PITTI SNAP Tシャツ編
少し前にMEN’S EXやMEN’S CLUBの連載でも、
オトナのTシャツについてコメントしましたが、
先月行われたPITTI UOMOでも
昨年に増してTシャツを着たオトナ達が増えていました。
まさに今やイタリアでもオトナのTシャツブーム。
西海岸スタイルとは違うTシャツの着こなしは、
日本でも徐々に認知されつつあります。
きょうは先月行われたPITTI UOMOの会場で撮ったスナップの中から、
Tシャツのコーディネートをフィーチャーして紹介したいと思います。
すっかりスナップの常連となった Marco Zambaido氏。
ラルディー二のダブルのブレザーにクオリティーの高そうなボーダーのTシャツ。
スニーカーはスタンスミスですが、
本物はあるアーティストの作品ですが、
おそらく、それを模して自分でマジックでマークを入れたのでは・・・
胸ポケットにはレースのポケットチーフ。
カジュアルなスタイルにもチーフを欠かさないのが
実にイタリア人らしいです。
別の日のコーディネート。
ラルディーニのデニムジャケットにネイビーのTシャツ。
ホワイトパンツを合わせてネイビー×ホワイトのコーディネート。
スタンスミスとバンズの陰に隠れた感がありますが、
ナイキのスニーカーも今回のPITTIでは急増していました。
この日もやはり胸ポケットにはチーフ。
シンプルなコーディネートなので、
チーフもシンプルにホワイトをTVホールドで挿したのでしょう。
無造作なようで計算されたチーフ使いだと思います。
意外と少ないVネックのTシャツ。
ジャケットはおそらくジャージ素材だと思います。
そして、この人も足元はナイキ。
ジャージやニットジャケットの場合、
腕まくりをするとカジュアルな雰囲気が増して、
Tシャツコーディネートを更にこなれた印象にします。
Tシャツはパンツの中にタックイン・・・
我々日本人にとっては完全にアウトですが、
現地に行くとポロシャツのタックインも含め
意外と多く見られます。
イタリア人は日本人のようにアメカジを通ってきていないので、
裾に関しては意外と無頓着な人が多いです。
着丈の長さと共に気になるところです。
ニットジャケットにTシャツというリラックス感のあるコーディネート。
パンツもおそらくジャージ素材だと思います。
全身をブルーでまとめたコーディネート。
微妙にブルーのトーンをずらしています。
靴はスエードのエスパドリーユ。
このままリゾートに行けそうなコーディネートです。
ジャケットにTシャツというコーディネートに抵抗のある人は、
ニットジャケットやシャツジャケットとコーディネートすると
このTシャツ、インディゴ染め風で
胸ポケットも少し凝った感じです。
もしかすると日本のブランドかもしれません。
ザンバルド氏と同じくスナップの常連のこの方は、
ホワイトTとホワイトパンツにベージュのジャケットと、
裾やベルトのこなし、ジャケットの腕まくりなど、
単調に見えがちなシンプルな色づかいのコーディネートを
着こなしのテクニックで格上げしています。
一見無造作なコーディネートに見えますが、
本人はかなり計算していると思います。
足元はタッセルスリッポン。
PITTI の会場では、ローファーよりタッセルを履いた人の方が圧倒的に多いです。
スリッポンの中でタッセルが最も上品に見えるからではないかと思います。
カジュアルなコーディネートを少し引き締める効果があると思います。
手首にアクセサリーのぐるぐる巻きも、
もはや一般的になりました。
この色使いで袖まくりをして何もアクセサリーが無いと
逆に寂しい感じです。
一見ミスマッチ風ですが、
ストライプとボーダーの幅が大きく違うので、
意外としっくりまとまっています。
足元はチャーチのシャンガイ。
2、3年前に大ブレークしたので、
すでに過去のモノと思う方も多いと思いますが、
未だにこのデザインのシューズを履いた人が多いです。
実は現地では根強い人気があります。
日本ではあまり見かけなくなりましたが、
逆に今のスタイルには良く合うシューズだと思います。
この方も胸ポケットにはポケットチーフ。
無造作に挿しているようですが、
素材や柄など結構気を使っていると思います。
ジャケットだけでなく、ジレにTシャツというスタイルも多いです。
ストライプのパンツはウエストにドローコードの入ったリラックスパンツ風。
こんな感じのドローコード入りのパンツはかなり増えていました。
パンツの色に合わせてヒールのパッチはレッドです。
ドローコードのパンツにTシャツの裾をタックインは無いかなと・・・
イタリアはTシャツがブームですが、
日本人やアメリカ人に比べると
色々な意味でTシャツの着方に対するベースが
できていないように感じます。
BRILLAのアシスタントバイヤーの高田です。
我々の部署では最もTシャツが似合うオトコで、
早くからジャケットにTシャツというコーディネートを
実践してきたスタッフです。
Tシャツを着こなすポイントはフィッティングは言うまでもなく、
やはり着丈のバランスは非常に重要だと思います。
イタリアで見るTシャツは総じて着丈が長い人が多い。
イタリア人は日本人のようにアメカジを通ってきていないので、
若い頃にTシャツを着てこなかったことも影響していると思います。
元々、イタリアは洋服に関しては英国の影響が強かった事もあり、
カジュアルなシャツはTシャツよりポロシャツが一般的でした。
今でも60過ぎの人たちの中では、襟の無いシャツを街でで着るものでは無い
という考えが根強くあるようです。
そんな背景もあり、いまイタリアはTシャツブームですが、
色々な部分で着こなしが?な人が多いのも事実です。
いま来年の春夏の展示会のピークですが、
ニットやカットソーブランドだけでなく、
シャツブランドでもTシャツを展開しているところもあります。
来年もTシャツの流れは確実に続くと思いますが、
バイイングする立場の者としては、
プライスとクオリティーのバランス、
フィッティングや着丈のバランス、
着た時のネックの開き具合など、
結構チェックしなければならないポイントが多く、
なかなか理想に合うものが少ないというのも事実です。
そんなこともあり、Tシャツでもかなりモディファイをかけるので、
サプライヤーも私たちも結構大変です。
単価が安いモノでもカジュアルなものでも手を抜かない。
それがBEAMSのアイデンティティーなので、
嫌がられながら何度もサンプルを作り、チェックを繰り返します。
ギブアップされたことも過去には何度もありますが、
来年の春夏はなかなかいいモノが出来そうな感触です。
と言うことで・・・
私も先日MEN’S CLUB の誌面でTシャツスタイルを初披露。
似合っていなかったら見なかったことにしてください。(笑)