ダブルモンク 素足履き
先月の28日にイタリア出張から戻ったばかりなのに、
翌週の木曜日から2泊3日で香港出張。
時差ボケも完全に戻らないままの出張でしたが、香港は既に真夏。
暑さと湿気と人の多さで体力的にはかなりきつかったのですが、
3日間でほぼ香港の全てのエリアのリサーチをこなしました。
我々が扱うようなジャンルの服や靴もチラホラあるのですが、
圧倒的に有名ブランドのショップが多く、
それらのショップは香港の人たちというよりは、
中国本土からの観光客であふれ、
人気のブランドは入場制限をしているほどです。
20年ほど前に欧米のブランドショップに日本人が押し寄せて、
ブランドモノを買いあさっていた頃の光景とよく似ています。
いずれにしても、フィレンツェ、ベネチア、ミラノからの香港は、
かなりギャップがありました。(笑)
今回は前回に続き、PITTI UOMO で見られる足元事情?についてです。
夏のレザーシューズと言えばスリッポンがすぐにイメージされます。
確かに、イタリアでも夏のレザーシューズと言えば、
ローファーやタッセル、ドライビングシューズなどが定番で、
最近はベルジャンシューズやルームシューズなども加わり、
スリッポンを履いた人が多いのは、ここ数年変わりません。
そんな中、スリッポン以外で多く見かけるのがダブルモンク。
6月のPITTI UOMOの会場では、
昨年あたりから素足にダブルモンクを履いた人たちをよく見かけます。
ジャケットスタイルではこんな感じです。
同じジャケットスタイルでも、タイドアップにダブルモンクの素足履き
というスタイルも見られます。
こんな感じで、今やダブルモンクをスリッポン感覚で履くスタイルがかなり浸透しています。
ここ数年、新しいドレスシューズのトレンドがなかなか出てこないなか、
継続的に安定した人気があり、多くの人たちに支持されているのがダブルモンク。
1年を通して履くことができ、ジャケットにもスーツスタイルにも合わせやすく、
オックスフォードのドレスシューズと比較しても堅く見えないのも人気の理由だと思います。
日本でも10数年前にU-TIPが人気だったことがありますが、
その時もジャケットやスーツに合わせられて、
デニムやチノパンにも合わせられるという、
使いやすさが人気の理由でしたが、
その感覚に近いものがあると思います。
それにしても、ドレスシューズを素足で穿くという感覚も
イタリアンクラシックがブームの頃は考えられなかったことです。
ジャケットやスーツを着た人たちは真夏でも皆ホーズを穿いていた時代、
スリッポンでもホーズを穿く人たちの方が圧倒的に多く、
スニーカーでもホーズを穿くことが珍しくない、
そんな時代でした。
スーツスタイルにドレスシューズを素足履きなどというスタイルが非常識であったその当時、
フィレンツェのテーラー、リベラーノで仕立てスーツにドレスシューズを素足で穿く洒落モノがいました。
その人は、イタリアの高級カシミアブランド ” MALO”(マーロ)の創業者で、
後に”BALLANTYNE CASHMERE” (バランタイン カシミア) の会長にもなった、
故”ALFREDO CANESSA” (アルフェレッド カネッサ)。
ウェルドレッサーであったカネッサ氏の計算された ”ハズシ” だったのだと思いますが、
私自身、彼のエレガントなスーツスタイルにドレスシューズの素足履きは、
当時は全く理解できないスタイルでした。
時は流れ、今やそのスタイルも全く違和感を感じなくなった今、
クラシックスタイルも時代とともに変化し、進化していくものだと、
PITTI UOMO に来る人たちのスタイルの変化を見ると、
改めて感じることが多くなっています。
日本でも人気のダブルモンク、すでにお持ちの方も多いと思いますが、
今年の夏はスリッポン代わりに素足で履いてみてはいかがでしょうか。
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