ELEMENTS OF STYLE -57ページ目

MEN’S EX 連載 9月号


MEN’S EX 9月号 が発売されました。





私の連載 ”中村達也の今、買いのアイテム”





今回のテーマは、デニム&シャンブレーシャツです。




数年前にも流行したデニムやシャンブレーシャツ。

イタリアでは随分前からカジュアルシャツの定番と言えるシャツですが、

その人気もここ数年は少し落ち着いた感がありました。


今年の秋冬はインディゴカラーがトレンドカラーとして注目されていることもあり、

ほとんどのシャツブランドがデニムやシャンブレーを積極的に展開しています。



無地は素材のバリエーションだけでなく、

濃淡のバリエーションも豊富です。





このように、かなり濃いインディゴブルーから

ブリーチアウトした淡いブルーまで、

どのシャツブランドも多くのカラーバリエーションを持って

展開しています。





無地だけでなく、プリントやジャガードなど、

柄物が多いのも今シーズンの特徴。



カモフラ、ボタニカル、ジオメトリックと言った、

トレンドの柄をのせたものも多いです。




チェックのバリエーションも豊富です。



ひと目でインディゴのチェックと分かるチェックから、

オーソドックスなチェックにインディゴのカラーをのせた

ものもあります。





PITTIやミラノのショールームのディスプレイに多く使われていることからも

今シーズン、デニムやシャンブレーシャツが注目されているのが窺えます。















ご覧のように、デニムやシャンブレーシャツを使ったディスプレイが

例年になく多い印象です。


特にタイドアップしたディスプレイが多いのも今シーズンの特徴。

カジュアル感のあるデニムやシャンブレーのシャツには、

クラシックなタイよりも、カジュアル感のあるニットタイの方が良く合うので、

ある意味鉄板的なシャツ&タイ コーディネートとも言えます。


今シーズンは昨年に引き続き、ツイードやコーデュロイが注目されていますが、

それ以外にも、ブークレやモヘアといった起毛感のある素材が注目されています。
また、ニットに関してもミドルゲージからローゲージのカーディガンやニットジャケットが

注目されていることもあり、それらの素材感のあるジャケットやニットに

デニムやシャンブレーが良く合うと言うのも、

このシャツが注目されている理由のひとつだと思います。






と言うことで・・・

私も早速新入荷のシャンブレーシャツを購入しました。






ORIAN DENIM DIVISION のシャンブレープリント。


シャンブレーの生地に小紋のプリントをのせて、

軽くウオッシュをかけています。



よく見ると、小紋のプリントもブラウン×ブルーで、

私の好きな配色です。


生地は平織なので、今すぐに着られるのもいいです。

色落ちしてくると更にいい雰囲気になりそうです。


ジャケットだけでなく、ニットジャケットと合わせてもいいですね。

意外と色々なものとコーディネートできるのも、このシャツの魅力です。

ご興味のある方は、是非店舗で柄の雰囲気をご覧いただければと思います。


このシャツ以外にも今シーズンは欲しいインディゴシャツがあります。

購入したらまたご報告します。





因みに、この傾向は来年の春夏も続きます。

生地が厚いものでなければ、秋冬シーズンに購入したものが

春夏にも着られます。


そして、このブログでも何度かコメントしましたが、

コーディネートのどこかにアメリカや英国的な雰囲気を取り入れるのが今の気分です。

そういった意味でも、デニムやシャンブレーのシャツは、

アメリカ的な雰囲気を持つシャツなので、

ラテン度の高いコーディネートを適度に中和することのできるアイテムだと思います。

今シーズンはカラーと柄のバリエーションに注目して

デニムやシャンブレーのシャツを選ぶのも良いと思います。










デニムと言えば・・・


同じ9月号で紹介されているこのパンツ。




C+のデニムスラックス。


PITTI の会場でもデニムスラックスを穿いた人が増えていました。

今シーズンは個人的にもデニムスラックスを穿きたいので、

スーパースリムなのに穿きやすいこのパンツは、

お勧めのデニムスラックスです。

ご興味のある方は、116ページをご覧ください。


そして、是非店舗でご試着いただければと思います。











PITTI SNAP スーツ編

 

今週末からイタリアがバカンスに入るので、

 

展示会の追い込みで毎日猛暑の中歩き回っています。

 

この時期は梅雨明けと同時にジャケットやスーツを着なくなるので、

 

シャツ一枚で展示会まわりをしています。

それが自分なりのクールビズの決め事なのですが、

それでも大汗をかくので、この時期仕事でスーツを着なければならない

ビジネスマンの方の苦労を身に染みて感じます。

 

仕事柄、電車の中や街でビジネスマンの方の格好を気にしてチェックしているのですが、

 

スーツを着た人でもノーネクタイの人が非常に多いです。
まあ、今や東京の夏は亜熱帯と変わらないと言われているので、

その是非を問う前に、体調管理の面からも仕方が無いことだと思います。
特に営業職で一日中猛暑で歩き回らなければならない方は、

スーツにタイドアップでは、熱中症にもなりかねません。

 

来客や商談があるときだけ上着を着たり、

 

ネクタイを締めたりすると聞きますが、
個人的にはそのような対応で良いのではないかと思います。

 

要は、クールビズだからと言ってなんでもOKと言うのではなく、

 

自分なりに決め事を作って、ビジネスシーンにおいて不快感を与えず、
仕事に支障をきたさないスタイルを心がけるという事が重要なのではないかと思います。

前置きが長くなりましたが、今回はPITTI SNAP スーツ編です。

ファッション業界人たちのスーツコーディネートなので、

ビジネススタイルの参考になるスーツコーディネートは少ないですが、

取り入れられるポイントもありますので、チェックしていただければと思います。

 

 

 

ダブルブレストのコットンスーツ。

 

 

 


 

今回のPITTIはコットンスーツを着た人が

 

例年以上に多かった印象です。

 


ネクタイもブラウンで全身ブラウンのコーディネートです。

 

 

このくらいのトーンであれば、夏でもブラウンを着こなすのは難しくないと思います。

 

 

足元は定番のダブルモンク。

 


 

ストラップを一つ外すテクニックも

 

今やイタリア人の定番的なテクニックになりました。

 



 

 

 

こちらもコットンのダブルブレスト。

 


 

少し濃いめのベージュが来春夏らしいトーンです。

 

 

 

シャツはデニムシャツ。

 

 

 

