前回の記事

 

‐故・金日成主席は何を望んでいたのか その1(アメリカ軍撤退による民族独立)‐

 

 

 

『金日成主席』 (在日コリアンの友人の写真資料より)

 

統一促す南北交流を実現しよう

 

朝鮮人民は、自己の祖国の統一問題を解決するにあたって、なにびとの干渉も必要としません。

 

われわれは、あくまでも国の統一を自主的に実現しなければなりません。アメリカ帝国主義のそそのかしのもとに南朝鮮の執政者が自由な民主主義選挙による朝鮮の統一政府樹立にひきつづき反対している状況のもとで、われわれは手をこまねき、座して統一の日を待つわけにはいかないし、国の統一に有利なあらゆる対策を講ずることによって、漸次完全な統一へと近づける方途をさがしださないわけにはゆきません。

 

あなたは、われわれが国の完全な統一を実現する前であっても、さし迫って提起される民族の当面の問題を解決し、統一を促進するための過渡的な対策として、南北朝鮮連邦制を実施するよう、ずっと前から提案していることを知っておられるでしょう。

 

われわれが提案している連邦制は南北朝鮮に樹立された現存の政治制度をそのままにし、二つの政府の独自的な活動を保ちながら、主に南北朝鮮の経済・文化の発展を統一的に調整し、民族共同の利益のために双方の相互協力と交流をはかる目的で二つの政府が任命する同数の代表によって最高民族委員会を組織することを予定しています。

 

あなたが提起した統一委員会は、われわれのいう最高民族会議に似たものであるとみることができます。われわれは、必ずしも連邦制形式をとらなくとも、南北朝鮮代表で構成される他の形態の統一的な機関を常設して南北間の民族的連けいを回復し、国の自主的統一を実現するための対策を講究するのもよいと考えます。われわれはすでに数回にわたって、南北朝鮮当局が連邦制を受入れないならば、当分の間、政治問題はさしおいても南北間の政済・文化の交流を実現することによって、分裂による民族の苦痛を少しでもへらすべきだと主張してきました。

 

南北間の経済交流は、北朝鮮の工業と南朝鮮の農業を有機的に結びつけ、民族経済の統一的で自立的な発展を促進するようになるであろうし、破壊された南朝鮮経済をよみがえらせ、塗炭の苦しみにおちいった南朝鮮人民の生活を安定させる道を開くでありましょう。われわれは、すでに北朝鮮に発展した工業と農業をきずいたし独立国の強固な経済的土台をきずきあげました。これは、やがて国が統一したのち、わが民族が自分の力で生きていける経済的な裏付けとなります。われわれは空腹をたえしのんで、アメリカ帝国主義侵略者によってあますところなく破壊された経済を復興、建設しつつ、つねに全民族の利益と将来の発展を考えました。われわれは、つねに南朝鮮同胞を忘れていないし、苦痛をなめている南朝鮮人民を助けることを自己のけだかい民族的義務とみなしています。経済交流を実現すると同時に、科学、文化、芸術、体育など各分野にわたる文化的連けいを回復し、南北間の人事往来を実現しなければなりません。

 

アメリカ帝国主義があやつる南朝鮮当局は自由な南北総選挙に反対し、南北朝鮮の連邦制に反対し、南北間の経済、文化交流と人事往来にまで反対しています。このような状況のもとでわれわれは、南北間の連けいをはかるための最小限の措置として書信交換でも実現するよう主張しています。これは、南北にひきさかれた親戚、親友が手紙一通やりとりできずにいるきわめて非正常的な状態を終わらせたいという人民のさし迫った要求を反映しています。

 

軍備縮小し平和協定を結ぼう

 

国の統一を達成するにあたって、南北間につくり出された緊張をとりのぞくことは第一義的な意義をもちます。これと関連してわれわれは、南朝鮮からアメリカ軍を完全に撤退させ、南北朝鮮当局が互いに相手方を武力で攻撃しないという平和協定を締結し、南北朝鮮の軍隊をそれぞれ十万またはそれ以下に縮小することを南朝鮮当局に一再ならず提案したことを想起させたいとおもいます。六十余万に達する南朝鮮のぼう大な軍事力は、南朝鮮人民にたえがたい軍事費の負担をおしつけており、朝鮮の平和をはなはだしくおびやかしています。南朝鮮から一切の外国軍隊を撤退させ、南北間に平和協定を締結し、南北の兵力を縮小することは、祖国統一への道で大きな一歩前進になるでしょう。われわれは、南北朝鮮の軍隊を国内安定と秩序を維持するための警備隊の水準にまで縮小するというあなたの提案をよいことであると思います。

