ブロンプトンで秘湯へ行こうシリーズをいつもご愛読いただきありがとうございます。

 

今日はブロンプトンで秘湯に出かける10のメリットについて説明します。ブロンプトンを既にお持ちの方には今後の更なる活用のヒントとして頂ければ幸いです。


1.世界一の鉄道ネットワークを駆使、日本全国どこまでも

 

ブロンプトンで輪行(=自転車を畳んで公共交通機関に持ち込み移動すること)して日本全国の秘湯へ出かけましょう。

 

日本の鉄道インフラは素晴らしいです。短時間でスケジュール通り目的地に到達することができます。車の場合、連休やゴールデンウィーク中には交通渋滞でなかなか目的地にたどりつけないことがあると思いますが、ブロンプトン+輪行なら、狙った時間に目的地に到達し、十分に湯を楽しんだのち、再び時間通りに帰宅することができます。私の場合、早朝に出立して日帰り湯の朝一番に行くことにしていますが、人気秘湯でも空いていることが多いです。

 


始発の新幹線で田沢湖駅を目指す。乳頭温泉 日帰りだ。


早朝の東京駅。始発の新幹線で山形をめざす。行き先は姥湯温泉 、勿論日帰りだ。


それにしても朝早すぎませんか・・・。


夜の大宮駅。北陸新幹線 を使えば首都圏から姫川温泉黒部渓谷の秘湯 への日帰りも可能だ。

 

雪の翌日の朝早く、普段は激混みの宝川温泉汪泉閣 で一番人気の「子宝の湯」に誰もいないなんて奇跡が起きてしまった!


 

2.楽な道だけ走る/辛い区間はワープ

 

ブロンプトンは体力に自信のないオネーサンやオジサンの味方です。走りたい区間だけ自走し、きつい坂や峠越え、或いは単に疲れたときなど、バスや電車で気軽にワープできるのがブロンプトンの強みです。

例えば、夏に蓮華温泉へ行く時、標高1475mと高所にあり最寄りの平岩駅からは標高差1300メートル以上ありますので、バスで駅から蓮華温泉まで輪行してしまいましょう。帰りは豪快なダウンヒルです。

 

蓮華温泉 へは夏だけ運行される登山バスを利用。

 

老神温泉 からの帰りは登り坂になるのでバスを使うことにする。


 

3.公共交通機関(鉄道・バス)がない区間を自走で移動

 

秘湯があるような過疎の地域では、バスや鉄道の運行頻度が非常に少ないです。ブロンプトンで公共交通機関が不便な区間を自走でつなぎ、全体のスケジュールを効率よく進めることができます。また交通機関のない離島の移動でも大活躍してくれます。

 

式根島 の港から反対側にある島秘湯への移動も楽々。

 

あてにしていたバスが廃止になっていた或いは電車が遅れて予定していたバスに乗り損ねるなどしても、自走して挽回することができます。はじめて十谷温泉へ行った時、あてにしていたコミュニティーバスが一か月前に廃止になっていて驚きました。しかし、むしろ気持ちは奮い立ち、結局十谷温泉 までの距離25キロ、標高差400メートル以上を自走してしまいました。

 

十谷への道は険しい。しかしもうすぐだ。

 

また、塩原元湯ゑびす屋 へ行った時、東武線の遅れで中三依塩原温泉口駅で予定していた「ゆ~バス」に乗れませんでしたが、自走して峠越えを敢行 、ゑびす屋にたどり着きました。

尾頭トンネルを抜け元湯ゑびす屋 へ。


 

4.林道・登山道を行く

 

登山道、未舗装林道、その他無許可の自動車が入れない道でも、自転車のブロンプトンなら走行可能です。それから、林道の一部は車幅の関係で、一般車には通行が難しいところがありますが、ブロンプトンなら大丈夫です。人が歩けるところなら登山道だってどこまでも行けてしまいますし、吊り橋だって問題なしです。雪道でもスタッドタイヤがあれば大丈夫。また、途中、階段や急登があったとしてもブロンプトンの場合、そのままか畳んで運ぶことができて便利です。(自転車通行禁止の場所を除く。)



鶴の湯 へ行く途中、ブロンプトンで吊り橋を渡る。



本沢温泉 を目指して八ヶ岳の登山道を行く。

 

冬期の山道ではスタッドタイヤが大活躍してくれます。奥鬼怒スーパー林道で加仁湯 の露天雪見風呂へいった際、未舗装林道では圧雪してさえあれば無雪期よりも雪道の方が速く走れることがわかりました。

 

雪道を約一時間、加仁湯 が見えてきた。

 

 

5.夜行高速バスを活用

 

夜行バスを活用して遠方の秘湯へ出かけてみませんか。フツーの自転車では積むスペースがないが、畳んでカバーすると十分に小さいブロンプトンなので、他人に迷惑をかけることなく夜行バスを使うことができます。そして翌日は山奥の秘湯へ直行、勿論、一番風呂です。

 

猪苗代駅へ夜行バスで出発。超秘湯、横向温泉 を夜行バス翌日帰りで攻めるのだ。ブロンプトンはトランクルームへ。早朝5時着なので時間を有効活用できる。帰りは新幹線だ。

 

秋山郷 を長野側から攻めるためには、長野に早朝の到着が必須だ。夜行バス3列配置の最後列シートを確保すれば、ほら、シートの後ろにブロンプトンを格納できます。リクライニングも何とかできます。


 

6.スペースを取らない/駐車場を探す必要がない

 

