368.モギレフスキーのレッスン⑤
ラフマニノフ ピアノソナタ第2番 第2、3楽章(改訂版)楽譜はBoosey&Hawks社の版に従う。2楽章について、今の演奏スタイルは、ラフマニノフスタイルというよりスクリャービンスタイルでした。1小節目の最初の和音は緊張感を持たせて、2小節目の最初の和音は柔らかく。冒頭の音楽は即興的ではあるが、和音をあまり崩さず、縦の線(verticalstyle)、拍を意識したほうがよいでしょう(崩しすぎるとスクリャービンらしく聴こえてしまうが、冒頭はもっと、純真(innocent)でコンパク トにしたほうがよい)。これは次の Lento からも同様で、アルペジオの記載が一部あるものの、全体的に崩しすぎずに拍を意識したほうがよいでしょう(ゆっくり弾くこと自体は悪くないです)。Lentoからの部分は、指揮者が細かく刻むように整っていたほうがよいでしょう。ここは整った形で、厳格に、理性的に、そしてちょっと宗教的 に、という性格です。Lento2小節目の右手メロディーの音形(B⇒G, A⇒F#...)は重要で、ラフマニノフの典型的なフレーズです(1楽章の3ページ目にも同様なフレーズが出てくる)。Lentoから5小節目、5連符の後から、ナウモフ先生は、右手内声のメロディー(B-C-D...)を強調する提案をしていました(この形は2 回目なので)。強制することではないですが、この声部は興味深いし、知っておくことはヒントとしてよいでしょう。4/4になってから、ここの2小節目は繰り返しなので、今度は左手の符点八分音符(G⇒F#⇒E)を強調するとよいでしょう。4/4からはボートにのっている気分で。ゆっくり弾く十六分音符は水を表現しているようです。4/4の1拍前からボートを押して、水に浮かべるイ メージです。ここの直後の 12/8から速くならないようにしましょう(ここの前は十六分音符、ここは3連符)。12/8の4小節目の休符は、時間をとって呼吸します。12/8の5小節目から、右手はピアニシモなので、トップノートのE-B-E以外は小さ く。12/8の9小節目から、左手の内声(B-A-G-F# 最後は右手の親指に繋がる)を見せるとよいでしょう(右手は同じようなことの繰り返しなので)。12/8の11小節目の10拍目からpsubitoにすることを提案します(この後のクレッシェンドを効果的にするため)。13小節目は、その直前の音からペダルを使います。13小節最初の音 は、鐘の音をイメージして。13-14小節目の右手の上昇は poco rubato で。ここは、スクリャービン的に弾いてよいところです。12/8の15小節目、右手の6拍目の(BGB)の和音は、G#でとる、という方法もあります(確 かホロヴィッツもそう取っていたのではないか), 最後の符点は強調して。アッパショナータです。Poco piu mosso の最初の小節、右手の最初の音(BやG)をもっと見せましょう。その後の4/4の小節の右手は、スタッカートではなくテヌートを意識して。その次の4/4 の小節冒頭のA-minorの和音はフォルテで(3小節後の冒頭の和音と強弱のコントラストを出します)。Tempo I の10小節前から左手は鐘の音を意識し続ける(ppで、柔らかいのだけど鐘の音)。comodo(comfortable)なので速くなりすぎず。 Tempo I直前のカデンツァは、最後に響きをよくきかせてから、次へと入りましょう。Tempo I からの部分、改訂版は短すぎる気がしています(ここは現実ではなく、夢の中、というイメージなので)。なので、可能なら、オリジナル版から引用することも 考えて下さい。5小節目直前からのフレーズは、ナウモフ先生曰く「このソナタで最も美しい部分」。美しいソプラノで。小節最後のディミヌエンドを 確実に。Tempo I なので、冒頭のLentoを思い出して。10小節目は9小節目のエコー。11小節目からペダルはハーフペダルを上手く使って弾きましょう。3楽章(Allegro molto)3小節目から速くなりすぎないように。1小節目の最初の3つの音を(F-E-E♭)をはっきり強く聴かせて下さい。12小節目の和音にC♭がある ことを忘れず。22,23小節目はクレッシェンドを忘れずに。またここはスピードが速いため、左手がクリアに聴こえないことがあるのではっきりク リアに弾いて下さい。marcatoの四分音符は、右手B♭の和音ではなく、合間に入るE-E♭-D♭の和音のほうを意識するとよいです。a tempo poco meno mosso の8小節目の2拍目は柔らかく。a tempoから、左右の親指で内声をはっきりと弾きます。20小節目の和音はナチュラルがあってもよいかもしれないです(左手のB♭EG♭のGに)。21 小節目はピアノから。右手のC-Aを歯切れよく、はっきり、そして22小節目の最初の和音をフォルテで。28小節目から右手はちょっと軽く。Piu mossoから軽く。そして、5小節目はメフィストが大声で笑うようなイメージで。Tempo rubatoから速くなりすぎず、100人のハープ奏者が奏でるようにイメージして。最後のPrestoでは、右手でもっとクリアにクレッシェンドをかけましょう。速いのだけれど、速さだけではなく。指使いも考えてみて下さい。 (トップノートに4-5を使うのではなく、1-2/1-3などを使って、重みを出す)最後から9小節前の1拍目左手B♭は、ナウモフ先生の解釈ではオクターブ下げてもよいと言われています(コンクールではよくないだろうが、リサイ タルではやってよいだろう。作曲に詳しいナウモフ先生が言うのだし、ホロヴィッツなどもやっています)。最後から7小節前の、1拍目⇒2拍目は、 鋭く弾きましょう。クリックお願いします!にほんブログ村