柚子(ゆず) ミカン科 10/21神奈川

皆様こんにちは

今回も茶花から、茶道や日本の文化
工芸を一緒に學んでいきたいと思います。

今回は【柚子(ゆず)】です。

日本では飛鳥時代から栽培され
酸っぱいことから「柚酸(ユズ)」
「柚ノ酸」「ゆのす」と呼ばれていた事が
由来のようです。

中国から日本に伝わったようですが、

 


◼️侘び茶のシンボル「柚子」


『茶話指月集』の中では

利休ハ柚の色つくを見て口切を催し

古織は樅(もみ)のわか葉の出る此、

風炉の茶の湯よしを申されき


またこの中では

大坂のわび茶人が「柚みそ」で

利休をもてなしたところ

「わびのもてなし、一段と面白い」 と

記録されています。


このように深まる秋と共に

だんだんと色づき野趣に富む柚は、

茶の湯の中の「わび」の象徴でも

あったようです。


◼️柚子も、非時香菓(ときじくのかくのみ)

『日本書紀』によれば、
田道間守(たじまもり)は
病床に臥していた垂仁天皇の命により
非時香菓と呼ばれる不老不死の力を持った
霊薬を求めに常世の国に派遣されました。

翌年に田道間守は非時香菓を常世の国から
持ち帰ってきましたが、
垂仁天皇がすでに崩御したことを聞き、
田道間守は嘆き悲しみ天皇陵の前で
亡くなってしまったというお話です。

古事記の本文では非時香菓を「是今橘也」
(これ今の橘)、つまり柑橘類の実なり
とする由来から

京都御所紫宸殿では「長寿瑞祥の木」として
「右近橘、左近桜(元は梅です)」として
橘が植えられています。


万葉集に詠われた田道間守の派遣

常世物 この橘の いや照りに 
わご大君は 今も見るごと
大伴家持

⚫意味
永久不変の物というこの橘の実(橘御殿)が
いよいよ照り輝き、われらが大君が
今見るように輝き渡られるように。


◼️菓子の神様となった田道間守

その後、田道間守は『日本書紀』
『古事記』の説話に基づき
菓子神・菓祖と信仰され
「田道間守命」の神名で
菓子神として祀られています。

この中嶋神社の分霊は、
太宰府天満宮、京都の吉田神社など
全国各地で祀られ、菓子に関わる方々の
信仰を集めています。



かかせませんね。

明日は
東京都庭園美術館
重要文化財茶室「光華」で開催される
昭和の大工の鬼「平田雅哉」さんと
当代一の数奇屋・茶室建築の
中村外二工務店棟梁 中村義明さん
時空を越えたコラボレーション!

今江戸を代表する菓子匠 神楽坂梅花亭
井上さんと共に、新しい秋の菓子をデザイン
しましたので、ぜひ仕上がりをお楽しみに。

 

 

私の家紋が丸に橘なので、
柚子はなんだかとても身近に感じました。