バッハ=リスト プレリュードとフーガ イ短調
ページ番号は春秋社5巻に従う
オリジナルのテンポを考えてみましょう。
もしゆっくり弾くと、より長く、大きい曲になってしまい、その結果1つの曲と
して構成するのがより難しくなるでしょう(はやい演奏が技術的に難し くなる
ことは一方で事実ではありますが)。なので、もう少しはやいテンポ、特にフー
ガにおいては、で弾くのがよいと思います。
最初の部分なので、方向性(direction)を持つことが大事でしょう。
最初の部分は1声ではなく、複数の声部があります。(トップノートのほかにも
和音を構成する声部があります)
最初の部分、和音として練習してみる(ACE - G#BF - GBE -...)。両手でやって
もよい。耳を使って。
各和音と、それがどこに向かうのか、に関して、強弱をきちんと考えるのが最初
のページで重要。
トップノートが、円のように連結していくことを考える。指揮者の(指揮棒が円
を描く)ように。少し長めに(count in half time = 1.5倍くらい)
3小節目の3連符からはやくならず、全く同じテンポで。
Aのベースで伸ばす部分から、真ん中のペダルを使うと、右ペダルの苦労がなく
なるのでよいと思います。これはオルガン曲なので使ってもよいでしょ う。使
わないと、ハーフペダルなどを駆使する必要があるが、使えば問題はなくなりま
す。2ページ目(P7)の中での強弱のコントロールもやりやす くなるでしょう(戦
略的に強弱を考えましょう)。
P8の4小節目3拍目からはファンタジーの入り口(そして最初と同じ音楽。だが、
低く暗く)。
P8の8小節目、すべての音を同じ大きさで弾くことのないように。十六分音符は
柔らかく。二分音符とは違った音色で。
P9の2小節目のC-Majorがここの中で一番大きい部分。そこから少し小さく。
P9の8,9小節目の二分音符をもっと見せて。
P9の中には構造的に複数の(展開部=development)のようなセクションがあること
を認識する。P9は全体的にペダルをクリアに。
フーガはもう少しはやく弾いたほうがよい。テーマは長いテーマ(オルガンの
テーマは一般的に長い)。今回は5小節のテーマ。
2拍子のような感覚で弾くとよいでしょう。
テーマの中の5,6拍目のEBEBの部分が特徴的。2小節目の4拍目からは2声のイメー
ジで(全音同じ音色にならないように)。
2,3,4小節目は、4拍目のトップが一番重く、そこからディミヌエンドするイメー
ジで。
11小節目から4小節間テーマはなく、ここは間奏のつもりで軽く。そして長い音
符をよく聴く。この長い音で描かれるバッハ的な、3度・6度・7度 の不協和音
(dissonance)を楽しんで。ここの十六分音符は軽く。バロック音楽の一般論とし
て、短い音符は軽く(soft)弾くとバラン スがよい(例外はあるが)。そうでない
と様式に沿わないので。ペダルを踏むことは問題ないが、十六分音符のところ
は、少しずつ踏み変えて、綺麗に 響かせる。
15小節目から3声(ソプラノ、テノール、ベース)であることを意識してクリア
に(大きいという意味ではなく)。右手は、長い音符の直後の十六分 音符にア
クセントをつけず、長い音を聴く。さらに、ここは2声の対話になっているの
で、両手で正確に弾いてみて、次に片手で練習する、という方法 もある。
P11の4小節目から、属調のE-minorで左手がテーマ。
P11の最後の8小節目から2小節は繰り返す音形(右手)。下降形なので、少しディ
ミヌエンドする。
P11の最後の3小節は主調で、新しい部分。曲の中のパート区切りを明確に認識し
ましょう。
P12の4小節目は、カデンツァで E-minorになる。最初と同じA-minor - (カデン
ツァ) - E-minorの形。主調、属調の繰り返しで曲を魅力的にしている。
P12の15小節目から、C-Majorでテーマ(テノール)。
P12の最後2小節目から間奏。上昇形なので小さい音量から始める。
P13の4小節目からはG-Majorでテーマ。pで始める。G-Majorは(他のマイナーコー
ドに比べて)軽くクリア、ドルチェで。
P13の8小節目の左手のDを保持する(か真ん中ペダル)。このDは4小節を支えるの
で深い音で。
P13の11小節目からD-minorで左手にテーマ。ただ、小節の最初からではなく、途
中からはじまるテーマ。(以前は小節の最初からのテーマ だった)。ビートが
変わった。D-minorはドラマチックに。
ここまでの部分はずっと展開部の役割で、転調を繰り返している。ここでは強弱
を使って、形式、およびその発展(展開)を見せる。
P13 15小節目少し軽く
P13 最後の4小節の左手(A-B-C-D)は新しいモチーフなので注意して。少し弱めの
音から。
P14の5小節目から、オリジナルキー(A-minor)で、この曲の「パートC」に入る。
(パートBについては展開部的なところ)
左手はオルガンのメロディーをイメージして。テーマは小節の頭ではなく、2拍
目(=4拍目)から始まっている点に注意。
P15の7小節目、4声になる
P15の最後の左手4小節の十六分音符は、全部弾くのではなく、最初の音だけ弾く
ようなイメージで。
P16 8小節目 A-minor テーマ
P16の最後の小説の3,6拍目は、離す(右手?ペダル?)。ここの左手は親指だ
け、小指だけ、と分けて練習する。1音1音のつながりを認識し て、グループ化
してつなげながら練習。
声部が多い部分は難しいが、まずはテーマを抜き出し、それ以外の部分はもっと
軽く弾いてよい。
最後のページ(7小節目から?)は曲の終わりのカデンツァのようなものなので、効
果的に終わらせるように、あまりにビートを維持しすぎないように 自由に。は
やくもなりすぎず。
最後から4小節目の、Dis-C-A は少しゆっくり目で。
最後の小節はローマの柱のように、風格をもって。





ブログランキング・にほんブログ村へクリックお願いします!
にほんブログ村