スーツにデニムやシャンブレーのシャツというコーディネートも

 

今回のPITTIではよく見られました。

コットンのスーツだけではなく、

ウールのスーツでもデニムやシャンブレーのシャツを合わせ、

タイドアップしたスタイルが見られました。

 

 

 

 

 

 

こちらは、モヘア混のダブルブレストスーツ。

 

 

 

 

 

 




 

シャツはブラウンと相性の良いパープル。

 

ブラウンのコーディネートは、あまり色柄を多く使わない方が、

来春夏らしいコーディネートになると思います。

因みに、このスーツ、STILE LATINO のスミズーラです。

 

 

 

 

 

 

ブラウンのグレンプレイドのスーツにブラウンのニットタイ。



 

 

 

 

 

 

 

シャツは少し色落ちしたシャンブレーシャツです。

 

コットンスーツに比べると堅い印象のスーツですが、

シャンブレーシャツとニットタイで柔らかな印象に見せてます。

Vソーンを少しスポーティーにするだけで

ウールのスーツの印象も変わります。



 

 

ベージュとライトブラウンのコーディネート。

 




 

スーツとネクタイとジレを同系色のトーンでグラデーションさせた、

 

エレガントなスーツコーディネートです。

6月のPITTIでもダブルブレストのジレを着た人を結構見かけました。

 

 

足元はタッセルスリッポン。

 

 

 

春夏はスーツにタッセルを履いた人が多いです。

 

あまり知られていませんが、イタリア人はタッセルが大好きです。

スリッポンの中で最もエレガントに見えるというのが人気の理由です。

因みに、このタッセルはおそらくオールデンです。

 

 

 

 

 

 

ブルーのダブルブレストのコットンスーツ。

 

 

 

 

 

 

 

ベージュやブラウンと並び、こんなトーンの

 

ブルーのコットンスーツを着た人も増えています。

 

 

ネクタイはワイドピッチのレジメンタルタイ。



BEAMSでもずっと定番のワイドピッチのレジメンタルタイ。

 

 

挿し色のグリーンも来春夏らしい色使いです。

足元はダブルモンクです。

 

 

 

 

 

 

先ほどベージュのコットンスーツを着ていたこの方、

 

 

 

 

 

 

この日はブルーのコットンスーツでした。



 

この日もデニムのシャツにタイドアップ。

 

ネクタイはベージュのスーツと同じくニットタイです。

今回ののPITTIではニットタイをした人が例年以上に多かった印象です。

普通のタイと違い芯地が無いので、クールビズと言う観点でも

日本でもっと取り入れられるべき定番のタイだと思います。

 

 

 

 

 

 

更に明るいブルーのスーツ。

 

 

 

 

 

 

 

足元はタッセルスリッポンです。

 

 

 

ネクタイはネイビーに白のドットのシンプルなニットタイ。

 

 

 

ベージュやブラウンと同様に、あまり色柄を使わず、

 

同系色でまとめるのが来春夏らしいスーツコーディネートです。

 

 

 

 

 



こちらは同じようなトーンのブルーでもストライプのダブルブレストです。



 

 

 

 

 


ネクタイは細いボーダーのニットタイ。

ダブルブレストのスーツでもニットタイを合わせると印象が変わります。

手持ちのスーツにニットタイを合わせるだけで、

クラシックなスーツの堅い印象が和らぎます。

 

 

足元はタッセルスリッポン。

 

 

この時期のスーツスタイルの足元は、

ダブルモンクとタッセルと言って良いほど、

タッセルスリッポンを履い人が多いです。



 

 

トレンドカラーのグリーンのスーツを着た人もいます。



 

 

「こんな色のスーツ着た人珍しいだろ」

 

と思っている方も多いと思います。

今回のPITTIでは結構いました。

イタリア人はトレンドカラーに敏感なので、

彼らにとって晴れ舞台のようなPITTIの会場では、

いち早くトレンドカラーを使ったアイテムを身に着けた人が多いです。

それだけ ”わかりやすいモノが大好き” とも言えると思います。

 

 

 

 

 

 

こちらはオリーブグリーンのコットンスーツ。

 

 

 

 

 

 




 

このくらいのトーンの方が取り入れやすいですね。

 

私が入社した当時、こんなトーンのグリーンのコットンスーツを

BEAMS F で定番的に展開していたので、

私にとっては珍しい色ではなく、懐かしい色のスーツです。

因みに、その当時のコットンスーツの生地は、

”FELICE TABASSO” (フェリス タバッソ)という

イタリアのコットンやリネンの専業メーカーの生地を使ったものでした。

マニアックな話ですみません・・・

 

 

 

 


この方もオリーブグリーンのコットンスーツ。

 

 

 

 

 




 


大柄なプリントシャツはフィッシュ柄。
なかなかこんなプリントシャツを着た人はいません。
コットンスーツをノータイでカジュアルに着る場合は、

ジャケット的なコーディネートでもいいですが、

このシャツはちょっと… です。
同じプリントシャツを合わせるのであれば、

上の画像の人のように、細かい柄のプリントシャツの方が良いと思います。

因みに、この人も足元はタッセルスリッポンです。



 

 

 

グリーンでもかなり派手なグリーンのコットンスーツ。

 

 




 

色落ちしたデニムシャツに赤いレジメンタルタイは
アメリカ的で個人的には好きですが・・・

 

 

 

足元は…

 

 


ロイヤルブルーにパープルのパイピングとタッセルのスリッポン。
チョット狙いすぎのような…
足元に派手なカラーのシューズを合わせた人は、

数年前はよく見られましたが、今はかなり少なくなっています。

このコーディネートも足元がブラウンカーフのタッセルスリッポンであれば、

かなり洒落たコーディネートだと思います。



 


カジュアルなスーツスタイルも多く見られました。




 

全身ネイビーのコーディネートです。

 

足元はスニーカーですが、

こんな感じのカジュアルなスーツスタイルも増えていました。

モード系はブラックスーツが増えていますが、

PITTIではダークネイビーの方が多い印象です。

 

 

 

 

 

この方もネイビーでまとめたコーディネート。

 

 

 

 

 


 

一見全身ネイビーのコーディネートに見えますが、

 

よく見るとスーツはジャガードのような柄が入っています。

シャツはネイビーにホワイトもピンドットのバンドカラー。

こんな感じに無地のTシャツというコーディネートはよく見ますが、

ピンドットのバンドカラーと言うのはかなり狙っていますね。

 

