San Antonio

サン・アントニオでは牛泥棒が横行している。牧場主のクレイ・ハーディンはメキシコまで出かけて、盗られた牛が売却されている証拠を掴んで知人に渡した。
サン・アントニオに戻って来たが、書類を持っている知人が殺害され、書類が奪われた。
クレイは、自ら保安官に立候補して、悪と対決する。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1945、監督:David Butler、Robert Florey、Raoul Walsh、脚本:Alan Le May、W. R. Burnett


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 クレイ・ハーディン(エロール・フリン) 牧場主
 チャーリー・ベル(ジョン・ライテル) 牧場主
 ジーン・スター(アレクシス・スミス) 歌手
 ヘンリエッタ(フローレンス・ベイツ) スターの付き人
 サシャ・ボジック(S.Z.Sakall) スターのマネージャー

 ロイ・ステュアート(ポール・ケリー)
 レガール(ヴィクター・フランセン)

本作ではエロールはかっこよく、アレクシスは綺麗で、なかなか素晴らしい。アレクシスは歌手でもあり、本作でも歌っている。

ベルを撃ったのはレガールなのがちょいとおかしいが、許すことにする。
 


■ あらすじ

◆ サン・アントニオの状況

1877年、テキサス州サン・アントニオでは牛泥棒が横行しており、多くの牧場では被害を受けていた。

牧場主の一人クレイ・ハーディンは国境を越えてメキシコに滞在していた。牛泥棒の件を調べている。

当地ではテキサスから牛が運ばれてきており、サン・アントニオで盗まれたものであった。

売買の契約書を見たハーディンは牛泥棒の黒幕はロイ・ステュアートであることを掴んだ。犯罪の証拠書類となる契約書の写しを貰った。

同じく牧場主の一人チャーリー・ベルが訪ねてきた。状況を聞くとさらに悪化しているようである。証拠書類をベルに渡した。

ハーディンもサン・アントニオに戻ることにした。

◆ ハーディンは歌手とともに戻ってきた

サン・アントニオに戻る途中、同じくサン・アントニオに向かう歌手のジーン・スター一行と一緒になった。付き人のヘンリエッタやマネージャーのサシャ・ボジックが一緒である。

一方サン・アントニオの町ではハーディンが戻ってくるという噂が広がった。市民たちは歓迎しているが、悪人たちは警戒を強めている。

当地ではステュアートが多数の手下を使って悪事をしているのだが、レガールという悪人もいて、市民の目からすれば同じように悪人なのだが、ステュアートとは少しばかり対立している。

