歌での発音は、ある程度まではのびます。フランス語の発音は、そんなに難しくはないのです。
これは日本でも学べることでもあるので「フランスに来たからうまくなる」というものでもないかもしれません。でも毎日話していれば、上達の具合が早くなるでしょう。話すよりうたっている方が上手に発音できることもあります。その逆もあります。話す発音がなかなか上達しないときには、歌ってみるとよいのです。
「フランスで一生懸命発音を直して歌ったら、”それまでの訛りがよかったのよ、どうして直すの”」
と言われた日本人歌手がいらしたそうです。たしかに、フランスで歌うのであれば、訛りはマイナスではなくてむしろプラスになることもありえますね。かわいくて、フランス人には魅力的らしいのです。となると、どこまで重点をおくかは、個人の考え方次第だと思います。
発音に関しては今回は以上。
歌で一番大事なのは、内容を理解すること。
クラシックでいえば曲の分析などという言い方もできるかな。
曲が作られた状況など、歴史的な由来というのは、比較的簡単にみつけることができる時代になりました。間違っている可能性はありますが、ネットを少し散歩すればある程度の知識は得られます。
知識は、消化できるともっと意味が出てきます。曲のできた背景や歴史に、歌詞が結び付いたなら・・・?
録音も多く手に入ります。聞いたものを真似ることもできます。声色も真似ることができます。他の人と同じ演奏をしたいのなら、あるいは録音と同じように歌うことが可能です。
フランスの歌手には、過去の歌のカバー曲を歌う人も多くいます。でも、それがオリジナルと同じならば、フランスではあまり受けないでしょう。複製を好まない傾向がありあす。ファンがカバー曲を聴いて喜ぶのであれば、それは「その歌手が歌っているから」好きなのです。過去の歌は、その人自身の曲に生まれかわるのです。
テクニック的に音を変えたり、バックを変えることもありますが、それ以外のもの、それ以上のものが期待されているというわけです。「カバー」は、今でも多く行われます。その新しい歌手の人生が込められるからでしょう。
それには、言葉が分かっていることが必須となります。
Je t'aimeのひとことを、いったい何人の、何百人の、何万の歌手が、歌っていることでしょう。
それぞれのJe t'aimeは、歌っている人の数だけあるのです。
言葉としては訳することができて、本当に心から信じることができるのなら、言うことができる。表現を”感じる”、と
いうよりは、共感する、ということでしょうか。
これも、日本語で
「あいしてる」んて口に出せないかもしれないが、
これを
「大好き」とでも訳せば、まだ楽でしょう。
こんな風に、語学を学ぶと、自分の都合によいような、簡単な訳をつけられることもプラスになります。
そして自分の中にある大好き、という気持ちを、どこかで探すのです。
あれっやっぱり「愛をまなびましょ~」ってことになっちゃう・・・???