PITTI SNAP スーツ編 | ELEMENTS OF STYLE

PITTI SNAP スーツ編

 

今週末からイタリアがバカンスに入るので、

 

展示会の追い込みで毎日猛暑の中歩き回っています。

 

この時期は梅雨明けと同時にジャケットやスーツを着なくなるので、

 

シャツ一枚で展示会まわりをしています。

それが自分なりのクールビズの決め事なのですが、

それでも大汗をかくので、この時期仕事でスーツを着なければならない

ビジネスマンの方の苦労を身に染みて感じます。

 

仕事柄、電車の中や街でビジネスマンの方の格好を気にしてチェックしているのですが、

 

スーツを着た人でもノーネクタイの人が非常に多いです。
まあ、今や東京の夏は亜熱帯と変わらないと言われているので、

その是非を問う前に、体調管理の面からも仕方が無いことだと思います。
特に営業職で一日中猛暑で歩き回らなければならない方は、

スーツにタイドアップでは、熱中症にもなりかねません。

 

来客や商談があるときだけ上着を着たり、

 

ネクタイを締めたりすると聞きますが、
個人的にはそのような対応で良いのではないかと思います。

 

要は、クールビズだからと言ってなんでもOKと言うのではなく、

 

自分なりに決め事を作って、ビジネスシーンにおいて不快感を与えず、
仕事に支障をきたさないスタイルを心がけるという事が重要なのではないかと思います。

前置きが長くなりましたが、今回はPITTI SNAP スーツ編です。

ファッション業界人たちのスーツコーディネートなので、

ビジネススタイルの参考になるスーツコーディネートは少ないですが、

取り入れられるポイントもありますので、チェックしていただければと思います。

 

 

 

ダブルブレストのコットンスーツ。

 

 

 


 

今回のPITTIはコットンスーツを着た人が

 

例年以上に多かった印象です。

 


ネクタイもブラウンで全身ブラウンのコーディネートです。

 

 

このくらいのトーンであれば、夏でもブラウンを着こなすのは難しくないと思います。

 

 

足元は定番のダブルモンク。

 


 

ストラップを一つ外すテクニックも

 

今やイタリア人の定番的なテクニックになりました。

 



 

 

 

こちらもコットンのダブルブレスト。

 


 

少し濃いめのベージュが来春夏らしいトーンです。

 

 

 

シャツはデニムシャツ。

 

 

 

スーツにデニムやシャンブレーのシャツというコーディネートも

 

今回のPITTIではよく見られました。

コットンのスーツだけではなく、

ウールのスーツでもデニムやシャンブレーのシャツを合わせ、

タイドアップしたスタイルが見られました。

 

 

 

 

 

 

こちらは、モヘア混のダブルブレストスーツ。

 

 

 

 

 

 




 

シャツはブラウンと相性の良いパープル。

 

ブラウンのコーディネートは、あまり色柄を多く使わない方が、

来春夏らしいコーディネートになると思います。

因みに、このスーツ、STILE LATINO のスミズーラです。

 

 

 

 

 

 

ブラウンのグレンプレイドのスーツにブラウンのニットタイ。



 

 

 

 

 

 

 

シャツは少し色落ちしたシャンブレーシャツです。

 

コットンスーツに比べると堅い印象のスーツですが、

シャンブレーシャツとニットタイで柔らかな印象に見せてます。

Vソーンを少しスポーティーにするだけで

ウールのスーツの印象も変わります。



 

 

ベージュとライトブラウンのコーディネート。

 




 

スーツとネクタイとジレを同系色のトーンでグラデーションさせた、

 

エレガントなスーツコーディネートです。

6月のPITTIでもダブルブレストのジレを着た人を結構見かけました。

 

 

足元はタッセルスリッポン。

 

 

 

春夏はスーツにタッセルを履いた人が多いです。

 

あまり知られていませんが、イタリア人はタッセルが大好きです。

スリッポンの中で最もエレガントに見えるというのが人気の理由です。

因みに、このタッセルはおそらくオールデンです。

 

 

 

 

 

 

ブルーのダブルブレストのコットンスーツ。

 

 

 

 

 

 

 

ベージュやブラウンと並び、こんなトーンの

 

ブルーのコットンスーツを着た人も増えています。

 

 

ネクタイはワイドピッチのレジメンタルタイ。



BEAMSでもずっと定番のワイドピッチのレジメンタルタイ。

 

 

挿し色のグリーンも来春夏らしい色使いです。

足元はダブルモンクです。

 

 

 

 

 

 

先ほどベージュのコットンスーツを着ていたこの方、

 

 

 

 

 

 

この日はブルーのコットンスーツでした。



 

この日もデニムのシャツにタイドアップ。

 

ネクタイはベージュのスーツと同じくニットタイです。

今回ののPITTIではニットタイをした人が例年以上に多かった印象です。

普通のタイと違い芯地が無いので、クールビズと言う観点でも

日本でもっと取り入れられるべき定番のタイだと思います。

 

 

 

 

 

 

更に明るいブルーのスーツ。

 

 

 

 

 

 

 

足元はタッセルスリッポンです。

 

 

 

ネクタイはネイビーに白のドットのシンプルなニットタイ。

 

 

 

ベージュやブラウンと同様に、あまり色柄を使わず、

 

同系色でまとめるのが来春夏らしいスーツコーディネートです。

 

 

 

 

 



こちらは同じようなトーンのブルーでもストライプのダブルブレストです。



 

 

 

 

 


ネクタイは細いボーダーのニットタイ。

ダブルブレストのスーツでもニットタイを合わせると印象が変わります。

手持ちのスーツにニットタイを合わせるだけで、

クラシックなスーツの堅い印象が和らぎます。

 

