数に惑わされるな!/2018年映画総括(1) | アディクトリポート

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数に惑わされるな!/2018年映画総括(1)

 

2018年に鑑賞した映画について、

あえて年明けに触れる。

 

ところで、本ブログは未実施の年間ベストテンだが、

昔は雑誌「映画秘宝」がメインだったのに、

今ではすっかり廃(すた)れてしまった。

 

なにせ世間の話題にさっぱり上らない。

 

2015年の『進撃の巨人』で大ポカやらかした、

きょじん

脚本担当・例の人が、

最後には「億レベルの興収は上げたんだから勝ち」発言でおさめてしまい、

「おいおい、そんな取り繕(つくろ)いかよ、

興収面の問題じゃなく、あんたの書いたシナリオの、クリエイティブ・クオリティの問題だろ!

あの脚本で客が呼べたとでもいうのかよ?」と、

同誌のベスト/ワーストへの興味関心が激しく揺らいだからか?

 

続く2017年ベスト/ワーストでも、

町山氏の『最後のジェダイ』論評

「中二病の奴が勝つ」というのがますますダメで、

そのショックからか、

直近の2018年版が掲載された『秘宝』は、

立ち読みで確かめる気すらしない。

 

昨日の記事で、東京オリンピック関連記事を書いていたら、

土壇場でJOC会長が追訴された

しかし間に合わず、東京オリンピックは開催の方向で記事をとどめた。

 

本日も同様で、

くしくもこれから取り沙汰する人のブログで告知があり

『映画秘宝』2018年ベスト/ワーストは、

1月21日発売(2019年3月)号で発表だそうです。

 

その反作用だろうか、

昨今はライムスター宇多丸氏のラジオ番組、

以前は「ウィークエンド・シャッフル

(2007年4月7日 - 2018年3月31日)

今なら「アフター6ジャンクション

がすっかり主流になり、

あたかも同番組内の、

「週刊映画時評 MOVIE WATCHMEN」

が絶対基準かのように受け取られている。

 

だが私は、これを懐疑的に見ている。

過信は危険だし、鵜呑みは慎むべしと。

 

そもそも映画評はなんのためにある?

  • これぞ、という映画を見逃さないように。
  • 見る価値のない映画の罠にかからないように。

 

この観点で、「ムービーウォッチメン」が有効に機能しているとは受け取りがたい。

 

直近の例を挙げると、

年間ベストテン(2018)の視聴者集計から、

『ブラックパンサー』が抜けていたため、

再集計するという。

 

 

どういう集計システムを構築すると、

そんなわざとらしいことが起こるのか?

 

 

「ふうん、そうなんだ」

とあっさり受け入れる方がどうかしてんだろ!

 

このように、メインパーソナリティも番組体制もイマイチ信用できないんだから、

そこにつるんでいる方々にも同様に疑念を抱いている。

 

しかし、

駆け出しの頃から同番組にべったりな人の映画評が、

アメブロでもフォロワーが実に3000人越え。

「いいね!」も一つの記事に軽く100件越えなど、

インフルエンザのように猛威をふるっているし。

 

それに加えて、

「ウォッチメン」リスナー選出の2018年ベストワンが

『カメラを止めるな!』だったりするところに、

民意の低さと言おうか、

一般市民の映画の捉え方には、「そんなもんかよ」とガッカリする。

 

「そうじゃないんだけどな」の筆頭は、

なにしろ『ボヘミアン・ラプソディ』

 

いや、私だって、

2018年のベストワンは、

鑑賞中に一番ハラハラドキドキした、

ミッション:インポッシブル/フォールアウト』でいいかなと考えていた。

 

 

でも色々ふり返るにあたり、

やはり『ボヘミアン』だろうと。

 

もちろん、『カメラを止めるな!』はたしかにいいですが、

邦画に絞ったって、

さすがにベストワンにはならないでしょうに。

 

私は終始ニタニタ顔で鑑賞しましたが、

爆笑の渦だったという鑑賞報告には、

一時期の三谷幸喜バブルを感じてしまい、

反抗期に上田慎一郎作品がクスリとも笑われなくなる、

細田守状態が予感されてコワイ。

 

万引き家族』がすっかり忘れられてるのは、

2018/6/8公開から日が経ちすぎたハンデだろうが、

それを言うなら『ブラックパンサー』だって、

もうずいぶん前の作品(2018/3/1日本公開)なので、

「ウォッチメン」再集計で順位がアップしたら、

そうなのかなんて納得せず、

情報操作や工作を疑いますけどね。

 

そういや、

私も人(ベラデン氏)に教えてもらって見逃さずに済んだ

『累-かさね-』なんて、

完全に選考外だし。

 

くじ引き(ガチャ)選出とは言え、

毎年重要作が漏れるのは、

そこに映画センスの無さが出まくってる気がする。

 

なにしろ「ウォッチメン」の『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016)の完全スルーには、

つくづくガッカリしたよ。

この作品の良さを、よりによって筧美和子に教わるなんて。

 

「ウォッチメン」は、

今年は『愛しのアイリーン』(未見)で挽回した(つもりな)んだろうけど。

週1=年50本じゃしかたない、

のかも知れないが、

じゃあ何本見ればいいのか?

