引き続き、国立科学博物館の地球館。

恐竜のフロアから更に地下、B2Fに下がります。

B2Fのテーマは「地球環境の変動と生物の進化~誕生と絶滅の不思議~」。

B1Fが恐竜時代である中生代にほぼ特化した展示であった事に対し、この階は先カンブリア代、古生代、中生代、新生代と地球の歴史を俯瞰したものになっていました。

 

 

地質時代を俯瞰した化石の変遷史の展示。

 

 

 

(左)古生代・ペルム紀(二畳紀)のスクレロケファルスという両生類の化石。

(右)先カンブリア代・ベンド紀のプテリディニウムというベンド生物(「現在の如何なる生物とも類縁のない独立の生物」との説)の化石。

 

 

古生代・石炭紀のカクトクリヌスというウミユリの一種。

ユリという言葉から植物かと思いがちですが、棘皮動物という分類のウニやヒトデの遠い仲間です。海中でゆらゆらとしているのが目に浮かぶような化石です。

 

 

古生代の海の王者、三葉虫。

三葉虫には8つの系統(目)に分類されるという考えが現在は主流で、上のものはアサフス目の三葉虫です。

 

 

 

各系統の三葉虫の展示です。

 

 

魚類の化石ですね。

 

 

新生代の哺乳類たち。

奥が北アメリカで発見されたコロンブスマンモス。

手前は北アフリカで発見されたアルシノイテリウム。現在のサイに似ていますが、系統上はむしろ遠く、ゾウに近いそうです。

 

 

 

(左)デイノテリウムというゾウ類。下顎の牙が下向きにカーブしているのが特徴です。

(右)肉食のスミロドン。剣歯虎(けんしこ)と呼ばれる事も。

 

 

パラケラテリウムという大型哺乳類。サイに近い哺乳類だったそうです。

 

 

海中の爬虫類や哺乳類たち。

 

 

 

中生代の水生爬虫類と新生代の水生哺乳類は、それぞれが違う道のりを経ても、水中において同じような姿形をしたものに進化していきました。

 

次にB3Fまで下ります。

この階のテーマは「自然のしくみを探る」。

 

 

 

日本の自然科学系ノーベル賞受賞者の紹介コーナーや、宇宙・自然界の法則及び測定器具・装置などの展示です。これで地球館の見学は終了。

さあ、再び上に上がって、今度は日本館に向かいますよ。

 

上に戻る途中、エスカレーターの踊り場に化石がありました。

 

 

説明パネルを見ると、約5000万年前の淡水魚の化石だそうです(米国・ワイオミング州産)。

まるで浴衣の文様みたい。

 

さて、日本館にやって来てきました。

日本館は中央ホールを中心に、北フロアと南フロアに分かれています。

1F北フロアは企画展示室として使用されているようで、この時は「風景の科学展」というのをやっていましたが、時間の都合上、見学は控えました。

 

 

 

1F南フロアのテーマは「自然を見る技」。

江戸時代の暦や和時計、天球儀などが展示してありました。上の写真は和時計の数々。

和時計に関しては→江戸時代の和時計(2018/11/28)も参照して下さい。

 

では日本館2Fに上がります。

 

 

2F北フロアのテーマは「日本人と自然」。

上はよく教科書などで見かけそうな縄文式土器。新潟県津南町出土のものです。

 

 

 

(左)港川1号と呼ばれる、沖縄県で発見された21000年前の男性人骨(レプリカ)。

かつて港川人は縄文人の祖先と考えられてきましたが、最近の研究では本土の縄文人とは異なる集団だった可能性があるそうで、オーストラリア先住民やニューギニアの集団に近いのではないか、という見解も出ているそうです。

(右)左が縄文時代早期人男性(埼玉県出)、右が縄文時代後・晩期人男性(岩手県出)の人骨(レプリカ)。

縄文時代の人骨は割合数多く発見されているらしく、この二つの時期を比較すると、(他の出土人骨の傾向からも)後者の方が骨格がたくましくなっているのが分かるそうです。

 

この国立科学博物館の常設展示物は基本的に写真撮影OKなんですが(企画展、特別展は知りません)、梅之助が見てきたところ一つだけ撮影不可のものがありました。

それがこのフロアにあった江戸時代の女性のミイラ遺体。

東京谷中三崎町遺跡から発見されたもので、当初は屍蠟(しろう)状態だったものが、調査の過程で乾燥してミイラ化したそうです。

「撮影不可」表示の他に、その理由が書かれた掲示があったらしいのですが、梅之助にはそんなもの読まなくても分かります。生前の面影が推定できそうな、我々のほんの数代前の先人の遺体なのですから。

ところが残念な事にこの遺体を撮影し、後ろめたさも言い訳もなく、平然と掲載して記事にしている一般ブログを幾つか見かけました。彼らは一体、どういう思いでそのような行為をしているのでしょう?

 

 

2F南フロアです。テーマは「生き物たちの日本列島」。

ここはササッと見て、3Fに上がりました。

 

 

3F北フロア「日本列島の生い立ち」。

1968年に福島県の中生代・白亜紀の地層から発見された、首長竜のフタバスズキリュウの復元骨格。

 

 

 

(左)フタバスズキリュウの産状化石のレプリカ。

(右)日本産のアンモナイト。北海道が世界的なアンモナイト産地の一つとして知られています。

 

 

3F南フロア「日本列島の素顔」。ここもサラっと見学です。

 

「地球館」の方の見学に時間を多めに費やしたので、「日本館」の方は駆け足でした。

じっくり見学しようとすると、1日でも足りない感じです。

 

 

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