 

足元はタッセルスリッポン。

 

 

この時期のスーツスタイルの足元は、

ダブルモンクとタッセルと言って良いほど、

タッセルスリッポンを履い人が多いです。



 

 

トレンドカラーのグリーンのスーツを着た人もいます。



 

 

「こんな色のスーツ着た人珍しいだろ」

 

と思っている方も多いと思います。

今回のPITTIでは結構いました。

イタリア人はトレンドカラーに敏感なので、

彼らにとって晴れ舞台のようなPITTIの会場では、

いち早くトレンドカラーを使ったアイテムを身に着けた人が多いです。

それだけ ”わかりやすいモノが大好き” とも言えると思います。

 

 

 

 

 

 

こちらはオリーブグリーンのコットンスーツ。

 

 

 

 

 

 




 

このくらいのトーンの方が取り入れやすいですね。

 

私が入社した当時、こんなトーンのグリーンのコットンスーツを

BEAMS F で定番的に展開していたので、

私にとっては珍しい色ではなく、懐かしい色のスーツです。

因みに、その当時のコットンスーツの生地は、

”FELICE TABASSO” (フェリス タバッソ)という

イタリアのコットンやリネンの専業メーカーの生地を使ったものでした。

マニアックな話ですみません・・・

 

 

 

 


この方もオリーブグリーンのコットンスーツ。

 

 

 

 

 




 


大柄なプリントシャツはフィッシュ柄。
なかなかこんなプリントシャツを着た人はいません。
コットンスーツをノータイでカジュアルに着る場合は、

ジャケット的なコーディネートでもいいですが、

このシャツはちょっと… です。
同じプリントシャツを合わせるのであれば、

上の画像の人のように、細かい柄のプリントシャツの方が良いと思います。

因みに、この人も足元はタッセルスリッポンです。



 

 

 

グリーンでもかなり派手なグリーンのコットンスーツ。

 

 




 

色落ちしたデニムシャツに赤いレジメンタルタイは
アメリカ的で個人的には好きですが・・・

 

 

 

足元は…

 

 


ロイヤルブルーにパープルのパイピングとタッセルのスリッポン。
チョット狙いすぎのような…
足元に派手なカラーのシューズを合わせた人は、

数年前はよく見られましたが、今はかなり少なくなっています。

このコーディネートも足元がブラウンカーフのタッセルスリッポンであれば、

かなり洒落たコーディネートだと思います。



 


カジュアルなスーツスタイルも多く見られました。




 

全身ネイビーのコーディネートです。

 

足元はスニーカーですが、

こんな感じのカジュアルなスーツスタイルも増えていました。

モード系はブラックスーツが増えていますが、

PITTIではダークネイビーの方が多い印象です。

 

 

 

 

 

この方もネイビーでまとめたコーディネート。

 

 

 

 

 


 

一見全身ネイビーのコーディネートに見えますが、

 

よく見るとスーツはジャガードのような柄が入っています。

シャツはネイビーにホワイトもピンドットのバンドカラー。

こんな感じに無地のTシャツというコーディネートはよく見ますが、

ピンドットのバンドカラーと言うのはかなり狙っていますね。

 

足元もスニーカーではなく、ホワイトヌバックのプレーントウ

 




おそらくチャーチだと思います。

コーディネートから見ると、

スニーカーを合わせないのが、

この人のこだわりだと感じられます。

 

 

 

 

ご覧のように、6月のPITTIではコットンスーツを着た人が例年以上の多かった印象です。

 

 

 

 

色は明るめのネイビーやブルー、濃いめのベージュ、ブラウン、そしてグリーンが多く、

ダブルブレストを着た人が増えているのも今回の傾向です。

デニムやシャンブレーのシャツの人気が再燃していることもあり、
これらのスーツにデニムやシャンブレーのシャツを合わせ、

ニットタイをするコーディネートも多く見られました。

 

全身イタリアンな感じでコーディネートするのではなく、

 

どこかにアメリカや英国のテイストを入れてコーディネートするのが

今の流れだと以前お伝えしましたが、

まさにPITTIでも、そのようなコーディネートが増えている印象です。

日本では春夏はクールビズが浸透したこともあり、

真夏にスーツを着る人も随分少なくなってきました。
いまの時期ビジネス的なスーツを着ている人は、

仕事上スーツを着なければならない人がほとんどだと思います。

お洒落でスーツコーディネートを楽しむには難しいシーズンですが、

タイドアップでもノータイでもさまになるコットンスーツは、

特にジャケットを良く着る方にはお勧めしたいスーツです。

ビジネス向けのスーツではありませんが、
春夏シーズンにお洒落でスーツを着たい人にはお勧めです。

デニムやシャンブレーシャツやニットタイという、

皆さんが持っていると思われるアイテムを使ってコーディネートするだけで、

今までとは違うスーツの着こなしが楽しめます。

セールも最終ですが、もしコットンスーツが残っていたら、

今のうちに手に入れておくのも良いと思います。
 

 

 

 

因みに、グリーンのコットンスーツにニットタイというコーディネートは、

 

 

 

ある人が昔着ていた印象が強いです。
 

そのある人とは、この方。


UAの鴨志田さん。

BEAMS時代、BEAMS Fのオリーブグリーンのコットンスーツに

黒いニットタイをしていた印象が強いです。

この画像もブラウンのコットンスーツにイエローのボタンダウン、

足元はタッセルスリッポンです。

さすが、分かっていらっしゃる。

鴨志田さん、ちょっと使わせてもらいました。(笑)