 

さきほどのブログ王(△締め氏)は、

2018年中に232本も観たらしい

年間、1日平均0.6本なんて、信じられない!

 

まさに手当たり次第だが、

それなら目利きがするかと言えば、

首をかしげる作品/見知らぬ未見タイトルが上位になってるし。


1 暁に祈れ
2 カメラを止めるな!
3 リビング ザ ゲーム
4 パティ・ケイク$
5 ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
6 アウト&アウト
7 ぼくの名前はズッキーニ
8 デス・ウィッシュ
9 ギャングース
10 菊とギロチン

 

好き嫌いや記者の独自見解はあろうが、

この10作品が、彼の基準で、


63位 ミッション:インポッシブル フォールアウト

91位 若おかみは小学生!
92位 ボヘミアン・ラプソディ
 
の3作より上位だなどとは、
3本の順位の低さと相まって、
私にはどうにも承伏しかねる。
 

アタリ映画を見分け、

ハズレ映画をかぎ分けて避けるのはギャンブル、

 

がむしゃらに見て、

ランキングを外すのは、

全点賭けみたいなもんで、

競馬師とは呼べないよ。

 

いや別に、

この人はそういうもの(勝ち馬予想屋)を目指してないんでしょうけど、

読む方はあてにしちゃってますから。

 

「ふん、映画レビューのランキングで上位を目指したのに、

まったくかなわなかったから、負け惜しみを言ってるだけだろ」

と2ちゃん式に斜め読みしてる人もいようが、

私の基準はあくまでも

  • これぞ、という映画を見逃さないように。
  • 見る価値のない映画の罠にかからないように。
——に尽きるから。
 
でもって、
上位でなくても感心したのは、
読むたびにつくづくうなる。
 
各作の感想や印象をマンガの一コマで代弁したり、
ネタバレ頻発で鑑賞の代償行為を気取って耳目を集めたり、
過去の鑑賞作に「こんな感じ」でリンク誘導したり、
毎回決まったテンプレートにあてはめた紋切り型のレビューで切り抜けるような、
あくまでも書き手の都合が最優先、読者への配慮がほぼ皆無のレビューとは
一線を画す超親切設計。
 
とにかく、読む人への配慮が充ち満ちている。
 
そんなこんなで、
「数(フォロワー数/いいね!の数/ランキング順位)を頼りに、そこが一番」
なんて選定基準は、
あてになるはずがない。
 
幸い、そういうことに気づいた人が、
私のブログを読んで下さっているようなので、
その信頼に応えるべく、
もう少しまともな情報を披露したい。
 
論旨は『ボヘミアン・ラプソディ』絶対応援なのだが、
そのきっかけは、
年末年始に視聴した、
町山智浩氏による解説動画。
 
曰く
  • ラジオで評じた時点では、まだ本編を未見
  • アメリカのプロ批評家の評判は芳しくなかったが、自分は良作だと見抜いていた
  • クイーンの楽曲の意味、歌詞の解説
——と全力投球で圧巻の町山節炸裂だった。
 
ただし、「フレディの彼女メアリーは聖母マリア」ってのだけは、
たまたま実際の元カノがメアリー・オースティンだった偶然だし、
フレディはゾロアスター教徒だったんだから、
キリスト教の比喩は強引なこじつけ/言い過ぎな気がしたが、
なにしろこの発言、「どうしてあえて今頃?」とフシギだった。
 
YouTubeにあったが、
今は削除されている。
 
しかして同氏が「ロッテン・トマト」と称する
Rotten Tomatoes(ロトゥン・トメイトウズ)の評価だが、
プロと一般の評価の乖離(かいり)は、
評論家/批評家が認めてるのに観客がブーイング
『最後のジェダイ』(2017)
反対にプロ酷評、ファン圧倒支持
『グレイテスト・ショーマン』(2017)
等々と、今や茶飯事なのでチェックもしなかったが、
改めて覗いてみたら、
相変わらずの「ダメだこりゃ」状態。
 
いくら何年も評論家を続けていても、
どれだけ多くの映画を見逃さなくても、
一般観客が「良い!」と感じる心を失い、
「おやおや、こんなもので喜んでいるようじゃまだまだだな」
と斜にかまえたり、
(『グレイテスト・ショーマン/ボヘミアン・ラプソディ』症候群)
反対に、
一般客が首をかしげる珍作に、
「この良さがわからない奴は映画を語るな」
と偉ぶったり
(『最後のジェダイ』症候群)
とにかく、あたりまえのことがあたりまえに受け取れず、
ひねくれたり、うがった見方しかできなくなるんだったら、
批評家になんかならない方がいい。
 
というわけで、
この話は続きます。