 

われわれは、このほかにも統一問題の解決にとって有利なことであればどのような対策もとるでありましょう。われわれは、南朝鮮からアメリカ軍隊を撤退させ、南朝鮮当局が外国と締結した一切の軍事条約と協定を破棄する条件のもとで、われわれが外国と締結した軍事条約を破棄する用意があります。

 

われわれは、すでに他国との条約締結当時にこれを明白にせん明したのであります。

 

わが政権は、人民の総意によって自由に樹立された自主的な人民の政権です。われわれは、どんな時期にも外部勢力に依存したことがないし政治、経済、軍事、文化などあらゆる面で完全に独立を保っています。われわれの対内外政策は、どのような外国の干渉も許さない完全に自主的な政策であります。わが政府は、祖国と民族の利益のために必要であると認める時にはそれに該当する措置をいつでも主導的にとることができます。

 

祖国を分裂させている者は誰か

 

われわれは、国の統一を実現するためにあらゆる誠意をつくしてきました。われわれは、南朝鮮の現執権者が軍事クーデターをでっちあげ、政権を奪取した後にも、かれらが民族的立場に立ちかえることを心から希望するとともに、民族の災難をとりのぞき、国の統一を促進するための一連の救国方策を一再ならず提案しました。しかしかれらは、アメリカ帝国主義者の侵略政策と分裂政策に追随しながら、民族の切実な念願を無視しわれわれの強い勧告をきき入れようとせず、かえって、ひきつづき民族の分裂を永久化する道にふみ入っています。

 

わが祖国の統一がいまだになされていないのは、その責任が南朝鮮を武力で占領し、民族分裂政策を実施しているアメリカ帝国主義と、それに野合して民族の利益を売りわたす朴正熙のような売国奴と反動官僚、政治ブローカーと不正のやからにあります。

 

かれらは、国の自主的平和統一に反対し、民族の力を合わせることを頭から拒否しながら、外来侵略勢力のためにつかえる連中であり、ただ個人の利益と、外部勢力と結託した一部特権階層の利益のみをようごするだけでけっして南朝鮮人民を代表することのできない連中であります。

 

かれらは南朝鮮を占領し、わが祖国の統一をはばみ、南朝鮮人民を略奪し、抑圧し、侮辱し、虐殺するなどあらゆる野獣的蛮行をはたらいているアメリカ侵略軍隊をようごしており、その永久駐屯を要求しています。この反逆者たちは、南朝鮮の数百万失業者たちを北朝鮮に受入れ、就業の道を開くというわれわれの提案を拒否し、同族を欧米各国へ商品同様に売りわたしています。

 

かれらはまた、日本軍国主義者まで引入れ、南朝鮮を米日帝国主義者の二重の植民地に転落させようとしています。

 

アメリカのあやつりのもとに南朝鮮の売国奴たちは、同族間の接触と合作を必死になって反対し、日本軍国主義者と結託するための犯罪的な「韓日会談」の妥結をあせっています。日本帝国主義と結託する先頭にたっている連中は過去にも日本軍国主義に忠実につかえた手先たちです。かれらは過去の罪過をくいあらためようとせずこんにちふたたびアメリカ帝国主義者と昔の主人である日本軍国主義者の手先になっています。

 

祖国の統一を達成するためには、南北朝鮮人民の力を合わせて外来帝国主義の侵略勢力と、それと結託し、統一を妨害する売国奴と反動官僚、政治ブローカーと不正のやからに反対して闘わなければなりません。統一の念願はもとより、南北間の接触と交流も無条件に拒否する連中に反対して闘わずしてどうして民族的団結をはかることができ、国の統一をなしとげることができましょうか?もちろん、かれらがいまでも自己の過ちをさとり、アメリカ軍の撤退と国の自主的統一のためにたたかう道にふみ入るならば問題は別であります。

 

全愛国勢力が団結して闘おう

 

われわれは、民族の利益を擁護し、祖国の統一をねがう人であれば、政見と思想の差異、過去のいかんをとわずいつでもかれらの手をとりあってともにすすむでしょう。南北朝鮮の全愛国勢力が団結するならば、われわれは十分に南北間の接触と協商の道を開き、たがいに協力と交換を実現することができ、アメリカ軍を撤退させ、祖国の統一をなしとげることができるでありましょう。

