皆さま

 

忘年会はもうやりましたか?

 

僕はあと2回くらいやる

 

予定です。

 

「今年もありがとうございました」と

 

言いながら、お酒や食事を楽しむ

 

とても良い文化ですよね。

 

そうして新たな年を迎えるわけです。

 

本日もよろしくお願いします。

 

初めましての方は、こちらから自己紹介を兼ねた

僕の物語をお読みいただくことができます。

【まとめ】不安な人生から安心の人生に転換した僕の物語

 

では、書いていきます。

 

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「母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑨」

 

前回までのお話しはこちらからお読みください。

母の死で生きる意味を悟る公太の物語①

母の死で生きる意味を悟る公太の物語②

母の死で生きる意味を悟る公太の物語③

母の死で生きる意味を悟る公太の物語④

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑤

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑥

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑦

母の死で生きる意味を悟る公太の物語⑧

 

しかし、母の重くねっぱりとした

 

公太を思う重い気持ちは

 

新たな生活を楽しもうとする

 

公太の背中にべったりと

 

張り付いているかのようでした。

 

そして、公太が市役所の職員になって

 

15年、結婚をして5年が経つ頃

 

とうとう公太が恐れていたことを

 

同じ年齢の妻と話し合うことに

 

なるのです。

 

元々、公太とその妻は

 

子どもは設けないと

 

結婚をして、家も買ってから

 

そう話しをしていました。

 

しかし、妻も30歳代後半を迎え

 

様々な考えを巡らせて

 

「子どもが欲しい」と

 

公太に単刀直入に

 

そう伝えたのです。

 

公太も本当に子どもが

 

欲しくなければ、

 

「そんな気はない」

 

「初めに話したじゃないか」と

 

伝えれば良いのですが、

 

公太も不思議と

 

そうはできませんでした。

 

公太の心の奥底では

 

自分の子どもを欲している

 

かもしれなかったのです。

 

父となることを望んでいたのかも

 

しれません。

 

しかし、公太は踏ん切りと言うものが

 

まったくつきませんでした。

 

その時に湧いてくる感情は

 

「父になることが怖い」という

 

ものでした。

 

公太は妻にそれを正直には

 

情けない気持ちになりそうで

 

言えませんでした。

 

公太はそんな大切な

 

妻の言葉を曖昧にして

 

その場を濁したのです。

 

それも一度や二度では

 

ありませんでした。

 

妻は少しずつですが、公太のことを

 

不信に思うようになってしまいました。

 

しかし、妻はそれで公太を

 

見捨てるようなことはしませんでした。

 

妻は公太を話し合いの場に

 

引っ張り出したのです。

 

妻は公太に真剣な眼差しを

 

向けて、ハッキリとした

 

口調で伝えました。

 

「私は子どもが欲しい。あなたはどう考えている?」

 

公太は雰囲気がただ事ではないと

 

察したのか、観念したかのように

 

「ぼ、僕も子どもは欲しい・・・けど」

 

「けど?」

 

「うん、いや」

 

「ハッキリと言ってくれた方がいいわ」

 

「う、うん。子どもは欲しいけど、親になるのが怖い・・・おかしいだろ?」

 

公太は人に初めて言いました。

 

公太は親になるのが怖かったのです。

 

しかし、そんな公太の告白に

 

妻は笑うわけでもなく、きちんと

 

受け止めてくれました。

 

「わかったわ。あなたが親になるのが怖いってことは。だから、あなたが準備ができるまで私は待つわ」

 

公太は「ありがとう」と言って、

 

なぜだか涙が溢れてきているようでした。

 

「話していいのよ」

 

妻は公太に機会をくれました。

 

公太は涙ながらにポツリポツリと

 

幼少期に起きた父と母のことを

 

話しました。

 

人に話すのは公太にとって

 

とっても勇気のいることでしたし、

 

本当に初めての体験でした。

 

話しながらも、妻は愛想を

 

つかしてどこかへ行ってしまうかも

 

しれないと公太は本気で

 

思っていました。

 

【~続く~】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。

 

*この物語はフィクションです。