出所したフランキーは、悪いことは止めてドラマーになろうとした。詐欺師のスパローや元恋人のモリーはフランキーを応援した。
しかし一緒に賭博をしていたシュヴィーフカや麻薬売人のフォモロスキーが悪意を持ってフランキーに近づいた。そして妻のソフィアもフランキーの転身を歓迎しなかった。
製作年:1955、監督:Otto Preminger、脚本:Walter Newman、Lewis Meltzer、Ben Hecht、原作:The Man with the Go
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
フランキー・マシーン(フランク・シナトラ) 元カードディーラー
ソフィア・マシーン(エリノア・パーカー) 妻
モリー・ノヴォトニー(キム・ノヴァク) 売春婦
スパロー(アーノルド・スタング) 詐欺師
ルイ・フォモロスキー(ダーレン・マクギャヴィン) 麻薬関係
ゼロ・シュヴィーフカ(ロバート・シュトラウス) 賭博関係
◆ 補足
「黄金の腕」はフランキーのカードディーリングの腕前の表現。
フランク・シナトラ(1915年12月12日-1998年5月14日:82歳)は説明する必要がない有名男優で、歌手でもある。エヴァ・ガードナーやミア・ファローと結婚していたことがある。
エリノア・パーカー(1922年6月26日-2013年12月9日:91歳)はとても個性がある女優で「(1965)サウンド・オヴ・ミュージック/The Sound of Music」が有名。他の推薦作としては「(1950)女囚の掟/Caged」。刑務所物はあまり好きではないが、これはよい。これらの他にも良い出演作はいろいろある。
キム・ノヴァク(1933年2月13日-)も非常に特徴がある女優で画家でもある。怪しい役もするしコメディもこなす。イングリッド・バーグマンあたりでは、彼女のような役はできない。
ジェームズ・ステュアートとの二本「(1958)媚薬:魔法をかけられた男/Bell, Book and Candle」「(1958)めまい/Vertigo」は何が面白いかといえば、マジメくさったジェームズと怪しい感じのキムの対照がすばらしい。
推薦したい映画はいくつもあるが、特に以下を推薦。「(1969)空駆ける強盗団/The Great Bank Robbery」。強盗団のメンバーとなって大活躍する。
■ あらすじ
◆ フランキーは出所した
賭博のディーラーをしていたフランキーは半年の刑期を終えて出所した。
「もう悪いことはしない」と固く決心している。今後はドラマーの道に進むつもりである。
フランキーは妻のソフィアが住んでいるアパートに戻った。
ソフィアはフランキーが起こした飲酒運転による事故のため車イス状態である。フランキーは罪悪感からソフィアと結婚した。
フランキーはもちろん知らないのだが、みなさんにこっそりと教えておくと、ソフィアはすでに歩けるようになっている。フランキーの心を掴まえておくために偽装している。
◆ 周りの状況
フランキーは知人に会う。詐欺師のスパローは喜んでフランキーの夢を応援しようとする。
しかし賭博を一緒にしていたゼロ・シュヴィーフカは仲間に引き込もうとする。
また麻薬の売人のルイ・フォモロスキーもフランキーも接近してくる。
同じアパートに住んでいるモリー・ノヴォトニーは売春婦だが、元恋人でフランキーを応援する。
ソフィアは「ドラマーになる」というフランキーの夢を信用せず、元の道に戻るように勧める。
◆ フランキーは捕まった
フランキーはトライアウトを受けることになった。スパローがスーツを用意してくれた。
しかしそのスーツが盗品だったために、フランキーは逮捕された。
シュヴィーフカは保釈金を払うと言う。いったんは断るが、見込みがないので、支払ってもらって外に出た。必然的にディーラーに戻ることになった。
そんなフランキーにフォモロスキーは麻薬を与えた。
◆ ますます泥沼に
簡単に言えば、フランキーは元の道に戻った。モリーは呆れかえって、フランキーから離れた。しかしソフィアはむしろ喜んだ。
ますますフランキーは麻薬にのめりこんだ。
そのような時にせっかく訪れたドラムのオーディションを落ちて、チャンスを棒に振った。
禁断症状が出たフランキーは、フォモロスキーに麻薬を貰いに行くが、拒否されて暴れた。