 

団結と闘争なくしてはアメリカ侵略軍隊を追い出すこともできないし、祖国の統一を達成することもできません。問題は労働者、農民、青年学生、知識人、軍人、商人、企業家など南朝鮮の各界各層人民がたかく団結して国の自主的な平和統一のためにアメリカ帝国主義とその手先に反対する救国闘争をいっそう頑強にくりひろげるところにあります。

 

われわれは、わが民族の内部問題にたいするどのような形態の干渉も絶対に許してはならないし、いかなる者の「保護」「監視」にも徹底的に反対し、われわれ自身の手で自分の運命をきり開いていかなければなりません。

 

民族自決の原則にたってわが祖国の統一を実現し、全民族が団結して闘う時、われわれはどのような外部勢力の「保障」がなくとも国の威力をつよめることができ、富強な自主独立国を建設することができるでしょう。全朝鮮人民の民族あげての闘争によってわが国は必ず統一されずにはおかないでありましょう。

 

私は、おわりに、あなたが祖国の自主統一を促進するために積極的に努力するであろうとの期待を表明するものであります。

 

『金日成首相 ワシントンの「朝鮮問題研究所」所長に回答書簡』

一九六四年十二月十二日 朝鮮問題研究所所長 金竜中 ワシントンにて

 

『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第3巻 勁草書房 261~264頁より

 

 

・統一の具体案(ジュネーブ会議)

 

‐新シリーズ・朝鮮統一と日本を考える その3(停戦協定とジュネーブ会議①)‐

 

‐新シリーズ・朝鮮統一と日本を考える その3(停戦協定とジュネーブ会議②)‐

 

‐新シリーズ・朝鮮統一と日本を考える その3(停戦協定とジュネーブ会議③)‐

 

こちらの方で、南北統一を行うなかで、社会主義諸国「国連」諸国側双方の同意で、「中立国観察にもとづく統一選挙」を目標としたのですが、これに不満としたアメリカは、数々の条約違反を犯しながら、ついにアメリカ代表のダレスが帰国して破綻となりました。

 

そのあとも、イギリス、フランスをはじめ他の「国連側諸国」はなおこれを支持し、1954年5月22日には韓国政府代表もこれを承知せざるを得ないところへ追い詰められましたが、米韓両政府代表は会談破壊工作にはげしく努力し、ついに同年6月15日「国連」側16ヵ国共同声明を発表して、同会議自体をを潰してしまった。

 

‐新シリーズ・朝鮮統一と日本を考える その4(統一案とその立案状況その1)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その1(加速するアメリカへの依存)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その2(「韓国」を創造したアメリカ)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その3(植民地支配の「お詫び」ではなく軍事支配の経済援助)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その4(見て驚く「一流企業」の数々)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その5(その「進出方法」と「形態」について)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その6(『韓国経済開発五ヵ年計画』を支えた日本企業)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その7(所謂「親韓派」と呼ばれる人々の正体)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その8(日本との利権づくりに奔走した韓国の「親日派」)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 その9(日系大企業の韓国進出における調査報告)‐

 

‐韓国に進出した日本の独占企業の話 最終回(日米独占資本の「相違」と平和国家の欺瞞)‐

 

北東アジアに「対立」を生もうとして、結果生まれる軍事的緊張を「利用」し、特権付きの駐留米軍を韓国や日本に据え続ける「口実」をつくり、実に70年以上も支配し続けている。

 

‐人扱いされない民族の末路 その1‐

 

‐人扱いされない民族の末路 その2‐

 

同じ「傀儡国家」である日本と連携して、韓国に対するさらなる依存と従属を深めさせ、先の日韓会談シリーズにおける、極東の「米日韓支配体制」構築に心血を注いだ。

 

かたや民族の独立や主権を売り渡しておきながら愛国を振りまく「買弁右翼」など、その他にも自分たちの保身のためだけに、多くの人々を不幸にさせる「売国奴」たちが、お金や地位を求めて、現体制を受け入れ、先々の国民生活に重くのしかかる兵器関連の支払いや、政治や司法における腐敗を加速させている。

 

 

・「南北連邦制」の内容

 

‐新シリーズ・朝鮮統一と日本を考える その4(統一案とその立案状況その2)‐

 

