皆さま

 

今までの人生で一番

 

緩やかな年末を過ごしています。

 

年末=忙しくしていなければならない

 

そんな僕の思い込みが

 

解放されたのでしょうか。

 

このままゆったりと年始まで

 

過ごそうかと思います。

 

本日もよろしくお願いします。

 

初めましての方は、こちらから自己紹介を兼ねた

僕の物語をお読みいただくことができます。

【まとめ】不安な人生から安心の人生に転換した僕の物語

 

では、書いていきます。

 

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「母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑪」

 

前回までのお話しはこちらからお読みください。

母の死で生きる意味を悟る公太の物語①

母の死で生きる意味を悟る公太の物語②

母の死で生きる意味を悟る公太の物語③

母の死で生きる意味を悟る公太の物語④

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑤

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑥

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑦

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑧

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑨

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑩

 

しかし、様々な想いが

 

公太に湧きあがります。

 

どこかで母を憎んでいること

 

その逆に母に愛してほしいこと

 

その母がこのままでは

 

この世からいなくなってしまうこと

 

公太はいったいどうしたらいいのかと

 

下腹部がぎゅーっと締め付けられるような

 

不安感を覚えました。

 

それは、幾度となく

 

答えの出せない公太を

 

襲ったのです。

 

公太は夜も眠れていないようでした。

 

突然、布団をガバっと

 

めくり上げて

 

上半身を起こした公太は

 

冷や汗をかいて、大きく

 

肩で息をしていました。

 

隣で寝ている妻もその様子に

 

気が付いていて、

 

「大丈夫?」と声を

 

かけていました。

 

公太はそんな時、しばらく

 

居間のソファで時間をとって

 

気持ちが落ち着くのを

 

何時間でも待ちました。

 

「母が死んでしまう」

 

公太はこれだけが理由ではない気が、

 

なんとなくしていました。

 

それでも、今の公太にできることは

 

限られています。

 

公太は必ずと言っていいほど

 

仕事終わりに母が入院する

 

病院に行くようにしました。

 

公太の妻も公太が残業で

 

病院に行けない時は

 

代わりに行ってくれました。

 

日に日に公太の母は

 

入院している病院のベッドの上で

 

弱っていっているようです。

 

そのことを、毎日行く公太は

 

よく理解しているようでした。

 

公太の中から、公太そのものの中から

 

「お母さん、待ってくれ」

 

「お母さん、まだ早いよ」

 

「お母さん、置いていかないでくれ」

 

「お母さん、きっと話したいことがあるんだ」

 

そんな叫び声のような声が

 

感情とともに溢れ出てきているのを

 

感じていました。

 

しかし、公太の母の調子が良くなる

 

ことはありませんでした。

 

とうとう公太の母は話すことさえ

 

できなくなりました。

 

様々な器具を装着された公太の母は

 

天井を見上げています。

 

公太の母の表情は闘病中の

 

辛いそれとは違い、

 

どこか穏やかなものに

 

変わっていました。

 

公太はその姿を

 

少し離れたところから

 

見ながら、泣いていました。

 

できることなら母にそのことは

 

気が付かれたくないと

 

公太は思っています。

 

【~続く~】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。

 

*この物語はフィクションです。