皆さま
あー、もう2019年が終わって
いきますね。
やり残したことがないかなあと
考えています。
あー、今年も終わってゆく。
本日もよろしくお願いします。
初めましての方は、こちらから自己紹介を兼ねた
僕の物語をお読みいただくことができます。
では、書いていきます。
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「母の死で生きる意味を悟る公太の物語③」
前回までのお話しはこちらからお読みください。
しかし、長い間父と母が言い争いを
しているのを聞いていると
どうやら父には新しい家が
あるのだと公太は気が付きました。
そこには父だけではなく
他の人も住んでいるのだと
公太はなんとなくわかりました。
それは聞いたこともない人の
名前が聞こえてきたからです。
公太はまどろみの中で
「これから僕たち家族はどうなってしまうのだろう」
という底知れない不安に
駆られました。
しかし、父と母に聞くことは
できません。
小学校で友達が
お父さんやお母さんのことを
楽しそうに話していると
公太はとても気まずい気持ちに
なりました。
何か聞かれても公太は
何も答えられずにいるのです。
公太が小学校を卒業をする頃、
とうとう父と母の言い争いを
聞くことがなくなりました。
公太は喜びたかったですが、
現実はそうではありません。
父はこの家にまったく
帰って来なくなったのです。
公太は幼心にこれが
どういうことなのかは
察しがつくようになっていました。
もう母に聞こうとは思いませんでした。
公太は父とその時、家の近所の
ファミリーレストランで待ち合わせて
話しをしました。
公太は、父の態度を見て
「きっとお父さんと会うのは最後かもしれない」と
思っていました。
なぜだか、本当の父親のはずなのに
その時の公太には父が他人になったような
そんなよそよそしさのようなものを
感じたのです。
父は最後にまたこの言葉を
公太に残していきました。
「公務員になりなさい」
この期に及んで公太にこのような
ことを言う父の気持ちは
公太にはわかりませんでしたが、
公太の心と頭の中には
この言葉が居残り続けることに
なるのです。
空腹だったはずの公太には
食事以外のなにものかで
いっぱいに満たされてしまい、
公太は頼んでいたグラタンを
全部食べることはできませんでした。
父はそんな公太を見て、
「じゃあな、また会いにくるからな」
そう言って立ち上がり
お会計を済ませて
車に乗って先に帰って行きました。
父が乗りこんでいく車は
見たこともない車だと
公太は感じています。
グラタンのフォークを片手に
持ちながら・・・公太はその車の
後ろ姿を目で追い続けました。
【~続く~】
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。
*この物語はフィクションです。