
数珠玉(じゅずだま) 9/23東京
皆様こんにちは
今回も茶花から、
茶道や日本の文化、工芸を
皆さんと一緒に學んでいきたいと思います。
今回は
【数珠玉(じゅずだま)と無患子(むくろじ)】です。
数珠玉という名前ですが、日本では
実際に仏事に用いる数珠として使われた
というよりも、子供達が数珠つなぎにして
首飾りとして遊びに使われたと
見なされています。
◼️「念珠〈数珠〉について」
お釈迦様いわく
「むくろ樹の実を、108の数珠に糸で繋ぎ、
仏・法・僧の三法を普段にあやつり唱えれば、
命寿天に召されるであろう」と経典にあり、
人間の煩悩は108あるというのは
2世紀頃に考えられた学説でありますから、
数をかずえるとおなじように煩悩を
一つづつ消して行く自覚を持ちなさいと云う
教え方をいたしておりますので、
どうもルーツはそんなバラモン教の
物を数える道具を仏教でも取り入れて
そして今日に至っているようであります。
羽根つきの起源は平安時代から行われていた
子供の遊び、毬杖(ぎっちょう)が
起源とも云われています。
因みに左利きの人が毬杖を左手に持ったことから、ひだりぎっちょうの語源とする説もありました。
また正月の行事「左義長」にも関係あるようです。
羽根つきに関連した言葉が出て来るのは、
室町時代に伏見宮貞成親王が
あらわした「看聞日記」に
「正月五日に宮中で、こきの子勝負をした」
という記載があり、これが最初だとされています。
”コギ”または”コキ”とは
古代の中国で”トンボ”のことを表す言葉でした。
羽根つきの羽の飛ぶ様が”トンボ”に
似ていることから、それを突いて
遊ぶ板の羽子板は胡鬼板(こきいた)とも
呼ばれました。
昔から、蚊が病気を媒介することを認識していた人々は、トンボが蚊を食べることから
子供が蚊に刺されないようにと
厄除け・厄払いの願いを込め
正月に羽根つきが行われてきたようです。
因みに、羽根つきで負けたり、
正月あそびで負けると、顔に墨を塗りますが、
名残だと私は思っています。
◼️京菓子「鳥羽玉うばたま」
羽根つきに関する和菓子としては
「烏羽玉うばたま」があります。
江戸時代創業200年以上の歴史を持つ
京菓子司「亀屋良長」さんの銘菓です。
◼️「お正月シリーズ三部作」後記
前回の「薺・春の七草、大正月と小正月」、
お正月シリーズ三部作となりましたが、
残念ながら日本人の私にも
「こんな大人に誰がした!」と思うほど
沢山の発見ばかりでした。
ぜひ、皆さんの暮らしや心の中にも
あるいは、ご両親からお子様の心の中に
日本の伝統文化を生かしていただけたら
幸いです。