足元もスニーカーではなく、ホワイトヌバックのプレーントウ

 




おそらくチャーチだと思います。

コーディネートから見ると、

スニーカーを合わせないのが、

この人のこだわりだと感じられます。

 

 

 

 

ご覧のように、6月のPITTIではコットンスーツを着た人が例年以上の多かった印象です。

 

 

 

 

色は明るめのネイビーやブルー、濃いめのベージュ、ブラウン、そしてグリーンが多く、

ダブルブレストを着た人が増えているのも今回の傾向です。

デニムやシャンブレーのシャツの人気が再燃していることもあり、
これらのスーツにデニムやシャンブレーのシャツを合わせ、

ニットタイをするコーディネートも多く見られました。

 

全身イタリアンな感じでコーディネートするのではなく、

 

どこかにアメリカや英国のテイストを入れてコーディネートするのが

今の流れだと以前お伝えしましたが、

まさにPITTIでも、そのようなコーディネートが増えている印象です。

日本では春夏はクールビズが浸透したこともあり、

真夏にスーツを着る人も随分少なくなってきました。
いまの時期ビジネス的なスーツを着ている人は、

仕事上スーツを着なければならない人がほとんどだと思います。

お洒落でスーツコーディネートを楽しむには難しいシーズンですが、

タイドアップでもノータイでもさまになるコットンスーツは、

特にジャケットを良く着る方にはお勧めしたいスーツです。

ビジネス向けのスーツではありませんが、
春夏シーズンにお洒落でスーツを着たい人にはお勧めです。

デニムやシャンブレーシャツやニットタイという、

皆さんが持っていると思われるアイテムを使ってコーディネートするだけで、

今までとは違うスーツの着こなしが楽しめます。

セールも最終ですが、もしコットンスーツが残っていたら、

今のうちに手に入れておくのも良いと思います。
 

 

 

 

因みに、グリーンのコットンスーツにニットタイというコーディネートは、

 

 

 

ある人が昔着ていた印象が強いです。
 

そのある人とは、この方。


UAの鴨志田さん。

BEAMS時代、BEAMS Fのオリーブグリーンのコットンスーツに

黒いニットタイをしていた印象が強いです。

この画像もブラウンのコットンスーツにイエローのボタンダウン、

足元はタッセルスリッポンです。

さすが、分かっていらっしゃる。

鴨志田さん、ちょっと使わせてもらいました。(笑)

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PITTI SNAP ジャケット編


店頭は春夏セール終盤ですが、

私も最終の買い物で色々物色しています。(笑)

