皆さま
明けましておめでとうございます。
いよいよ2020年ですね。
なんだか待ちに待った
2020年という感じがいたします。
2020年も皆さまの心に
何か感じていただけるよう
日々物語を書いていきたいと
思います。
本年もよろしくお願いいたします。
初めましての方は、こちらから自己紹介を兼ねた
僕の物語をお読みいただくことができます。
では、書いていきます。
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「母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑬」
前回までのお話しはこちらからお読みください。
公太は力なく笑みを浮かべる
母の両手を握って泣きました。
公太の妻が公太にしてくれたように、
公太も母の目をじっと見つめました。
公太は母の手を握りながら
「母は、あえて嫌われ役をやってくれていた」のだと
優しさしか感じることのできない
母の目を見て、そう悟りました。
すると、公太には言いようのないほどの
感謝の気持ちが湧きあがってきました。
とめどなく溢れてきました。
公太は母を憎むことで、
大きな感動を得ました。
「もう少しだけ早く気が付きたかった」
そう公太は空に向かって言いましたが、
それは、どうにもなることではありませんでした。
公太の母はそれから
数日後、息を引き取りました。
公太が母の顔を見ていると、
そこには昔に感じた心配や不安と言った
公太に向けられた表情とは
まったく正反対のものでした。
「安らか」
「お役目を果たした」
そんな雰囲気を持っていました。
それを感じた公太は心の底から
ホッとしました。
もちろん哀しみもあったのは事実です。
公太は喪主を務めあげました。
母を火葬するスイッチを
入れる時、祖母が火葬場で
燃えていくずっと離れなかった
光景が浮かびましたが、
もう大きな恐怖感は
そこにはありませんでした。
公太の母が亡くなってから
しばらくの間、公太は
泣きました。
市役所での勤務中に
哀しみのあまりトイレで
泣いたこともたくさん
あったほどです。
でも、心の中ではホッとしている
自分もいました。
母が亡くなる直前に
許しあえたことは
公太にとっては大きな
財産となりました。
もしかしたらその感動を
味わうために母は公太に
八つ当たりをして
公太は母を憎んだのかと
どこかで疑いたくも
なりました。
【~続く~】
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。
*この物語はフィクションです。