昨日、初めてレッスンを受けに来た生徒が2人いました。1人は熊本からわざわざ飛行機で、もう1人はドイツからわざわざ飛行機で。2人とも非常に音楽的感受性が強く、非常に謙虚で、人から物事を習うということの本質を分かっていたので、とても良い気分でレッスンできました。2人にとって、昨日のことが良い機会になってくれたとしたら、私にとっても大変うれしいことです。

 

1つ思うのは、その2人に比べて東京近辺在住の学生のことです。何人かの学生が私のレッスンに私のこのブログを通して、または4月のレクチャーなどをきっかけに興味があるらしいことは私の耳に入ってきているのですが、実際にレッスンを聴講、受講するまでには至らないようです。

 

私は来る者は拒まず去る者は追わずという姿勢で教師をやっていますので、また、レッスンを受けるか受けないかはご縁ですから、自然な形が望ましいと思っています。しかし、興味があるのに、腰を挙げない学生たちのことを思うと、なぜ?と考えてしまいます。

 

時代がそうさせているのか?・・・・・という言葉では済まされない何かを感じます。現実に昨日は遠路はるばる受講しにやってくるが人もいるのです。

 

ふと思うのは、首都圏近郊の環境が関係するのではないか?と思うことがあります。刺激に溢れ何でもたやすく手に入ってしまう環境ですから、その気になればいつでも受けられるとか、このブログを読んでいるから理解しているという考えに至っているのではないかと思うのです。むしろ遠くや地方に在住する人の方がハングリー精神があるのかもしれません。要するに熱意が違うのです。言い方を変えればエネルギーを使う方向が違うのかもしれません。

 

良い機会ですからはっきり申し上げましょう。このブログを読んでいても100パーセントできるようになるということは不可能です。私でなくても、他の同じようなことを教えている教師は少ないとは思いますがいらっしゃいます。是非、実際に受講することをお勧めします。

 

講習会やマスタークラスに参加するだけで、ショパンのピアニズムともいえる奏法を得るのは不可能です。

 

実際に手取り足取り丁寧に細かく指導を受けなければ理解できることではありません。ロシア系のピアニスト、ピアノ教師の講習会やマスタークラスに参加するのは良いことですが、順番が違います。日本の教育現場で一般的に教え教えられているチェルニーのピアニズ

ムからショパンのピアニズムに変えるということはたやすいことではありません。身体の使い方だけならいざ知らず、感覚的な響きを聴き分けるという耳の訓練は特に難しく、私のブログを読んだり、マスタークラスに参加するだけで得ることは不可能です。

 

昨日の2人のレッスンを無事終え、大変満足しているのですが、ふと思うことを書き綴ってみました。昨日の2人が、この先、遠距離というハンディを乗り越えて、素晴らしい演奏ができるようになることを祈り、期待しつつ、それとは逆に、大変恵まれている環境に身を置いている東京近辺在住の学生たちのことを考えてしまいました。





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