今度はシャンソンについて。
これは音楽学校でおしえられているものでもありませんが、基礎としてクラシックの発声を学ぶつもりであれば、音楽学校の声楽クラスもよいでしょう。ただ、学内試験を受けるために、クラシックの曲を用意する必要があるかも知れません。
また、先生のシャンソンへの理解が必要です。残念ながら、フランスでも「クラシック」と、「それ以外」の壁はあります。双方が、お互いに興味を示さないのみならず、お互いのことをよく知らないのに、なぜということもなく好き合っていなかったりします。「知らない」というのは難しいこと。クラシックの歌い方がぴったり似合う曲もありますが、時代が近付くに従って、そういう曲は少なくなるのではないか、とも思います。その点では、双方の長点をよく分かっている先生を見つけた方がよいでしょう。
本当は基礎にはかわりはないのですが。
シャンソンの場合、歌い方を学ぶよりは、言葉を学ぶ方がずっと大切だと思います。
クラシックでも、もちろん語学の勉強は大切ですが、上記のように、違う言語の勉強も必要になります。クラシックで歌う詩はある時代に集中していることもあり、日本語の訳なども比較的簡単に手に入れることができます。
私は、シャンソンにはそれ以上のフランス語理解の必要性を感じます。発音のためだけではなく、というか、むしろ、発音以上に、歌詞の理解が大切だと思います。というのは、シャンソンは、歴史が長いとはいえ、「洗練されたサロンでの文学としての詩」ではなく、「日常」を歌っていることが多いからです。
「愛」をうたっているのも多いのですが、これは、
”シャンソンだから”というよりは、
”フランスだから”であり、
日常の一面を深くまたは浅く歌っているものだ、と私は思います。
違う言い方をすると「愛を語る」というのは、日常のことなのです、フランスでは。今や。
(ただし、100年前は違ったかも知れませんが)
また、愛を歌わない歌も多いですよ!
となると「愛をまなびましょ~」ってことになっちゃいますが・・・これは各自の責任で