまで。

屋上にはハーブガーデンやスカイデッキがあったのですが、この日は雨降りなので行きませんでした。では、今度は下りていきます。

 

 

1Fと2Fの中間(中2F)には、日本の優れた科学技術者のレリーフが飾ってありました。

 

更に1Fへと下っていきます。

1Fは「地球史ナビゲーター/地球の多様な生き物たち」がテーマ。

 

 

中生代・ジュラ紀を代表する肉食恐竜のアロサウルス。

米国ユタ州産のもので、頭部以外はほとんど実物化石だそうです。

 

 

人類史としての頭蓋骨や石器類の展示。

 

 

「地球の多様な生き物たち」ゾーンの様子。

奥に見える大きな骨格はマッコウクジラです。

 

 

アジアゾウの骨格標本。

戦後、1949年にインドから贈られ、1983年まで生きたメスの象「インディラ」だそうです。

 

 

地球館は地下3Fまで展示室があります。

B1Fは「地球環境の変動と生物の進化~恐竜の謎を探る~」がテーマでした。

 

 

 

(左)米国・モンタナ州産の中生代・白亜紀に生息したデイノニクス。鳥類に近い恐竜で、羽毛を生やしていた可能性もあるそうです。

(右)白亜紀のトリケラトプスの全身複製骨格で、米国・モンタナ州産のもの。

 

 

こちらは貴重です。

尾以外の大部分が実物化石だという、トリケラトプスの産状化石。米国・ノースダコタ州で発見されました。

 

 

ご存知、ティラノサウルス。

白亜紀の恐竜で、米国・サウスダコタ州産のものを復元骨格にしたものです。この標本の全長は10.3mあるとの事。

 

 

ジュラ紀のステゴサウルス。

米国・ワイオミング州産のもので、この展示骨格には実物化石が含まれているそうです。因みに、この展示個体は成長途中で小さめな部類なのだとか。

 

 

ちょっと大きすぎて全体像が写真に納まらず、よく分からない写真になっていますが、これは全長18mのジュラ紀の恐竜・アパトサウルス(米国・ワイオミング州産、一部実物化石含む)。かつて日本では「ブロントサウルス」という名称でお馴染みだった恐竜です。何故、名称が変わったのかは、もうこの記事も相当長くなってしまったので、ここでは割愛。検索すれば分かりますよ。

 

いや~、他の撮影していない恐竜化石や1Fのアロサウルスを含めると、これだけでも立派な「恐竜博」ではないですか!

梅之助も子供の頃は恐竜が大好きでした。

もし東京に生まれていたら、恐らく熱心に通いつめたでしょう。そうしたら、今頃どうなっていただろうなぁ。

 

 

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