色々探していると、来年の春夏に活躍しそうなモノも多く、

購入しようか迷うモノが結構あります。


秋冬モノの入荷も始まって、色やサイズによっては既に完売というモノも出てきています。

早い時期から本当にありがとうございます。

追加オーダーをかけられるものは随時オーダーをかけていますので、

ご希望のアイテムが完売している場合はスタッフにご確認いただければと思います。


私もすでに買い逃したものがあり、ちょっと焦っています…




前回に続きPITTI SNAPです。

今回はジャケットにフィーチャーして、

今年の秋冬や来年の春夏のコーディネートのヒントなるポイントも含めて

ご紹介したいと思います。



今回もトップバッターはザンバルド氏。


秋冬のトレンドでもあるブラウン系のコーディネートです。



ジャケットはラルディーニの後染めのダブルブレスト。



かなりビンテージ風のフィニッシュです。



パンツはブラウンとホワイトのボタニカルプリント。
おそらく、Entre amis のパンツです。


足元はブラウンとグレーのコンビのジャーマントレーナー。

ジャケットがビンテージ調なのでパンツはキレイ目のプリントを合わせています。
シックなカラーでまとめても地味に見えないところがポイントです。


ブラウンは次の秋冬のトレンドカラーですが、
来年の春夏もトレンドカラーなので、

先取りコーディネートですね。
彼は元々色数をたくさん使わないコーディネートがでしたが、

時代が彼に追いついたという感じでしょうか。






同じくブラウン系のジャケット。



シャツはブラックを合わせています。

ブラウン×ブラックというコーディネートがなかなかいいです。



ジャケットはよく見るとグレンプレイドです。

ボタンもメタルボタン。
チェンジポケットも付いていて、

なかなか洒落たジャケットです。



シャツはブラックに抵抗がある方はネイビーでもいいですね。

夏にダークブラウンのジャケットは最近あまり見かけませんでしたが、

来年の春夏はもっと増えると思います。

いずれにしても、ブラウン系のカラーが注目されている事に間違いありません。






ベージュのサマーツィードのジャケットに
ブラウンのギンガムチェックのシャツ。



この人もあまり色を使わず、

ベージュ×ブラウン という同系色でまとめています。



あっさりとした色使いなので、

足首にアクセントをつけたのでしょうか・・・


プリントのスカーフ?を足首に巻いてポイントにしています。

イタリア人らしいこなしです。

靴はオールデンのコードバンプレーントウ。
現地ではストームウェルトの付いたシューズが流行っていますが、

特にこのオールデンのコードバンプレーントウを履いた人がかなり増えています。
イタリアっぽいコーディネートであっても、

全身イタリアンみたいなスタイルはアウトになっています。







こちらも秋冬のトレンドカラーであるグリーンでまとめたコーディネート。



こんな感じの深みのあるグリーンが秋冬のトレンドカラーですが、

ブラウン同様、来年の春夏もこんなトーンのグリーンがトレンドになっています。



絶妙なグリーンのグラデーション。

普通のコーディネートに見えますが、

かなりグリーンのトーンに気を使っていると思います。



足元のブラウンのリビエラのスリッポンもいいですね。






ピンクに赤のウインドウペンのジャケットに
赤のギンガムのジレ。



発色の良いカラフルなカラーが少なくなっているなか、

明るいカラーで注目されているのがレッド。



柄の大きさを考えてコーディネートしているので、

柄同士を合わせてもくどくなく、上品にまとまります。


柄×柄のお手本のようなコーディネートだと思います。



パンツをネイビーで引き締めたのも正解。


足元はダブルモンクの素足履きです。

ダブルモンクの素足履き、本当に多いです。






ネイビージャケットにグレーのパンツを合わせた、

一見ベーシックなコーディネート。



ボタンもゴールドのメタルなので、

少しカタい印象に見えます。



よく見ると、ジャケットは肩先に特徴のあるロープドショルダー、

パンツも2インプリーツのベルトレスとかなり特徴のあるディティールです。



大柄のペイズリータイとクレリックシャツというコーディネートもクラシックな印象ですが、

良く見ると、かなりアップデートされたスタイルです。



パンツは2インプリーツであってもかなりスリム。

プリーツがあった方がエレガントと言うのがクラシックの基本ですが、

シルエットは今の時代感に合わせないと古臭く見えてしまいます。

イタリア人は皆ノープリーツを穿いていると思っている方も多いと思いますが、

意外とプリーツ入りのパンツを穿いた人が多いのが実情です。


足元はジョンロブのグリーンのローファー。

色物でもカラフルなカラーを持ってこないあたりは、

”わかっているな” という感じです。






ネイビージャケットにタータンのパンツと言う、

一見セオリー通りのコーディネート。



ハットやウオレットチェーンがポイントになっている と思いますが・・・



実はネイビージャケットにポイントがあります。



良く見ると、ジャケッの生地がジャガードで細かい柄が入っています。

遠目に見ると無地ですが、近くに寄るとかなり柄がはっきり見えます。

こんな感じのネイビージャケットも来年の春夏は増えそうです。

ジャガードは今年の秋冬のトレンドなので、継続したトレンドですね。

このコーディネートとは逆の、大柄のジャケットに小柄のジャガードのパンツ

というコーディネートも多く見られました。






1月のPITTIでもチラホラ見られた、

ジャケットにGジャンというスタイル。



暑い6月のPITTIでもGジャンをジャケットのインナーに来た人を見かけました。



カジュアルなジャージジャケットの下に合わせているので

それほど違和感はありません。


袖の感じを見ると、Gジャン風のジレかもしれません。

袖を外してしまうくらいのカスタマイズは平気でやってしまうのがこの国の人たちです。

Gジャンの上にジャケットを着るというコーディネートは、

日本でも過去に流行ったことがあり、

私にとっては、かなり懐かしいコーディネートです。



足元はナイキのスニーカー。


ナイキを履いた人も本当に増えています。





一見ベーシックなコーディネートに見えますが、

ジャケットのブルーのトーンとカラフルなグリーンのマッチングが絶妙です。

これが普通のネイビージャケットだったら、

かなり野暮ったい印象になります。



パンツはベルトレスですが、この人のように

最近のイタリアではベルトをしない人も良く見かます。

ベルトレス仕様のパンツではなく、

普通のベルトループの付いたパンツにベルトをしない人が多い。

自分はしませんが、意外と違和感はありません。



靴はダブルモンクの素足履き。


このダブルモンクもストームウエルトが付いています。

細いパンツにボリュームのあるシューズと言うのが、

もはや定番的な合わせになっています。






今回のPITTIで最もインパクトのあったコーディネート。


全てのアイテムが柄です・・・

凄い・・・



ジャケットとジレはグレンプレイド、微妙に柄の大きさをずらしています。

パンツはストライプ、シャツはプリントです。

ストライプもチェックの大きさとバランスを考えてコーディネートしています。


全てのアイテムが白黒のモノトーンで、

ジャケットのウインドウペンだけがイエローというのも、

このコーディネートのポイントです。

こんなコーディネート、彼にしかできません。

さすがPASINI氏、脱帽です。(笑)


さすがに、このコーディネートでフィレンツェの街は歩けないのか、

行き帰りはブルーのジャケットでした。


これでも充分インパクトのあるコーディネートですが、

彼が着ると普通に見えます。


良く見ると、シャツがグレンプレイドのTシャツに変わっています。




いつも抜かりなし。

さすがです。




今年の秋冬は大きな変化はありませんが、

以前このブログでも書いたように、

色のトーンが少し落ちつき、

昨年のようなカラフルなカラーは少なくなっています。

その傾向は来年の春夏も継続されていて、

春夏なので色は打ち出されているものの、

トーンが落ち着いているのが傾向です。


6月のPITTIでも、流れに敏感な人たちは、

既に色を多く使わないコーディネートをする人たちが増えています。
これに関しては、今後秋冬の傾向も合わせてご紹介していきたいと思います。

”それじゃ今まで買ったキレイな色柄のジャケットは着れないの?”

という方もいらっしゃると思いますが、


ご安心ください。

そういったジャケットを今年らしく着こなせるコーディネートもご紹介していきます。

そんなことになったら、私もワードローブを全部買い換えないといけなくなりますから。(笑)











