生産性と利益率のバランスを考えたプラスαの何かを加える美容室経営 | 美容室業界のタイガーマスク(革新者)網野三之助

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仮に年商30億円・50店舗・従業員600名(正社員)のサロン経営会社があったとする。


一見普通に凄いし社長の年収や持ち物もサロン経営者としては凄いと思う。


表面の数字が大きいとやはり単純に誰もが凄いと思う。
 
 
 
30億円も50店舗も600人も。


業界内ではとてつもなく大きい数字だ。


スケールパフォーマンスとしても大きいだろう。
 
 
 
 
しかしこの数字を単純に見れば大きい物ばかりだけど。


出てる数字を計算すると比較的小さい数字が隠れているのに気が付いた人はいるだろうか?


表に出ている数字を単純に見るだけじゃ単純に凄いとだけ思って終わってしまうが。


パッとこの数字を見て『ん?』って思った人はどれくらいいるだろうか。
 
 
 
 
すぐに気づいた人もいると思うが、


そう生産性が低い。
 
 
 
 
一人当たりの年間生産性が500万円。


月間生産性(パーヘッド)が42万円弱。


ここから見える現場の現実とは?


一店舗の平均年商は6000万円。


平均スタッフ数は12名。
 
 
 
 
このクラスの会社になると本部機能も必要になってくるので実際にはサロンに10名前後。


なので現場では一人当たりの年間生産性は600万円。


月間で50万円といったところではないだろうか。


ひょっとしたら現場はそれ以上かもしれないしそれ以下かもしれない。
 
 
 
 
だけど会社全体として考えれば最初の数字から生産性は計算されることになるのでパーヘッドは年間500万円の月間42万円で間違いない。


そうしていくとだんだんその他の数字も見えてくる。


間違いなく言えるのは年間生産性が500万円でスタッフの平均年収が500万円ということは絶対にない。


人件費比率100%になってしまうから(笑)
 
 
 
 
会社によって人件費比率や経費は異なるので何とも言えないがこの規模になってくると小規模経営だとかからない経費もかかってくるし逆に小規模経営では考えられないスケールメリットによる経費削減もある。


例えば大きくかかってしまう代表的なものは求人費。


削減できるものの代表的なものは材料費。


細かく言えばたくさんあるが切りがないのでここまでにするが。


とりあえず人件費以外にたくさんの経費があるのでその上で人件費比率というのは決まっていく。
 
 
 
 
同じ業界でも業態の違いで比率も変わっていくが王道の一般的な業態(雇用あり)で40%前後(経営者は除く)。


多くても50%前後。


その上で計算すると40%で平均年収200万円(月収17万円)、50%で平均年収250万円(月収21万円)。


美容師の平均年収284万円(月収23万円)に合わせていくと比率は57%。


この規模の会社になるともう少しありそうだから60%として年収300万円(月収25万円)。
 
 
 
 
ここから見えてくるのは会社の規模や数字は普通じゃなく凄いけど働く側の美容師は結構普通という事。
しかも業界内レベルでの普通。


業界的には社会全体でみると普通より低い世界。


しかし年商が30億円もあれば納税ではかなり社会的には貢献しているし雇用数も600名いれば社会的貢献は大きい。
 
 
 
 
ん?でも待てよ。。。


現場の美容師への還元は少し低くないか?


その社会的貢献をしてる会社に貢献しているスタッフへの還元の事は?


じゃぁ世の中の平均年収と言われてる400万円に合わせようとすると人件費比率は80%になる(笑)
確実に運営できないw


そうなるとやはり60%くらいが限界となる。
 
 
 
 
ここでわかるのは雇用されている美容師にとって大事なのは会社やサロンの年商よりもやはり生産性なのだ。


細かく言えば利益率だなんだも大事だけど大きく重要なのは生産性。


そこが高くないと還元は望めないという事。


いくら勤め先の年商が大きいとしても。


そして経営者もそこを考えないといけない。


これは規模に関係なく。
 
 
 
 
上記の規模の会社になってくるとこの業界では経営者は一体いくらくらい報酬を得ているのか?