スターたちが馬車で到着した。ハーディンも一緒なのだが、まだ悪人一味はハーディンの到着に気がつかない。

ハーディンはさっそくベルなどと状況を交換した。そして「証拠があるので、必ずヤツに勝てる」という。

◆ スターが歌って拍手喝采

ステュアートはベラ・ユニオンという酒場の経営者でもある。その酒場ではショーが開かれている。

スターは酒場のショーに出演することになっている。酒場の二階がホテルになっており、スターはそこに宿泊する。

スターは酒場で素晴らしい歌を披露して拍手喝采状態となったのもちろんのことである。

こちらももちろんのことだが、スターに惹かれたハーディンは終了後にスターを訪ねて話をする。

◆ ベルが撃たれた

だがもうさっそく異変が発生する。二階のバルコニーにいるハーディンとスターを下の庭から探っている男がいる。

男が拳銃を構えて引き金を引いた。ハーディンはスターを安全なところに避難させて、下に駆けつけた。

だがその前に男に反撃した人物がいた。ベルである。

しか~しベルは男に射殺された。男はベルが持っていたハーディンから預かった証拠書類を奪って逃げた。

実は犯人を目撃した人物がいる。ボジック。みなさんにこっそり犯人を教えておけば、レガールである。

◆ ステュアート宛の電報

この事態にいたってスターやボジックはオロオロしている。

この時にステュアートとレガールは当地を離れている。ハーディンはステュアートに手下を装って電報を打った。

ステュアートは電報を受け取った。内容は「うまくいった」とのこと。だがステュアートは「電報は打つなと言っておいたのに」と不思議がる。

その言葉をそばにいたレガールが聞いた。

レガールは電報局に出かけて「ステュアートは電報をなくした。頼まれてきたので電報の写しをくれ」と言って電報の内容を知った。

補足。すでにこの時代では有線電信ではなく無線電信が使われている。

◆ ハーディンは保安官になった

ハーディンは騎兵隊本部に向かった。応援を依頼するが、騎兵隊は上からの指示で撤退するとのこと。

やむなく市長に「俺を保安官にしてくれ」と頼み込んだ。そして味方となる市民を動員した。

この事態を察知したステュアートは、各地に分散している手下を招集した。しばらくして手下が続々集まってくる。

◆ ベル殺人事件の裁判

ベルの殺人事件に関して裁判が開かれた。補足。容疑者が分かっているわけではない。

証人として呼ばれたボジックは、犯人を知ってはいるのだが、怖くてシドロモドロの状態でまともな証言ができない。

スターは事件の時にハーディンと一緒にいたことを証言してハーディンが無関係であることを主張した。

◆ ボジックは殺人犯をばらした

スターの部屋。ボジックが来た。相変わらずボジックはオロオロ状態。スターは当地を去ろうとしている。

ボジックは部屋を出て行った。ステュアートと出会った。さらにオロオロ状態。

ステュアートと話して、事件の時にレガールを目撃したことを喋ってしまった。ステュアートは真相が分かってニンマリ。

◆ 最後のショー

事態が緊張する。その中でスターが舞台に立って歌う。

外ではステュアートの手下が続々集まっている。また対抗して市民たちも集まっている。頼みの騎兵隊はもういない。

ショーが終わってスター、ヘンリエッタ、ボジックは馬車で出発した。

◆ 壮絶な銃撃戦

ここから壮絶な銃撃戦が始まる。補足。銃撃戦の部分がやたらと長い。

ハーディンが弾を撃ち尽くし、仲間に拳銃を投げてもらってカヴァーする場面があったりする。銃撃戦は酒場の中から外に展開する。

ステュアートがレガールを射殺して、レガールが持っていた証拠書類を取得する。

ハーディンはステュアートと対決し、ステュアートは逃げ出す。

ステュアートは荒野の中に逃げていき、ハーディンが追跡する。

ハーディンは追いついて、銃撃戦の後、殴り合いとなる。ステュアートは岩に頭を打ち付けて死亡した。ハーディンは証拠書類を回収した。

◆ スターは町に戻る

スターたちは馬車で走っている。ハーディンが追いかけてきた。

スターはサン・アントニオに戻ることにする。
 


■ 出演作

アレクシス・スミス
(1948)/白衣の女/THE WOMAN IN WHITE
(1950)モンタナ/Montana
(1950)鉄路の弾痕/Wyoming Mail
(1952)黒い街:ターニングポイント/The Turning Point
(1953)ネヴァダ非常線/Split Second
(1951)消えた黄金/CAVE OF OUTLAWS
(1947)二番目の妻/The Two Mrs. Carrolls
(1951)消えた黄金/CAVE OF OUTLAWS

エロール・フリン
(1935)海賊ブラッドの逆襲/Captain Blood
(1936)進め龍騎兵/The Charge of the Light Brigade
(1938)ロビンフッドの冒険/The Adventures of Robin Hood
(1938)結婚スクラム/Four's a Crowd
(1939)無法者の群/Dodge City
(1939)女王エリザベス/The Private Lives of Elizabeth and Essex
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1941)壮烈第七騎兵隊/They Died with Their Boots On
(1940)シー・ホーク/The Sea Hawk
(1946)愛をもう一度/Never say good bye
(1952)すべての旗に背いて/Against All Flags
(1947)恐怖の叫び/Cry Wolf
(1947)逃げちゃ嫌よ:二人の作曲家と二人の女性/Escape Me Never