白パンを購入して、あまりにも履きやすかったので、

もう一本購入しました。





C+のライトツイル。

絶妙なトーンのグリーン。

デニムやシャンブレーのシャツと良く合います。


あまりにも自分の体形に合うので、

ブルーも買おうか迷っています。


PITTI SNAP Tシャツ編


少し前にMEN’S EXMEN’S CLUBの連載でも、

オトナのTシャツについてコメントしましたが、

先月行われたPITTI UOMOでも

昨年に増してTシャツを着たオトナ達が増えていました。

まさに今やイタリアでもオトナのTシャツブーム。

西海岸スタイルとは違うTシャツの着こなしは、

日本でも徐々に認知されつつあります。


きょうは先月行われたPITTI UOMOの会場で撮ったスナップの中から、

Tシャツのコーディネートをフィーチャーして紹介したいと思います。




すっかりスナップの常連となった Marco Zambaido氏。



ラルディー二のダブルのブレザーにクオリティーの高そうなボーダーのTシャツ。



スニーカーはスタンスミスですが、

よく見るとナイキのマークが・・・



本物はあるアーティストの作品ですが、

おそらく、それを模して自分でマジックでマークを入れたのでは・・・



胸ポケットにはレースのポケットチーフ。




カジュアルなスタイルにもチーフを欠かさないのが

実にイタリア人らしいです。




別の日のコーディネート。



ラルディーニのデニムジャケットにネイビーのTシャツ。

ホワイトパンツを合わせてネイビー×ホワイトのコーディネート。



足元は NIKE のスニーカー。


スタンスミスとバンズの陰に隠れた感がありますが、

ナイキのスニーカーも今回のPITTIでは急増していました。



この日もやはり胸ポケットにはチーフ。



シンプルなコーディネートなので、

チーフもシンプルにホワイトをTVホールドで挿したのでしょう。
無造作なようで計算されたチーフ使いだと思います。






意外と少ないVネックのTシャツ。



ジャケットはおそらくジャージ素材だと思います。

そして、この人も足元はナイキ。

ジャージやニットジャケットの場合、

腕まくりをするとカジュアルな雰囲気が増して、

Tシャツコーディネートを更にこなれた印象にします。



Tシャツはパンツの中にタックイン・・・



我々日本人にとっては完全にアウトですが、

現地に行くとポロシャツのタックインも含め

意外と多く見られます。

イタリア人は日本人のようにアメカジを通ってきていないので、

裾に関しては意外と無頓着な人が多いです。

着丈の長さと共に気になるところです。






ニットジャケットにTシャツというリラックス感のあるコーディネート。


パンツもおそらくジャージ素材だと思います。

全身をブルーでまとめたコーディネート。

微妙にブルーのトーンをずらしています。



靴はスエードのエスパドリーユ。



このままリゾートに行けそうなコーディネートです。



ジャケットにTシャツというコーディネートに抵抗のある人は、

ニットジャケットやシャツジャケットとコーディネートすると

意外と抵抗なく着られます。


このTシャツ、インディゴ染め風で
胸ポケットも少し凝った感じです。

もしかすると日本のブランドかもしれません。






ザンバルド氏と同じくスナップの常連のこの方は、

ホワイトTとホワイトパンツにベージュのジャケットと、

極力色を使わないシンプルなコーディネート。


裾やベルトのこなし、ジャケットの腕まくりなど、

単調に見えがちなシンプルな色づかいのコーディネートを

着こなしのテクニックで格上げしています。

一見無造作なコーディネートに見えますが、

本人はかなり計算していると思います。



足元はタッセルスリッポン。




PITTI の会場では、ローファーよりタッセルを履いた人の方が圧倒的に多いです。
スリッポンの中でタッセルが最も上品に見えるからではないかと思います。
カジュアルなコーディネートを少し引き締める効果があると思います。



腕に巻いたアクセサリーも重要です。


手首にアクセサリーのぐるぐる巻きも、

もはや一般的になりました。

この色使いで袖まくりをして何もアクセサリーが無いと

逆に寂しい感じです。






ストライプジャケットにボーダーT。


一見ミスマッチ風ですが、

ストライプとボーダーの幅が大きく違うので、

意外としっくりまとまっています。


足元はチャーチのシャンガイ。


2、3年前に大ブレークしたので、

すでに過去のモノと思う方も多いと思いますが、

未だにこのデザインのシューズを履いた人が多いです。
実は現地では根強い人気があります。
日本ではあまり見かけなくなりましたが、

逆に今のスタイルには良く合うシューズだと思います。



この方も胸ポケットにはポケットチーフ。



無造作に挿しているようですが、

素材や柄など結構気を使っていると思います。





ジャケットだけでなく、ジレにTシャツというスタイルも多いです。


ストライプのパンツはウエストにドローコードの入ったリラックスパンツ風。

こんな感じのドローコード入りのパンツはかなり増えていました。



足元はスタンスミス。


パンツの色に合わせてヒールのパッチはレッドです。



ドローコードのパンツにTシャツの裾をタックインは無いかなと・・・


イタリアはTシャツがブームですが、

日本人やアメリカ人に比べると

色々な意味でTシャツの着方に対するベースが

できていないように感じます。






そして、BEAMS 代表はこのオトコ。


BRILLAのアシスタントバイヤーの高田です。


我々の部署では最もTシャツが似合うオトコで、

早くからジャケットにTシャツというコーディネートを

実践してきたスタッフです。





Tシャツを着こなすポイントはフィッティングは言うまでもなく、

やはり着丈のバランスは非常に重要だと思います。
イタリアで見るTシャツは総じて着丈が長い人が多い。


イタリア人は日本人のようにアメカジを通ってきていないので、
若い頃にTシャツを着てこなかったことも影響していると思います。


元々、イタリアは洋服に関しては英国の影響が強かった事もあり、

カジュアルなシャツはTシャツよりポロシャツが一般的でした。

今でも60過ぎの人たちの中では、襟の無いシャツを街でで着るものでは無い

という考えが根強くあるようです。


そんな背景もあり、いまイタリアはTシャツブームですが、

色々な部分で着こなしが?な人が多いのも事実です。

いま来年の春夏の展示会のピークですが、
ニットやカットソーブランドだけでなく、

シャツブランドでもTシャツを展開しているところもあります。


来年もTシャツの流れは確実に続くと思いますが、

バイイングする立場の者としては、

プライスとクオリティーのバランス、

フィッティングや着丈のバランス、

着た時のネックの開き具合など、

結構チェックしなければならないポイントが多く、

なかなか理想に合うものが少ないというのも事実です。

そんなこともあり、Tシャツでもかなりモディファイをかけるので、

サプライヤーも私たちも結構大変です。

単価が安いモノでもカジュアルなものでも手を抜かない。

それがBEAMSのアイデンティティーなので、
嫌がられながら何度もサンプルを作り、チェックを繰り返します。

ギブアップされたことも過去には何度もありますが、

来年の春夏はなかなかいいモノが出来そうな感触です。





と言うことで・・・


私も先日MEN’S CLUB の誌面でTシャツスタイルを初披露。



似合っていなかったら見なかったことにしてください。(笑)
























MEN’S EX 連載 8月号


MEN'S EX 8月号が発売されました。







私の連載、”中村達也の今、買いのアイテム”




今回のテーマは、”NEXTトレンド 先取り大速報” です。


店頭は春夏のセールと同時進行で秋冬商品の入荷が始まっていますが、


次の秋冬のトレンドから、必修トピックを先行解説しています。







まずは、今年の秋冬のキーカラーであるブラウン







こんな感じでPITTI UOMOやミラノのショールームを見ても、


秋冬は多くのサプライヤーがブラウンを打ち出していることが分かります。


昨年はベージュやキャメルがブラウン系ではトレンドカラーでしたが、


今年の秋冬はタバコやダークブラウンなど、


”濃いブラウン系” のカラーがトレンドです。






私も秋冬はブラウン系のジャケットが着たい気分です。




と言うことで・・・

このジャケット予約しました。


”ERNESTO” のブラウンチェック。

オーダーした時から一目ぼれでした。(笑)