経営者の考え方によってどの業種の経営者でもかなり前後はしますがこの業界の場合は他の業界と比べれば年商に対しての比率は低い方だと思います。


サロン経営がメインだと数十億規模で1~3%なんてことも普通。


もちろん生産性や利益率によってぜんぜん違ってはきますが。


そしてある程度自分で決めれるので考え方でも違ってはきます。


30億円規模の会社なら1~3%だとして3000万円~9000万円。


なんと1億円いかないんですよね。
 
 
 
まぁ一人の美容師として考えれば1%で年収3000万円と言ってもかなり大きい数字ですしこれだけの年収があれば大満足ですが30億円規模の会社として一般的に見ると少ないようにも感じますね。


だってそれだけのリスクは伴っているわけですから。


雇われての年収3000万円とはぜんぜん違います。


私なら3億円は欲しいかな(笑)
 
 
 
 
しかしサロン経営メインだとこの規模なると年商に対しての10%は難しいです。


逆に一人サロンの経営者は比率で言うと年商に対して50%~70%とかだったりしますけどね!


規模が大きくなればなるほど比率は低くなっていくものです。


しかし年商が大きくなれば比率は低くても額は大きいですがね。


だから経営者は年商を重要視していくものだったりもします。


経営者にとっても自分への還元を考えた場合、生産性と利益率は重要です。
 
 
 
 
話はそれましたが。。。


人件費比率が40%でも生産性をあげれば平均年収は上がります。


仮に一人当たりの年間生産性が1000万円(月間83万円)だと40%計算で平均年収は400万円。


世の中の平均となります。


この業界も最低限そこを目指していかないと業界全体の発展はないのかなと感じています。
 
 
 
 
月間パーヘッド83万円なんて無理だよ!って言ってしまえば終わりです。


本当に無理なのか?


達成してるサロンはないのか?


サロン業務だけで達成しているサロンはいっぱいあります。
 
 
 
でも月間パーヘッド100万円くらいが限界だろ!だからスタッフ平均年収500万円以上は絶対に無理だ!って言ってしまっても終わりです。


だったらサロン業務以外の業務を経営者が作り・与えればいい。


サロン業務以外の業務をしたくないスタッフがいればそれはそれでサロン業務の限界内での年収に収めればいいだけ。


無理にさせることもない。


やりたい人・稼ぎたい人に与えられる環境は作った方がいいという事。


経営者としては既存のスタッフが誰もやらないのなら自分でやってもいいしパートを雇ってもいいし。


ただスタッフがもっと稼ぎたいと思っている状況で環境が与えられているのと与えられていないのとでは全く違う。
 
 
 
 
『仕事はしたくないけど金は欲しい』という輩は無視ね(笑)


でも


『お金が欲しくて仕事がしたいけど仕事がない』というのは無視してはいけない。
 
 
 
『自分で仕事見つけてこい!お客さん捕まえてこい!』


って終わらせてしまえば終わり。


そしていずれ経営も終わる。
 
 
 
これからの時代の経営者はそういったところも見据えて経営をしていかなければいけないと思う。


生産性を上げていかなければ発展は始まらない。


経営者だけが潤う流れだと美容師の選択肢は独立かフリーランスか転職となってしまう。


てか今現在なっている。


そうなるとサロンは飽和化して1店舗の潤いや1美容師の潤いが減少する中、人手不足と叫ばれる不思議な状況となり更に悪いスパイラルが発生してしまう。
 
 
 
 
美容業務での限界値(パーヘッド120万)くらいで経営できていれば今はそこまで考えなくてもよくそれなりにスタッフを潤わせているだろうがそういったサロンでも今後の経営は考えていかなければいけない。


その数値を美容業務だけで達成し続けるのは経営者も大変だしスタッフも大変だったりもする。
 
 
 
生産性と利益率のバランスを考えたプラスαの何かを加えていかないと経営の継続・発展は難しくなっていくだろう。


生産性というのは今美容業界にある様々な問題と深く繋がっていると私は考えている。

 

 

 

 

 

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