■ Journey into Fear
第二次大戦時、アメリカの技術者ハワード・グラハムはトルコのイスタンブールからアメリカに帰国する。
しかしマジックショーで彼を狙った思われる殺人事件が発生し、予定を変更して海路でソ連のバトゥーミに向かう。
しかしやはり敵に狙われた。なんとかバトゥーミに到着してからも敵の襲撃が続いた。


製作年:1943、監督:Norman Foster、脚本:Joseph Cotten、Orson Welles、原作:Journey into Fear(Eric Ambler)


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ハワード・グラハム(ジョゼフ・コットン) 軍需企業の技術者
 ステファニー・グラハム(ルース・ウォーリック) 妻

 コペイキン(エヴェレット・スローン) トルコ支社の社員
 オー・ラン・サング(ハンス・コンリード) マジシャン
 ハキ大佐(オーソン・ウェルズ) トルコ秘密警察

 バナート(ジャック・モス)
 ジョゼット・マーテル(ドロレス・デル・リオ) ダンサー
 ゴゴ(ジャック・デュラン) ジョゼットのパートナー
 クヴェトリ(エドガー・バリア)タバコのセールスマン
 ミューラー教授(ユースタス・ワイアット)
 船長(リチャード・ベネット)
 


■ あらすじ

◆ マジシャンが殺された

第二次大戦時。アメリカの軍需企業の技術者ハワード・グラハムはトルコ政府との仕事を終えてアメリカに帰ることになる。妻のステファニーも一緒。まずイスタンブールからソ連のバトゥーミ港(現在はジョージア)に向かう予定である。

イスタンブールでトルコ支社の社員コペイキンに会った。彼は強引にハワードをホテルのクラブに誘う。ステファニーは部屋に残る。

さらにマジックショーに連れ出す。ショーでは被験者が十字架にハリツケされマジシャンがそばの箱に隠れ、両者を交換するマジックが行われる。

被験者にはハワードが選ばれた。ライトが消される。しかしここで銃声。ライト点灯。十字架上でマジシャンが殺されていた。

ハワードを狙ったものと考えられた。そういえば先ほどから太った男がハワードを見ていた。

◆ 船に乗る

ハワードはトルコ秘密警察に連れていかれた。

ハキ大佐から事件はドイツ工作員の仕業と言われバナートという男の写真を見せられた。先ほどの太った男である。

本来は陸路の予定であったが、ハキ大佐は海路でバトゥーミに行くように要請する。いや要請というよりほとんど強制である。

ステファニーは予定の陸路で責任をもって送り届けるとのこと。

◆ 怪しい人物が何人も

船に乗ったが、しかし何人もの怪しい人物に出会う。

ダンサーのジョセットとゴゴというカップル。タバコ業者のクヴェトリ、トルコ人。ドイツ人の考古学者ミューラー教授。マシューズ夫妻。

怪しいと思えば怪しいし、怪しくないと思えば怪しくはない。しかし油断がならない。それとバナートも乗っている。

◆ いろいろ危ない目に

まずハワードが自衛のために持っていた拳銃が盗まれた。

ジョゼットはハワードが怯えているのに気がついて、ゴゴを無視してハワードに近寄ってくる。性的な興味も持っているようである。ジョゼットはいろいろと助けてくれる。

ミューラーは「クヴェトリが怪しい」と警告する。

寄港地で船を下りるように船長にお願いしたが無視された。

ミューラーは拳銃を持って現れてハワードを脅した。「チフスになったふりをして病院に入れ」という。

ミューラーを救ったのはクヴェトリ。彼はハキ大佐が送り込んだ味方であった。クヴェトリは「ミューラーの言うとおりにすれば殺される」と警告した。

クヴェトリの指示に従って空いた船室に隠れた。しかしクヴェトリはバナートに射殺された。

まだいろいろ危ない目にあったがバトゥーミに入港した。

◆ ホテルでの戦い

船からは無事に下りたものの、ハワードはバナートとミューラーに拳銃を突き付けられて車に乗せられた。

車がパンクしたスキに逃げ出してステファニーがいるホテルに到着した。だがしかしミューラーとバナートが待ち構えていた。

ハキ大佐が応援に駆けつけて、二対二の激しい戦いが展開されるが、ついにミューラーは撃たれ、バナートは転落して死亡した。

ハワードとステファニーは無事に再会できた。
 


■ 出演作

◆ オーソン・ウェルズ
(1943)恐怖への旅/Journey into Fear
(1947)上海から来た女/THE LADY FROM SHANGHAI
(1944)ジェーン・エア/Jane Eyre
(1953)黒魔術/Black Magic

ジョゼフ・コットン
(1941)市民ケーン/Citizen Kane
(1944)ガス燈/Gaslight
(1944)恋の十日間/I'LL BE SEEING YOU
(1949)第三の男/The Third Man
(1950)旅愁/September Affair
(1953)ナイアガラ/Niagara
(1964)ふるえて眠れ/Hush... Hush, Sweet Charlotte
(1977)エアポート'77/バミューダからの脱出/Airport '77
(1953)殺人の青写真/Blue Print For Murder
<1950)追いつめられた男/Walk Softly, Stranger
(1943)恐怖への旅/Journey into Fear