そして、イタリアの定番カラー、ネイビーもトレンドカラーとして浮上。





ミッドナイトネイビーやダークネイビーなど、


濃いトーンのネイビーが久々に注目されています。


全身ネイビーというコーディネートも多く見られました。






デニムやシャンブレーのシャツが復活しています。






無地だけではなく、プリントやジャガードやチェックなど、


バリエーションも更に広がっています。


デニムやシャンブレーのシャツのタイドアップも多く見られました。





そして、このシャツを予約しました。




”ORIAN” のデニムディヴィジョンのプリントシャツ。


シャンブレーに小紋のプリントが施されています。

生地は厚くないので、今すぐに着られるシャツです。

入荷が待ち遠しいです。







チェックで最も注目されている柄はタータンチェック




数年前に提案された新しい感覚のタータンではなく、


リアルタータンかそれに近いタータンチェックが今年のトレンドです。


中でもブラックウォッチは最も注目の柄。

ブラックウォッチをテーマにするブランドもあるほどで、


多くのアイテムでブラックウォッチが使われていました。





今年の秋冬のブラックウォッチはコレを購入しようと思っています。




”TAGLIATORE” のブラックウォッチのダブルチェスター。


ハリスツイードの中で最も軽い、


スーパーファインというクオリティーで別注した


BEAMS エクスクルーシブファブリックのコートです。


ハリスツイードのドライな風合いを保ちながら、


重さを感じさせない、快適な着心地のコートです。






素材で注目されているのが、ジャガード






今年の春夏でも一部のパンツブランドで展開されていたジャガード。


秋冬はパンツだけでなく、ジャケットやスーツやコートでも使われています。


特にパンツは、どのブランドでもジャガードのパンツを展開していて、


明確なトレンド素材と言えます。







春夏も人気だったメタルボタン。


秋冬はメタルボタンづかいが更に広がっています。





ジャケットだけでなく、ニットやコートにもメタルボタンづかいが広がっています。


アンティーク調のメタルボタンはシルバーだけでなく、


ゴールドも増えています。


因みに、上のブラックウォッチのコートも購入後、


シルバーのメタルボタンに交換しようと思っています。






今回掲載されたのは秋冬のトレンドの代表的なモノなので、


まず最初に読者の皆さんに押さえておいていただきたい傾向です。


これ以外にも、まだまだ大小含めて様々な傾向がありますので、


追ってブログや誌面でご紹介したいと思います。



連日の猛暑で秋冬どころでないという方も多いと思いますが、


既に予約で完売なんていうモノも出てきています。


私も買おうと思っていたジャケットが既にマイサイズ完売・・・

慌てて追加オーダー分で予約を入れました。



春夏のセールを買いながら、秋冬モノの予約を入れています。

そして、来年の春夏のオーダーで毎日展示会まわり。



この仕事、本当に洋服が大好きでないと勤まりません。(笑)










先日追加オーダー分が入荷したこの靴。





初回入荷分はあっと言う間の完売で、


やっと追加分が入荷しました。



グレーとライトブラウンの2色持っていますが、


春夏かなり重宝してヘビーローテーションで履いています。



ネイビーも絶妙なカラーです。



3色買いするしかないかなと思っています。


それにしてもこの靴、本当に履きやすいです。

イタリア出張で一日歩き回っても全く苦になりません。

フランスの靴でこんな履きやすい靴は初めてです。













ダブルモンク 素足履き


先月の28日にイタリア出張から戻ったばかりなのに、


翌週の木曜日から2泊3日で香港出張。



時差ボケも完全に戻らないままの出張でしたが、香港は既に真夏。


暑さと湿気と人の多さで体力的にはかなりきつかったのですが、


3日間でほぼ香港の全てのエリアのリサーチをこなしました。



我々が扱うようなジャンルの服や靴もチラホラあるのですが、


圧倒的に有名ブランドのショップが多く、


それらのショップは香港の人たちというよりは、


中国本土からの観光客であふれ、


人気のブランドは入場制限をしているほどです。


20年ほど前に欧米のブランドショップに日本人が押し寄せて、


ブランドモノを買いあさっていた頃の光景とよく似ています。



いずれにしても、フィレンツェ、ベネチア、ミラノからの香港は、


かなりギャップがありました。(笑)



今回は前回に続き、PITTI UOMO で見られる足元事情?についてです。






夏のレザーシューズと言えばスリッポンがすぐにイメージされます。


確かに、イタリアでも夏のレザーシューズと言えば、


ローファーやタッセル、ドライビングシューズなどが定番で、


最近はベルジャンシューズやルームシューズなども加わり、


スリッポンを履いた人が多いのは、ここ数年変わりません。



そんな中、スリッポン以外で多く見かけるのがダブルモンク。


6月のPITTI UOMOの会場では、


昨年あたりから素足にダブルモンクを履いた人たちをよく見かけます。





ジャケットスタイルではこんな感じです。














同じジャケットスタイルでも、タイドアップにダブルモンクの素足履き


というスタイルも見られます。











そして、スーツスタイルにもダブルモンクの素足履き。






こんな感じで、今やダブルモンクをスリッポン感覚で履くスタイルがかなり浸透しています。





ここ数年、新しいドレスシューズのトレンドがなかなか出てこないなか、


継続的に安定した人気があり、多くの人たちに支持されているのがダブルモンク。



1年を通して履くことができ、ジャケットにもスーツスタイルにも合わせやすく、


オックスフォードのドレスシューズと比較しても堅く見えないのも人気の理由だと思います。



日本でも10数年前にU-TIPが人気だったことがありますが、


その時もジャケットやスーツに合わせられて、


デニムやチノパンにも合わせられるという、


使いやすさが人気の理由でしたが、


その感覚に近いものがあると思います。



それにしても、ドレスシューズを素足で穿くという感覚も


イタリアンクラシックがブームの頃は考えられなかったことです。



ジャケットやスーツを着た人たちは真夏でも皆ホーズを穿いていた時代、


スリッポンでもホーズを穿く人たちの方が圧倒的に多く、


スニーカーでもホーズを穿くことが珍しくない、


そんな時代でした。






スーツスタイルにドレスシューズを素足履きなどというスタイルが非常識であったその当時、


フィレンツェのテーラー、リベラーノで仕立てスーツにドレスシューズを素足で穿く洒落モノがいました。



その人は、イタリアの高級カシミアブランド ” MALO”(マーロ)の創業者で、


後に”BALLANTYNE CASHMERE” (バランタイン カシミア) の会長にもなった、


”ALFREDO CANESSA” (アルフェレッド カネッサ)



ウェルドレッサーであったカネッサ氏の計算された ”ハズシ” だったのだと思いますが、


私自身、彼のエレガントなスーツスタイルにドレスシューズの素足履きは、


当時は全く理解できないスタイルでした。



時は流れ、今やそのスタイルも全く違和感を感じなくなった今、

クラシックスタイルも時代とともに変化し、進化していくものだと、


PITTI UOMO に来る人たちのスタイルの変化を見ると、


改めて感じることが多くなっています。





日本でも人気のダブルモンク、すでにお持ちの方も多いと思いますが、


今年の夏はスリッポン代わりに素足で履いてみてはいかがでしょうか。















ダブルモンクと言えば・・・


新作でこんなダブルモンクが入荷しました。















なかなかのできばえ・・・


高級なインポートシューズに見えませんか?





