ボヘミアン・ラプソディ(IMAX・2D版)(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ボヘミアン・ラプソディ(IMAX・2D版)(ネタバレ)

※今回の記事は、心底くだらないこと、もしくはかなりどうでも良いことしか書いていないので、この映画が好きな人やちゃんとした感想が読みたい方は、宇多丸師匠の素晴らしい時評を読んだり、「クイーン自伝映画『ボヘミアン・ラプソディ』を事実検証」とか「炎上案件『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒット!完成まで8年間の紆余曲折」といった記事をチェックしたりするとよござんす。


<僕がこの映画を観ようと思わなかった理由>

本作は“伝説のロックバンド”クイーンの「自伝的な映画」だそうで。まず、「僕にとってのクイーン」について書いておくと「普通に好き (´∀`=)」レベル…なんて書くと、ガチのファンから「なんで“普通”って付けるんだよ、“好き”だけでいいじゃねぇかよ ( ゚д゚) コロスゾ」といったご指摘を受けるかもしれませんが、実際にそんな感じだから仕方ないというか。僕には歳の離れた姉が2人いて、上の姉が洋楽をよく聴いてましてね。その関係で昔から自然と耳にしていたし、僕自身が自主的に洋楽を聴くようになった高校あたりでもう1度触れたりして。たまに映像で見かけるリードボーカルのフレディ・マーキュリーは変な格好で面白い&カッコ良かったし、「オペラ座の夜」「グレイテスト・ヒッツ」はそれなりに愛聴した時期があって。それと、「タモリ倶楽部」「空耳アワー」が始まったころ、クイーンの曲がやたらと流れた記憶がありますよ(「わしゃコケた!」とか「がんば〜れ、田淵」とか「大竹! 腹立つ、誰だって!」とか「ピーマン、ダメですよ〜」とか)。

wikipediaによると、なんとクイーンの空耳は52作品=最多出場なんだって (゚⊿゚) ヘー



長姉から「『バイシクル・レース』はバイセクシャルがかかっていて〜」なんて解説を受けた記憶があるんですが、さっき検索してみれば別に定説ってワケじゃないんですね…なんて話はどうでも良いとして。1991年にフレディが亡くなった時もボンヤリと覚えてまして。エイズに関しては、母親と次姉が看護士ということもあって、さんざん注意されていたので(「同級生のカミソリを借りちゃダメ」とか)、たぶん当時の高校生にしては知識があった方だと思うんですが、「こんなスゴい人も死んじゃうんだな… (´・ω・`)」と悲しくなったと同時にエイズという病気が怖くなったし(今はコントロール可能なレベルにまでなっております)、その後に出た「メイド・イン・ヘブン」は買ったけど、当時の彼女に貸したまま…というセンチな思い出。その他、現在でも筋トレをする時には「マッスル&フィットネス 2006年7月号」にて編集部が選んだ「パワーとモチベーションがUPする25曲」の第14位「地獄へ道連れ」をよく聴いていたりもして、要するに、僕にとってクイーンというバンドは、「一番好き」にはなったことはないけど「日常的によく聴いていた→普通に好き」という表現がしっくりくるのです…って、伝わりますかね。

たぶんクイーンの曲で一番聴いているのはこれでございます。



ただ、本作については観る気がなくて。というのは、予告編が好きになれなかったから。映画館に1ヵ月10〜20回ぐらい足を運ぶ僕の体感では、たぶん劇場で一番流れたのはこのバージョンの予告編だと思うんですが…。ちょっとこのシーンを見てみてくださいな↓

偉そうな人が完成した「ボヘミアン・ラプソディ」に「6分は長すぎる」と指摘すると…。


なんとフレディは相手の性生活に踏み込んだ発言!


