教材分析(みんなの日本語編)
気がつけば、8月半ば!日本語学校は夏休み真っ只中7月に入学した初級クラスは夏休みが短いので、授業は進んでいきます。初級クラスが使用するのは『みんなの日本語(みん日)』というテキスト。日本語学校では、どの課を担当するかはカリキュラムによって決められます。よって、何年も続けていないと1~50課を全部やり切ることはできません。私は中級クラスを担当することが多かったので、これまでじっくりと初級テキストに向き合う時間がありませんでした。よし!夏休みの間に『みん日』を頭に叩き込もう!と目標を決めました『みん日』と向き合う毎日。……。あぁ〜、日本語ってこういう仕組みなのね!向き合えば向き合うほど、日本語が難しく感じられる!!普段こんなに分解して日本語を使っているわけではないため、まるで数式のよう外国人に教える以前に、日本人として勉強になります。そんな日本人でも難しい日本語を覚える学生たちは、これまたどんなに難しいことか…外国語教授法には、18世紀から現在に至るまで長〜い歴史があるのだけれど、どの教授法にもメリット・デメリットの両者があって、外国語を教えることがいかに難しいかを思い知らされます。さて、『みんなの日本語』はというと、「文型の導入」→「基本練習」→「応用練習」が基になったテキストになります。主に、文型に語彙を入れ替えて繰り返し練習していきます。文型(形式)重視の教授法は文法の誤りが少なくなるというメリットがある一方で、コミュニケーション能力が乏しくなるというデメリットもあります。私が中学や高校時代に経験した英語の授業と似ている!(勉強すればテストの点は取れるけれど、話すことはまるで出来なかった!)それに代わって生み出されたものの一つがタスク(課題)中心の教授法。コミュニケーションを重視したものです。ただ、こちらも自然な会話ができるようになるメリットがある一方で、偏りすぎてしまうと文法が疎かになってしまうデメリットも…。文型とコミュニケーションの両者のバランスが絶妙な授業。そんな理想的な授業を実現するためには、様々なテキストの特色を知った上でどのテキストを組み合わせていくかも大切です。日本語教師にとって、教材分析は避けては通れません!外国語教授という世界に、まだ足を踏み入れたばかりなのだと痛感させられます。未知の世界ー。でも、可能性に満ちた世界でもある!だからやっぱり日本語教師という職業は楽しいのです