実はこのダブルモンク・・・



”BEAMS F MADE IN JAPAN”


BEAMS F のオリジナル。


グッドイヤーウェルトで¥42,120-(税込)。

インポートと遜色ないルックスとクオリティー。



ご興味のある方は、是非店頭でご試着ください。




















STAN SMITHとVANS


先週の土曜日に帰国しました。


昨日は時差ボケで体調は最悪。


きょうは幾分持ち直しましたが、

まだ眠りが浅く、体が少し重い感じです。



今年はフィレンツェもミラノも例年になく涼しかったので、


昨年の40度近い暑さを経験している私たちにとっては、


スケジュールは毎日フルアポイントでしたが、


体力的には幾分楽でした。




いつものように大きな変化は無かったのですが、


小さな変化はいくつもありました。


これを見逃さないことが重要ですが、


今回もきっちりと傾向を見極めることができたと思います。



実を言うと、クリエイティブ ディレクターとしては、


この小さな変化を見抜くというのが結構プレッシャーでもあります。(笑)




今回は来年の春夏を待たずに、真夏に向けて取り入れられる、


イタリア出張で見られたスニーカー事情に関してです。



今回のPITTI UOMOで最も多く見られたスニーカーが、


STAN SMITHVANS


この流れは今の日本のスニーカー事情と同じですが、


イタリアの場合はカジュアルスタイルだけでなく、


ジャケットスタイルに合わせている人が多く、


履いている人たちの年齢層も高いのが日本との違いでしょうか。




今回のPITTIでは、とにかく STAN SMITH を履いた人たちが多かったです。


これは数年前 LA TRAINER が流行った頃の状況と似ています。









STAN SMITH、私的にはかなり懐かしい感じです。



私が大学生の頃にSTAN SMITHとCUNTRY が大流行した時期があったので、


私と同世代でファッションに興味のあった人たちにとっては、


一度は履いたことのある定番スニーカーだと思います。



今でも当時のフランス製のSTAN SMITH を持っています。


もちろん、ボロボロで履ける状態ではないですが、


捨てられずに屋根裏に保管してあります。



こんな STAN SMITH を履いた人もいました。



画像が小さくてわかりにくいですが、


良く見るとナイキのマークが入っています。


カスタマイズでパンチングを開けたのか、


ペイントでマークを入れたのか分かりませんが、


カスタマイズとしては洒落が利いていて、


なかなか良いアイデアです。





そして、STAN SMITH風のスニーカーも結構見られました。





イタリアではカジュアルなスタイルもクリーンな方向に向かっているので、


シンプルでクリーンなイメージのSTAN SMITH がオトナ達に人気なのも


自然な流れかもしれません。




そして、昨年あたりからイタリアでも人気急上昇のVANS。


もちろんVANSを履いた人は昨年より更に増えていて、


完全にオトナのスニーカーとして認知されています。



そして、VANSの人気を物語るのは、


VANS風のスニーカーがかなり増えていることです。













ご覧のように、多くのブランドがVANS風のスニーカーを展開していました。


値段はおそらくVANSより高く、ブランドによってはレザーシューズ並みの値段のモノもあります。



イタリアではVANSも結構高く、定番モデルでも日本円で1万円近くします。


VANSを買うなら絶対日本で買った方がいいですね。



私も最近は休日にVANSのネイビーのスリッポンをよく履いていますが、


こんなスニーカーも気になっています。




OCEANSの6月号でも紹介されている


”buddy × B:MING LIFE STORE” のスエード スリッポン。


デニムのようなカラーがかなりそそります。


でも、まだ実物を見ていません。


ビーミングライフストアーでしか展開していないので、


近々吉祥寺のビーミングライフストアーへチェックしに行こうと思っています。



因みに、このスニーカー3色展開です。


ご興味のある方はこちらをご覧ください。


http://shop.beams.co.jp/shop/bming/goods.html?gid=3616054




そして、オリジナルレーベルのBRILLA PER IL GUST でも

秋冬はこんなオリジナルのスニーカーを展開しています。







上はフランネル、下はスエードです。


ジャケットスタイルに合わせられるオトナのスニーカーです。


9月頃の入荷なので、ご興味のある方は是非チェックしてください。





時差ボケも解消していないのに木曜日から香港出張です。


現地は日本の真夏並みの暑さです。


リサーチで歩きまわらなければならないので、

VANSのスリッポンを持って行こうと思っています。









ミラノのあるショールームにあった FIAT 500。





よく見ると・・・



ボディーがグレンプレイドでルーフがチョークストライプ。


イタリア人らしいカスタマイズです。



日本でも最近ボディー用のラップフィルムを施した車を見かけますが、


こんな柄のラップフィルムがあるのであれば、


安い中古車を買ってカスタマイズするのもいいですね。











ミラノショールーム ALTEA


ミラノに来てから毎日朝から晩までショールームまわりです。

フィレンツェからずっと涼しいので、体力的には例年に比べて少し楽な感じもします。

今年のイタリアは夏が来るのが遅いようで、私も持ってきたリネンのシャツを着る機会が全くありません。


今日もアポイントは7ブランド。
そんな中、数年振りに訪問したショールームがあります。

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それは、ALTEAのショールーム。


元々アルテアはネクタイメーカーでしたが、数年前にトータルブランドへと方向転換し、今ではPITTI UOMOでもいつもブースが賑わっていて、勢いを感じさせるブランドです。


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メインディスプレイはPITTIのブースと同じデニムのアイテムを使ったディスプレイ。