すると、他のメンバーもニヤニヤ顔ですよ。


このシーンを観た僕の気持ちを代弁するアライJr.を貼っておきますね(「バキ」より)。


いや、僕だってわかってる。この「奥さんとは6分以内に終わるの?川´_ゝ`)」発言は、お偉いさんが無理解なカス野郎で、そんな奴にフレディがウィットに富んだジョークを飛ばしたシーンだということは。ただ、セックスの形はさまざまあるワケで、そもそも6分以内に終わったらいけないのかと。いや、僕のセックスが6分以内なのかどうかはプライベートな部分なので触れないとしても(微笑)、90年代、全日本プロレスの60分フルタイムドローの素晴らしい試合もあれば、秒殺が衝撃的だったパンクラスもあったように、もしかしたらお偉いさんと奥さんのセックスは全力ダッシュするような濃密な6分なのかもしれないじゃないですか。気が利いた例えのつもりなんでしょうけど、セックスの多様性を軽視しているとしか思えないし、そもそも本物のフレディは性に奔放=6分以内のセックスだって試していた可能性があるのではないでしょうか。

というか、正直なところ、僕と奥さんのセックスレスが9年目に突入したということでね(苦笑)、今、自分がどんなセックスをしていたのかも思い出せない。まぁ、娘が生まれているのだから、セックスしていたことは間違いないのだけれども、だがしかし、思い出の走馬燈は遠くなびくほうき星。もちろん、この時点で映画を観ていない僕には、このシーンだけで、お偉いさんがどんな人間かはわかりませんよ。ただ、彼も僕と同じく「9年間セックスレスの男」だと仮定してみれば。ずっと奥さんとの性交渉がないことに思い悩み苦しみ嘆いていた時、半笑いのフレディに「奥さんとは6分以内に終わるの?川´_ゝ`)」なんてからかわれて、みんなも笑ってる上にお日様も笑ってる状況(もしかして子犬までも!?)に追い込まれた彼の無念、誰が知る!ヽ(TДT)ノ ウワァァァァン! もうね、こんな残酷なシーンがあるかと思って、一応、「観たい映画の覚え書き」では△マークを付けたものの、そんな「人のセックスを笑うような映画」を観てなるものかと、まったく劇場に足を運ぶ気が起きなかった…な〜んて、面倒くさい文章はお好きですか?(お好きですか?)苦手ですか?(苦手ですか?)

ここまで読んだ人の気持ちを代弁する素敵な曲を貼っておきますね↓










ボヘミアン・ラプソディ



原題:Bohemian Rhapsody
2018/アメリカ 上映時間135分
監督:ブライアン・シンガー
製作:グレアム・キング、ジム・ビーチ
製作総指揮:アーノン・ミルチャン、デニス・オサリバン、ジャスティン・ヘイザ、デクスター・フレッチャー、ジェーン・ローゼンタール
原案:アンソニー・マッカーテン、ピーター・モーガン
脚本:アンソニー・マッカーテン
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
美術:アーロン・ヘイ
衣装:ジュリアン・デイ
編集:ジョン・オットマン
音楽監修:ベッキー・ベンサム
音楽総指揮:ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー
出演:ラミ・マレック、ルーシー・ボーイントン、グウィリム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ、エイダン・ギレン、アレン・リーチ、トム・ホランダー、マイク・マイヤーズ、アーロン・マカスカー、マックス・ベネット
パンフレット:★★★★(720円/伊丹久夫さんと小林禮子さんの対談が最高だった!)
(あらすじ)
1970年のロンドン。ルックスや複雑な出自に劣等感を抱くフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は、ボーカルが脱退したというブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)のバンドに自分を売り込む。類いまれな歌声に心を奪われた二人は彼をバンドに迎え、さらにジョン・ディーコン(ジョー・マッゼロ)も加わってクイーンとして活動する。やがて「キラー・クイーン」のヒットによってスターダムにのし上がるが、フレディはスキャンダル報道やメンバーとの衝突に苦しむ。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




80点


とは言え、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題作品になったということで! 「付き合いだしな (゚⊿゚) チッ」と、仕事がスゲー忙しかった11月下旬某日、2回目の「イコライザー2」を観てからTOHOシネマズ日比谷でIMAX・2D版を観てみれば、「普通に好き (´∀`=) ウフフ」ってな調子でございました。


