■ Valley of the Kings
アンは死亡した考古学者の父の仮説を証明するためにエジプトに来て、父親の弟子のマークに協力を求めた。
アンの夫フィリップもエジプトに来てアンと行動したが、フィリップはピラミッドの財宝を奪うために二人を裏切った。
砂漠の中に置き去りにされた二人は、壁に彫られた巨大な象の前に来た。


製作年:1954、監督:ロバート・ピロッシュ、脚本:ロバート・ピロッシュ、カール・タンバーグ、原作:C.W.ツェーラム


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 アン・バークレー・メルセデス(エリノア・パーカー)
 ジェームス・バークレー(-) アンの父親、考古学者、死亡
 フィリップ・メルセデス(カルロス・トンプソン) アンの夫
 マーク・ブランドン(ロバート・テイラー) 考古学者、ジェームスの弟子
 アルコ(レオン・アスキン) 古美術商
 ハメッド・バックアワー(カート・カズナー) 墓泥棒
 アクメッド・サラ(?) 放浪者
 トゥアレグ族長(ビクター・ジョリー)
 アンティモス神父(アルド・シルヴァーニ)

本作は言ってみればエリノア・パーカーのアイドル映画。アンはいつも発掘に来たとは思えない長い洒落たスカートを穿いている。

この時代には珍しい横長の画面でエジプトの景色がきれい。しかし画像はいまいちシャープではない。

日本語版があるが英語版で見た。
 


■ あらすじ

◆ アンは父の仮説を証明したい

アン・バークレー・メルセデスはエジプトに来た。目的は死亡した父親の考古学者ジェームス・バークレーの仮説を証明するためである。

ジェームスはラホテップ王の墓を発見すれば、旧約聖書の「ヨセフが奴隷として売られてエジプトに来た」という記述が真実であることが証明できると考えていた。その墓にはヨセフの像があるはずである。

◆ マーク・プランドンと会う

アンは「王家の谷/Valley of the Kings」に向かい、父親の弟子であったマーク・プランドンと会った。

マークはアメンホテップ王のピラミッドの発掘作業中で多くの作業者が働いていた。

マークはジェームスの説には懐疑的ではあったが、アンに協力することになる。

またアンの夫のフィリップ・メルセデスもエジプトに到着した。マークはフィリップが考古学に興味があるとは思えなかった。

◆ 古美術商アルコと会う

三人はラホテップ王の墓の盗品を探そうとカイロの古美術商アルコを訪問した。アルコは協力を約束した。しかし他にもラホテップ王のことを探っている人物がいるようである。

アンティモス神父と一緒に砂漠を横切ってある僧院についた。ここでラホテップ王が第18王朝に属するとの証拠を発見した。

第18王朝の王は王家の谷に埋葬されており、ラホテップ王の墓も同様であると推定された。

アンはホテルにいるときに呼び出されてアルコに会いに行った。

アルコより「ラホテップ王の墓の所在は放浪者のアクメッド・サラが知っている」との情報を得た。アルコは500ポンドも要求した。

◆ フィリップの裏切り

彼らははエル・タブルにいるアクメッドを訪ねることになった。

墓泥棒のハメッドはアルコを脅して、この情報を掴み、アルコを殺した。

フィリップは王の墓の財宝を盗み出そうと考えた。ハメッドを一行に加えた。

四人はラクダに乗って砂漠の中を進んだ。この旅の間に、マークとアンは惹かれあうようになった。

◆ 砂嵐に襲われた

しかし途中で砂嵐が近づいてきた。従者たちは頭を地面につけてお祈りをして、ラクダは唸り声を上げた。

いよいよ砂嵐。フィリップとハメッドはマークとアンを置き去りにした。おまけに飲料水を積んだラクダも連れ去った。

猛烈な砂嵐ですべてが飛ばされた。マークは飛ばされそうになるアンを引っ張って歩いた。そしてなんとか穴の中に隠れた。

砂嵐が過ぎ去った。外に出るとすべてが砂に覆われていた。ラクダは砂の中に伏せていたが立ち上がった。

◆ さらに砂漠を彷徨った

二人はさらに彷徨った。アンは途中で倒れてマークが手当てをした。

ラクダに乗った一団が現れた。二人は恐れたが、彼らは自分たちの集落に連れて行き二人を歓迎し助けた。

マークが決闘する羽目になったが、なんとか相手を倒した。

補足。アクメッドのことを聞くが、なぜか立ち消え...。

◆ ハメッドは殺されていた

マークとアンは、さらに砂漠を進んで、巨大な岩の壁の前に来た。ここである箱を手に入れた。

その壁には像が彫られてそそり立っている。その像の頭部の近くに穴が掘られていた。

二人は、その穴を調べるためにロープを持って壁の頂上まで上った。

しかし頂上の岩にはすでにロープが巻かれており、下に垂らされていた。

マークはロープを伝って垂直の壁を下りていった。途中の岩棚にはハメッドの死体があったっ!。

◆ フィリップとの決闘

マークは像の頭に立った。そこにあった板を渡して穴に入った。

なんとそこにはフィリップがいた。渡していた板がはずれたので、外に出れなかったようである。

フィリップはマークに襲い掛かり、二人は象の頭の上で格闘した。ついにフィリップは下に落下して死亡した。

マークとアンは、手に入れた箱からアメンホテップ王のピラミッドの中にラホテップ王の墓があることを知った。

マークが発掘をしているピラミッドである。

補足。壁の下にある箱から情報が得られたので、本当は象の頭のそばにある穴に入る必要はない。

◆ アメンホテップ王のピラミッド

二人はマークの発掘現場に戻った。(調査は終わっていないが)発掘が終わっている部分に入り、中を一つずつ調べていった。

秘密の扉を発見して、それをこじ開けた。そこがラホテップの墓である。ヨセフの像があった。旧約聖書と同様の記述も発見された。

ジェームス・バークレーの仮説は証明された。

◆ ラスト

目的を達成してマークとアンは、ナイル川に浮かぶヨットに乗って安らかな時を過ごしている。
 


■ 出演作

エリノア・パーカー
(1941)壮烈第七騎兵隊/They Died with Their Boots On
(1946)愛をもう一度/Never say good bye
(1950)女囚の掟/Caged
(1950)三人の秘密/THREE SECRETS
(1948)白衣の女/The Woman in White
(1972)四人姉妹連続殺人/Home for the Holidays

◆ ロバート・テイラー
(1940)哀愁/Waterloo Bridge
(1951)クォ・ヴァディス/Quo Vadis
(1954)王家の谷/Valley of the Kings