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デニムのジャケットやシャツ、ニット、カットソー、スニーカーと、かなりデニムやインディゴカラーを推していました。


それにしても、今回は本当にデニムやシャンブレーなどのインディゴカラーのアイテムの提案が多いです。


来年の春夏はデニムやインディゴカラーは外せないトレンドだと思います。


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ジャガードや2色使いのプリントのアイテムのバリエーションも多いです。


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ブラウン系のカラーやグリーン、レッドなど、トレンドカラーをしっかり押さえたコレクションでした。


このアルテアのショールーム。
豊富なアイテムや色柄のバリエーションも魅力ですが、もうひとつも魅力はインテリア。

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北欧の有名デザイナーによるインテリアは、まるでアートギャラリーのようです。


こんなショールームでコレクションを見ていると、思わずたくさんオーダーしたくなりますが、そこは冷静にアイテムチェックして最低限のオーダーだけして、日本で再度チェックをするという、いつもの我々の慎重なバイイングスタイルは崩しません。(笑)


PITTI UOMOのブースは、トレンドがわかりやすい打ち出しとディスプレイで、毎回必ずチェックしなければならないブースですが、ミラノのショールームは更にそれを強く感じさせるショールームです。


最近ミラノのショールームの移転が相次いでいますが、中には内装やインテリアが?になってしまうブランドも少なくありません。


大体そういったブランドは、ブランド自体にも魅力が無くなっているケースが多いです。


今回もそういったブランドがありました。どこのブランドかは言えませんが•••


明日は出張最終日。
夕方のフライトなので、ギリギリまでショップリサーチをします。


ランチは日本食にしようと思います。
イタリアン好きのわたしでも、さすがに辛くなってきました。


パンやパスタが見たくなくなってきました。(笑)


















ミラノショールーム スティレ ラティーノ


きのうは最後のアポイントだったあるブランドのコレクションがいまひとつで、かなりテンションが下がっていましたが、きょうはミラノのオーダーで最も楽しみなスティレラティーノのオーダーでした。


もし、これもコケてしまったらテンションも相当下がってしまうところでしたが、結果的には近年で最も良いコレクションでした。


オーダーした生地はお見せできませんが、ショールームのサンプルを少しお見せします。

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ジャケットはサマーツイードを中心にトレンドの色柄をしっかり押さたコレクション。エクスクルーシブの生地もたくさんありました。


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スーツは少し濃いめのベージュのリネンやコットンのスーツと、ブラウン系、ネイビー系のスーツを打ち出していました。

一見地味な感じに見えますが、生地にウオッシュをかけたり、組織に変化があったり、他のブランドにはない絶妙なトーンだったりと、スティレラティーノらしいコレクションでした。


ヴィンチェンツォも来年の春夏の生地で仕立てたスーツを着ていました。

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ライトグレーのシャークスキンにサックスブルーのウィンドウペーンのスーツをノータイで。


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チーフはおそらく英国製のペイズリープリント。このあたりがナポリらしいです。


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ボタンはスーツでもブルーの貝ボタン。プレタでも裏地やボタンのセンスが良いのがこのブランドの特徴でもあります。


と思っていたら...

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こんな裏地も作っていました。(笑)


そして、スティレラティーノのファンにはたまらない別注企画のミーティングも行いました。

もちろん、内容はまだ言えません。(笑)


今日はスティレラティーノ以外にもニットやシャツなど、良いオーダーが出来たので充実した一日でした。

朝10:00からスタートして20:00過ぎまでショールームをまわり、ショールームから直接会食のあるレストランへ直行、12:00過ぎからブログを書いて、もう深夜の2:00を過ぎました。


もう限界です•••

風呂に入って寝ます。








ベネチア


PITTI UOMO が終わり、週末はベネチアに行ってきました。

20年以上イタリアに行っていますが、実は初ベネチアです。

同じベネト州でも、オリアンのあるヴィチェンツァやベルベストのあるパドヴァには行ったことがあるのですが、ベネチアには行く機会は無く、やっと今回行くことができました。

ベネチア本島は人も多く落ち着かないという地元イタリア人のアドバイスもあり、リド島に滞在することになり、そこから周辺の島や本島にモトスカーフィと言われる水上タクシーで行くことにしました。


リド島のホテルまでは水上タクシーで約20分。

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クラシックで趣のあるホテルです。

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ホテルの前はビーチが広がっています。


まだシーズン前なので、週末でも宿泊客は少なく、ゆったりとした雰囲気です。


土曜日は、まずレースの産地としても有名なブラーノ島へ。

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鮮やかなカラーの家は、昔霧が出ても島の位置が分かるようにカラフルに塗られ、それが今に受け継がれているそうです。

青い空にカラフルなカラーが映えて素晴らしい景観です。

ブラーノ島でランチを食べ、ベネチア本島へ。

まず最初に行ったのは、今回アテンドをしてくれたイタリア人がオーナーのアートギャラリーへ。

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ベネチアなので、ほとんどがガラスを使った作品です。

日本人デザイナーの作品もあります。


アートギャラリーを見た後は街をリサーチ。

日本でも名の知れたブランドを扱うセレクトショップが数軒ありますが、品揃えはいまひとつであまり参考になりません。

それでも、小さなショップで見つけたパイルのストライプジャケットをチェック。

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素材感と少しベージュがかったホワイトと淡いネイビーのトーンが絶妙。

ブランドタグを見ても聞いたこともないブランド。

正直に店員さんにどこで作っているのか聞いてしっかりチェック。

後日取引先のイタリア人に聞いて情報を集めようと思います。

当然観光名所もチェックしました。(笑)

それにしてもベネチアは本当に観光客が多い街です。


日曜日はホテルをチェックアウトしてベネチアングラスとアートの島としても有名なムラーノ島へ。

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アテンドをしてくれたイタリア人のオフィスとアトリエとアートギャラリーを訪問。

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アートに疎い私にも丁寧に説明してくれてなにか申し訳ない気分。

アートに詳しい人であれば、たまらない場所だと思います。

今回は2泊という短い期間でアートに触れ、リサーチをし、観光名所も見ることができました。

ベネチアは交通機関が船しかないので、個人旅行ではこれほど効率良くスケジュールを組むことはできないでしょう。

ベネチアは素晴らしい街ですが、反面交通のシステムが難しいというのが正直な印象です。

明日からミラノでの仕事が始まります。

木曜日まで毎日ショールームまわり。

傾向など、またご報告します。