劇場は9割埋まってましたよ。



お話を雑に書いてみれば、「型破りな男がバンドに加入→バンドが大成功→悩みもあって暴走→メンバーと不仲に→反省→再結成して復活!」というミュージシャン映画の王道的な内容でしてね(最近観た作品では「スパイナル・タップ」とか)。まぁ、宇多丸師匠の素晴らしい時評とか「クイーン自伝映画『ボヘミアン・ラプソディ』を事実検証」とかを読むと、実際の出来事がなかなかドラマチックに変えられているそうですが、例えば、司馬遼太郎先生の「燃えよ剣」とか「竜馬がゆく」などの歴史小説みたいなものだと思えば、全然OKじゃないでしょうか(もちろん、怒るファンがいるのも仕方ないと思いますがー)。映画館の音響で味わうクイーンの楽曲が最高だわ、メンバーになりきった役者さんたちのパフォーマンスが見事だわ、ストーリーもグッとくるわと、文句ナシのクオリティ。前述の通り、僕にもそれなりの思い入れはあるのでね、「エイズだということをメンバーに告白→ライヴエイドに挑む」という展開には死ぬほど燃えたし(まぁ、フィクションですが)、ライブシーンでは涙が止まらなかったです ( ;∀;) イイライブダナー


ということで、実際のライヴエイドの動画を貼っておきますね↓




つーか、僕的にはフレディ役のラミ・マレックがとにかく良かったです。近年では「魁!!クロマティ高校」に出てきたフレディのイメージも勝手に合わさって、記憶の中で男っぽくゴツイ印象があったので、最初は「線が細いな…」と思ったりしたんですけれども。ラミ・マレックの“心の繊細さ”が体から滲み出るような演技が見事でしてねぇ…(しみじみ)。ビジュアルは少し違っていても、「たぶんこんな人だったんだろうな」と説得させられたというか。ファルーク・バルサラ時代(第1形態)から少しずつフレディ(完全態)に向けて成長していく姿が本当に素晴らしくて、まさにベストの配役だったのではないでしょうか。


ラミ・マレック、フレディが憑依したかのようでしたな (ノω・、) ヨカッタワァ


念のため、「魁!!クロマティ高校」のフレディを貼っておきますね。



それと、恥ずかしながら「クイーンの曲を誰が作ってたか」については1ミリも知識がなかったので(汗)、各メンバーが提案→曲ができていく過程とても楽しかったです(例え、創作だとしても!)。特に、大好きな「地獄へ道連れ」ができる経緯にはグッときたというか。「マッスル&フィットネス 2006年7月号」の特集「パワーとモチベーションがUPする25曲」の解説には「クイーンは『伝説のチャンピオン』、『ウィ・ウィル・ロック・ユー』、『アンダー・プレッシャー』など、トレーニング向きのヒット曲を数多く手がけている。だが、『地獄へ道連れ』はベース演奏の力強さと過激な感情表現で抜きん出ている」なんて書かれていたんですが、ベーシストのジョン・ディーコンが作っていたなんて、それまでの劇中での扱いが超地味だっただけに、かなり驚いたし、「クイーンは全員が名曲を作ってたんだなぁ」と、妙に感動したというね(若干、ジョン・ディーコンに失礼な文章)。


ということで、あらためて貼っておきますね↓




その他、「アレン・リーチ演じるポール・プレンターは確かにクズだけど、あの当時にゲイでいることは今以上に大変だったんだろうし、彼の存在をフレディにとっての“弱い自分”を捨て去る象徴として扱ったのは上手い構成では」とか「あのお偉いさんがマイク・マイヤーズでビックリ&僕と同年代の映画ファンにとって『ウェインズ・ワールド』の『ボヘミアン・ラプソディ』のシーンはかなり有名ですよね」とか「劇中のフレディが最も悩んでいたであろう父親との関係が修復されるシーンはもっとしっかり描いても良かったのでは?」といったことは置いとくとして。実際に観てみれば「奥さんとは6分以内に終わるの?川´_ゝ`)」なんて台詞はまったくどうでも良くてね(そもそも単なる比喩なんだし…という、長々と訴えた割には酷い着地)。スムースに楽しめる素敵な音楽映画だったし、“本当の自分”を肯定されていないと感じていた青年が、死を前にして「自分が自分であることを本当の意味で誇る」という段階に辿り着く、人生を肯定する映画でもあった…という宇多丸師匠のPA-KU-RI!m9・∀・) ダイナシッ とは言え、僕はそこまでクイーンのファンではないので80点という評価ですが、間違いなく大画面&良い音響で観た方が良いので、気になる方は劇場に足を運んでみてくださいな。




観たら確実にほしくなる国内盤サントラ。デジタル盤もあります。



映画のオフィシャルブック。ファンの方はどうぞ。



シンコー・ミュージックによるクイーンの特集本でございます。



一応、フレディのフィギュアも貼っておきますね。