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勝負の時が来た。
なぜ僕はここにいるのか・・・・・・・・・・・・。
ここに来るまでにどれだけのものを失ったか・・・・・・。
今の自分を見つめなおすためにも過去を振り返り、
今、自分が置かれている状況を再認識するために
素顔の自分を、ありのままの自分をさらけ出すことにしました。
ここに書かれていることは紛れもない真実。
いや、どこかで自分で美化したものかも知れないけれど
自分の心の中の真実を告白します。
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目 次
第1話 はじめに
第2話 就職活動編・当時の就職事情
第3話 就職活動編・就職試験 面接
第4話 就職活動編・JTBを選んだ理由
第5話 就職活動編・筆記試験その1
第6話 就職活動編・筆記試験その2
第7話 就職活動編・筆記試験その3
第9話 アルバイト編・僕の仕事とは
第10話 アルバイト編・撮影所にてその1
第11話 アルバイト編・撮影所にてその2
第12話 アルバイト編・撮影所にてその3
第13話 アルバイト編・チーマー達との出会い
第14話 アルバイト編・僕の役割
第15話 アルバイト編・事件その1
第16話 アルバイト編・事件その2
第17話 アルバイト編・撮影の終わり
第18話 JTB勤務編 入社式
第19話 JTB勤務編・配属
第20話 JTB勤務編・旅立ち
第21話 JTB勤務編・いざ大阪へ
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よく晴れた初夏の日でした。
今では既になくなっていると思いますが、
JR幕張駅の目の前にあったビルの建設予定地の空き地が
撮影の現場でした。
朝からの丸一日の撮影日。
暑い日ざしが降り注ぐ中、ロケバスの中から、専用車から、タクシーから
出演者の人たちが集まってきた。
それまでラグビーシーン以外のところの出演者はほとんどかかわりが
なかったのだが、この日は主要な出演者たちが集合した。
先生役の中尾彬さん、中尾エミさん、林家こぶ平さん、デーブスペクターさん
少年達が行きつけのクラブのDJ役の香川照之さん。
そしてもちろん主演の吉田栄作さん、ヒロインの鷲尾いさ子さん。
準主役の山本太郎くん、田中くん。
なかなか豪華な顔ぶれである。
しかし、2ヶ月近くスタッフ同様に動いてきた僕にとって
俳優さんを目の前にすることは既に「日常」になっていた。
それよりも台本を読み返し、実際に役者さん達をどう動かすかを考える
ことで頭がいっぱいだった。
衣装さんが全員にユニフォームを着せていよいよ撮影開始。
実際のラグビーの試合のようにキックオフの場面から撮影は
スタートした。
もちろん映画の撮影なので少し動いたらカット、少し動いたらカット
の繰り返し、同じ場面も違う角度から何度も取り直ししたりと結構
大変な作業だった。
うれしかったのは2ヶ月近く、パスやキックの練習をしてきた少年達が
実際に上手くなってきていたことだった。確かに2ヶ月では素人の域を
脱しないが、はじめてボールを持ったときから比べるとはるかに上達
していたのである。
演技もラグビーも素人の少年達。
撮影が終わると渋谷のセンター街へ行き、
夜中までたむろしている少年達。
撮影の合間も問題を起こす少年もおり、途中から来なくなった少年もいた。
ちょうどお昼頃のことだった。
撮影が続く中、たまたま1台の右翼団体の街宣バスがグランドを横切った。
流れる軍歌の大きさに撮影は中断する。
とその時、一人の少年が街宣バスに向かってこう言った。
「うるせーぞ!さっさと行きやがれ!」
すると周りの少年達も街宣バスに向かって罵声を浴びせだした。
スタッフが静止に入った時には時、既に遅し。
向こうも大音響のマイクで反撃してきた。
興奮する少年達。
ジャックナイフを取り出し、殺気立つ少年もいた。
その姿を見てあわてるスタッフ。
非難する出演者。
ぼくも必死に制止に入った。
10分ほど小競り合いが続いたが、幸いにも相手が外には出て
来なかった。
今、思ってもあの時相手が車から降りてきていたら大変なことになって
いたのは間違いない。
やっとの思いで騒動はおさまった。
しかし、この騒動がさらに役者・スタッフ・僕を含む素人集団の溝を深く
したことは間違いない。
この事件を引き金に1時間後、さらに新たな事件がおこったのである。
長くなるので今日はここまで、次回に続く・・・。
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