◆ フォモロスキーが殺された
フォモロスキーはフランキーに会いに行った。フランキーはいなかった。
しかしソフィアが部屋の中で歩いているのを発見した。嘘を知られたソフィアはフォモロスキーを階段から突き落とした。
警察はフランキーをフォモロスキー殺人犯として手配した。
◆ ソフィアは転落した
手配されていることを知らなかったフランキーはモリーと一緒になるつもりで、それを言いにソフィアを訪ねて行った。
話を聞いたソフィアは、思わず立ち上がって立ち去るフランキーを追いかけた。フランキーは驚いてソフィアを見つめた。
フランキーが驚いていると、追いかけて来た警察も入ってきた。
警察はソフィアがルイ殺害の犯人であることが分かった。
ソフィアは追及されて、後ずさりした。そしてヴェランダから身を投げた。
呆然としているフランキーのそばにモリーが来て寄り添った。
■ 出演作
◆ フランク・シナトラ
(1954)三人の狙撃者:大統領暗殺計画/Suddenly
(1955)見知らぬ人でなく/Not as a Stranger
(1955)黄金の腕/The Man with the Golden Arm
(1962)影なき狙撃者/The Manchurian Candidate
(1968)セメントの女/Lady in Cement
(1957)夜の豹:ナイトクラブの三角関係/Pal Joey
◆ エリノア・パーカー
(1941)壮烈第七騎兵隊/They Died with Their Boots On
(1946)愛をもう一度/Never say good bye
(1950)女囚の掟/Caged
(1950)三人の秘密/THREE SECRETS
(1948)白衣の女/The Woman in White
(1954)王家の谷/Valley of the Kings
(1971)四人姉妹連続殺人/惨劇は浴室から始まった/彩られた殺意/Home for the Holidays
(1955)黄金の腕/The Man with the Golden Arm
(1954)黒い絨毯/The Naked Jungle
(1951)刑事物語/Detective Story
(1947)逃げちゃ嫌よ:二人の作曲家と二人の女性/Escape Me Never
(1944)君を想いて/The Very Thought of You
(1955)二人の間の多くの深い河/Many Rivers to Cross
(1953)ブラヴォー砦の脱出/Escape from Fort Bravo
◆ キム・ノヴァク
(1954)殺人者はバッジをつけていた:強盗と女と刑事/Pushover
(1955)黄金の腕/The Man with the Golden Arm
(1956)愛情物語:あるピアニストの生涯:エディ・デューチン伝記/The Eddy Duchin Story
(1957)伝記映画:女優ジーン・イーグルス(ジャンヌ・イーゲルス)/Jeanne Eagels
(1955)カジノ強盗計画/5 Against the House
(1973)魔のバミューダ海域/Satan's Triangle
(1955)ピックニック/Picnic
(1959)真夜中/Middle Of The Night
(1962)怪しい美人家主/The Notorious Landlady
(1958)めまい/Vertigo
(1958)媚薬:魔法をかけられた男/Bell, Book and Candle
(1953)フランス航路:金持ち女性とモデルと俳優/The French Line
(1977)ホワイト・バッファロー/白い野牛を探して放浪/The White Buffalo
(1980)クリスタル殺人事件/The Mirror Crack'd
(1978)ただのジゴロ:ホルスト・ヴェッセルの歌/Just a Gigolo
(1968)女の香り:女優ライラ・クレアの死亡の謎/The Legend of Lylah Clare
(1960)逢う時はいつも他人/Strangers When We Meet
(1969)空駆ける強盗団/The Great Bank Robbery
(1957)夜の豹:ナイトクラブの三角関係/Pal Joey
(1956)ねぇキスしてよ/Kiss Me, Stupid