秘湯は往々にして非常に狭い山間地や崖下に位置しています。駐車場が無いところも少なくありません。また、土日祝の人気温泉は駐車場が満杯のことも多いです。駐車場が空くのを待っているうちに日帰り温泉の時間が終了してしまうかもしれません。その点、ブロンプトンは、畳んでしまえば小さなスペースに(一応ロックをかけて)置いておけば良いので便利です。狭い温泉街に迷惑をかけないのは当然のことながら、旅先での限られた時間を節約し、あなたの貴重な入浴時間を最大化できます。



スペースのない下部温泉 。畳んで邪魔にならないように停める。

 

伊東温泉東海館では、ほぼ同時に東海館の玄関にたどりついた車のお兄さん、どこかの有料駐車場に車をとめに行って風呂に入るころ、私は既に風呂を出て涼んでいたのでありました。

 

東海館 脇にロックして置いておく。湯殿はこの裏にある。

 

 

7.トラブルに遭ったら即輪行

 

「でも自転車で秘湯に行こうとして山奥でパンクしたり壊れたりしたら困るよ、JAF呼べないし」と心配するあなた、ブロンプトンは万一パンクしても、最寄りのバス停まで運ぶか、或いは、地元のタクシーに電話して来てもらえば良いだけです。

 

いつものように高瀬渓谷の秘湯からその日のうちに扇沢へ行って黒部立山アルペンルートで立山へ向かうという無茶苦茶な旅の途中、葛温泉付近で突然のパンク 。パッチがうまく貼れずに何度も空気が抜けて時間を大幅にロスして大ピンチに。しかし地元のタクシーに来てもらい、何とかその日のうちに立山室堂へたどりつくためのトロリーバス最終便に間に合いました。

 


パンク!トンネル内で何か踏んだのかも。時間が迫ってきたのでタクシーを呼ぶ。

 

今年の秘湯初めで吹雪の北温泉 にいったとき、行きは根性で雪道を走破しましたが、帰りは湯あがりに風邪をひいても馬鹿らしいので、ブロンプトンを置いてきた駐車場までタクシーを呼んで那須湯本のバス停まで輪行しました。ちょっとズルだったかしら。これもブロンプトンならではのスゴ技です。


こんな猛吹雪ですから、帰りはバス停までタクシーを使う贅沢を許してオクレ。


 

8.たくさん搭載できる/お土産も持って帰れる

 

ブロンプトンの積載能力について説明します。ブロンプトンは、フロントバッグを直接フレームに固定する特殊な構造になっているため、荷物がハンドル操作の邪魔になりません。長距離走行にも10キロくらいの荷物は全く問題ありません。別に自転車にバッグつけなくても、リュックサックで背中に背負えば良いのでは、と思われるかもしれませんが、アツい夏は汗だくになるだけでなく、背中から放熱できずに熱射病になりかねません。秘湯ツアーの場合、タオルや着替えを持っていくことになりますし、水分補給用にお気に入りの炭酸水や鉱泉を3~4本持参するので結構かさばります。ブロンプトンではSバッグで余裕です。


Sバッグの中には秘湯用の炭酸水2~3本、タオル、着替え、デジカメ、昼食用の若狭鯖寿司などが入っている。

 

また、果物の季節には温泉+産地買い出しサイクリングです。例えば、山梨のはやぶさ温泉 に行ったあとは近隣の選果場で新鮮で安価な桃や直売所で干柿を大量に買って帰る楽しみがあります。特に が好きなので、毎シーズン、産地で累計100個以上の桃を買います。

 

秘湯からの帰りに家族におみやげを買っていこう。山梨の桃 はどう。



甲州の枯露柿 だ。おいしい。


 

9.カラダが丈夫になる/痩せる


毎週のように山道や雪道をたどって秘湯へ行くということを繰り返していると、カラダが鍛えられてヘラクレスもびっくりのほれぼれとする筋肉質の肉体とすることができます。(大袈裟だな。)また、素晴らしい秘湯にばかり行っているため温泉効果で体質も著しく改善し風邪など全くひかない強壮な肉体を手に入れることができます。(実は●●なので風邪をひかない・・・。)



蓮華温泉 から下界を見下ろす肉体美の男性。もちろん私ではない。



心身ともに力が漲りまくった勢いで、富士ヒルクライム に出場してしまった。標高差1255メートルを本格的なロードバイク乗りたちと競い合って大健闘だ。


 

10.みんな優しくしてくれる

 

ブロンプトンは、見かけがカワイイので、行った先でいろんな人が声をかけてきます。また、その小さな車体故に、峠や秘湯までたどりつくのが極めて困難であったと思いやって下さるのか、秘湯宿のオジサンとか食事処のオバサンとか通りすがりの農家の方などがとても優しくしてくれます。実は結構性能が良いのでそんなに大変ではないのですが。

 

貝掛温泉旅館 の御主人に「大雪の中を自転車で一体どこから。帰りは大丈夫ですか。」と心配されたがバス停からだとお伝えすると安心されていた。



塩原元湯大出館 では「この大雪の中をあの小さい自転車で来てくれたの。100円引きだよ。」といきなりのブロンプトン割引だ。オジサンありがとう。

 

 

あなたもブロンプトンが欲しくなりませんか。

 

ブロンプトンは円安で多少お高くなっていますが、それでもお買い求めになったならば、ダイエット効果・病気知らずに肉体改造・雪の秘湯での100円引きなど投資効果は申し分ないでしょう。また、秘湯ファンの憧れ湯俣温泉 の日帰りも可能となります。ブロンプトンを買って、私と一緒に秘湯へ行きましょう!

 

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【ブロンプトン・エッセイ】