‐新シリーズ・朝鮮統一と日本を考える その4(統一案とその立案状況その3)‐

 

一、外国軍隊の撤退。

 

二、南北平和協定締結、軍縮。

 

三、経済・文化の交流。自立経済建設。

 

四、連邦制実施。

 

この連邦制提案は次のような注目すべき特徴をもっている。すなわち、南北双方の社会・政治制度の相互承認。相互内政不干渉。朝鮮民主主義人民共和国政府と大韓民国政府の代表からなる最高民族委員会を設置して民族共同の関心事となる文化発展、産業開発、外交などの共通問題を共同で処理する。そしてやがては民主主義原則にもとづく全朝鮮自由選挙により統一的中央政府樹立。

 

「このような連邦制のもとで南北は、互に他方の内政に干渉せず、ある一方が他方に自分の意思を強制することはできない。南北朝鮮は、それぞれの政治的信条にしたがって自由に行動し、ただ連邦機構を通じて合議に到達した民族共同の利害にかんする問題を共同で解決するであろう。」

 

「南朝鮮において共産主義の理想を実現するかしないかは、南朝鮮人民自身にぞくすることであり、何びともそれは強制できないことである。すべての先進的思想と社会制度は、外部から強制できるものではなく、それは人民自身が、自己の自由意志によって選択するのである。南朝鮮の『共産化』を憂慮するという口実のもとに祖国統一に反対することは、統一を指向する全人民の切実な願いに反することであり、全民族の死活的な利益にそむくものである。」(金日成報告「朝鮮民主主義人民共和国の当面の課題について」)

 

『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第3巻 勁草書房 231~232頁より

 

金日成主席自身は、「共産主義」を韓国に押し付けるつもりはなかったし、それよりも『民族の独立』『国家主権の価値』を見つけ、大国による利益誘導政治の欺瞞と対照的に、真に国民のための政治を行うこと、民族の共同価値に基づく政治が「民主主義」であるとしました。

 

 

・「団結すること」の重要性

 

‐画像で振り返る南北首脳会談 その1‐

 

‐続・画像で振り返る南北首脳会談 その1【ピョンヤンの秋】‐

 

‐文大統領の努力、「職を失い」悔しがる在韓米軍司令官、70年ぶりの敵対行為の中止‐

 

‐金正恩委員長のソウル訪問歓迎の動き(若き学生たちの想い)‐

 

韓国の文在寅氏の功績もあって、2018年における南北関係は劇的に改善し、統一へ向けた動きは着々と進んでいる。無論、それは「北東アジア全体の平和」にも大きく寄与するだろう。

 

韓国関係ニュース~試される文大統領の手腕~

 

平和を嫌い、世界中に民族分裂や対立を煽るアメリカとしては、本来恐れているのは「団結」だ。中国にしても、アジアの中で最も強い「団結心」を持っているがゆえに、あらゆる攻撃にも一切も揺るがないし、遠い異国の地で暮らす人も、しっかりとした民族心があるから、あれだけ国は発展していくのだと思う。

 

ひるがえって、私たちの暮らす日本としても、沖縄と本土、本土内部、そしてマイノリティとマジョリティにおける「分断」は凄まじいものだ。マスメディアでは「大本営報道」が横行し、人々はいつまでたっても『本質』を見つけられぬまま、常に誰かの悪口や憎悪に明け暮れている。

 

果たしてそんな状態で良いのだろうか。

 

それは、支配する側にとって最も好都合なシチュエーションであり、自分たちにとって、未来の見えないドツボに嵌っているのだ。

 

 

『れいわ新選組代表 山本太郎街頭演説 2019年4月30日 JR大阪駅御堂筋北口前(ヨドバシ梅田前)』

 

れいわ新選組

 

https://www.youtube.com/watch?v=9LtaWj5Ky3I

 

 

<参考資料>

 

・友人の写真資料

 

・『アジア・アフリカ講座 日本と朝鮮』第3巻 勁草書房

 

・Cluttered talk blab blab blab 『韓国関係ニュース~試される文大統領の手腕~』

 

https://ameblo.jp/cluttered-talk/entry-12408220647.html

 

・Youtube動画 『れいわ新選組代表 山本太郎街頭演説 2019年4月30日 JR大阪駅御堂筋北口前(ヨドバシ梅田前)』

 

https://www.youtube.com/watch?v=9LtaWj5Ky3I

 

 

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