三角絞めでつかまえてX
映画の感想については基本的にネタバレ全開で書いていますので要注意です。あと、映画の見方が少し偏っているので、点数もそんなに気にしないでくださいね。ツイッターのアカウントは@kamiyamaz (カミヤマΔ)なので、適当にチェックしていただければ幸いです。
※このブログはフィクションです。
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先週の備忘録(2023/9/12~9/18)

毎週火曜日は備忘録を更新する日ということで、先週の出来事や思ったことを適当に書き残しておきますね↓

 

9月12日(火)、職場で仕事→渋谷で映画を1本鑑賞

9月13日(水)、職場で仕事→新宿で映画を1本鑑賞

9月14日(木)、自宅で仕事

9月15日(金)、職場で仕事→職場の飲み会!(°д°;) ヒィィ

9月16日(土)、リハビリ→娘と遊ぶ→大事な収録がッ!

9月17日(日)、妻子と千葉旅行!ヘ(゚∀゚*)ノ ヤッタァ!

9月18日(月)、千葉から帰宅→娘とゲームをして過ごす

※この週は、劇場で新作映画を4本観ました。

※先週の「アトロク」は、まだ木曜日を聴いております… (´Д`;) ゴメンナサイ

 

 

先週は、土曜日にとても大切な収録が控えていた上に、日曜日から妻子と千葉へ芋掘り旅行することが決まっていし、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題映画になった「福田村事件」の感想は絶対すぐアップしておきたい気持ちがあったので(結局、金曜日の深夜になりましたが…)体力的にかなり無理をしました。特に、ある収録のために4本ほど映画を配信で鑑賞したんですけど、その時間を作るのが結構大変だったというね。とはいえ、そんな中、旧作を含めて「福田村事件」「MAD CATS」「ビデオドローム 4Kディレクターズカット版」「キングダム 運命の炎」「クライム・オブ・ザ・フューチャー」の5本ほど劇場で映画を観たんですが「クライム・オブ・ザ・フューチャー」はつくづく変な映画でしたねぇ… (`Δ´;) ウーム

 

 

先週観た映画のgif。「福田村事件」、今年ベスト級ではありましたが…。

 

 

唐突ですが、なんとなく「ほぼネコ映画」をチェックしていただけたら、本当にありがたいのです… (ΦωΦ) ニャー

 

 

 

そんな状況を経て迎えた日曜日は、朝6時半に妻子と自宅を出発して、途中で幕張SAに寄って朝食を摂ってから千葉の成田ファームランドにて芋掘りを実施。これはここ数年の恒例行事なんですけど、ここで獲ったサツマイモを使ってスイートポテトを作る&食べるのが、娘のマナ子(仮名/12歳)の何よりの楽しみなんだとか (´∀`=) カワイー 「スイートポテトができたら、パパにもちょうだいよ ( ̄ー ̄) ニヤッ」「じゃあ、1つだけ!m9`∀´し ビシッ」「えー、もっと食べたいよー (´Д`;) エー」なんて、心底どうでもいいやり取りをするのがまた楽しいのです…(遠い目)。その後、道の駅に少し寄ったり、キノコ狩りをしようとしたら受付が終了してたので断念したり、なかなか美味なつけ麺を食べたり、ホテルにチェックインして娘とゲームをしたり、夕飯は妻のリクエストでカレーを食べに行ったり夜も娘とゲームをしたり…ってな調子で、超幸せな時間を過ごしたんですけれども。実は私、ここ数年はなぜか「パンを食べるとお腹が下りがち」という性質を発症しているんですが、つい我慢できずに日曜日にパンとナンを大量摂取した結果、月曜日は酷い下痢になりまして。著しく体調が悪化する中、頑張って帰宅したというね…(とはいえ、帰宅後はやはり娘とゲームをしました)

 

 

宿泊したのは、「ベッセルイン千葉駅前」18歳以下のお子様の添い寝が無料なのです!(`∀´) オホホホホホ

 

 

その他、金曜日の会社の飲み会は、上司や同僚たちからいろいろと大変そうな話や職場の不満などを聞かされて、帰り道はションボリした…なんて話は置いとくとして。最後に今週のスケジュールを書いておくと、火曜日は取引先の方と飲むことになっていて、木曜日は有給を取得して私用をこなし、土日は娘と遊ぶ予定。そして、平日は暇を見つけて映画を観つつ、副業もしっかりやって、noteを更新するのは当然として、感想週1本運動も継続しながらも。正直、酷い下痢になったのもあって体調があまり良くないので、睡眠時間を増やします… (´Д`;) アァン

 

 

今月の推薦曲は、RHYMESTER「なめんなよ1989 feat. hy4_4yh」となっております。

 

 

 

以上、先週の備忘録でした。ではでは〜。

 

 

 

 

福田村事件(ネタバレ)

福田村事件

 

2023/日本 上映時間137分

監督:森達也

脚本:佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦

企画:荒井晴彦

統括プロデュ―サー:小林三四郎

プロデュ―サー:井上淳一、片嶋一貴

企画協力:辻野弥生、中川五郎、若林正浩

アソシエイトプロデュ―サー:内山太郎、比嘉世津子

撮影:桑原正

照明:豊見山明長

録音:臼井勝

美術:須坂文昭

装飾:中込秀志

衣装:真柴紀子

ヘアメイク:清水美穂

編集:洲崎千恵子

音楽:鈴木慶一

助監督:江良圭

キャスティング:新井康太

スチール:佐藤芳夫

メイキング:綿井健陽

出演:井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、松浦祐也、向里祐香、杉田雷麟、カトウシンスケ、木竜麻生、ピエール瀧、水道橋博士、豊原功補、柄本明

パンフレット:★★★★★(1500円/わかりやすい年表、さまざまな有識者からの寄稿、研究者と脚本家の対談、そして台本収録という、超ベストな一冊)

(あらすじ)
1923年、澤田智一は教師をしていた日本統治下の京城(現・ソウル)を離れ、妻の静子とともに故郷の千葉県福田村に帰ってくる。澤田は日本軍が朝鮮で犯した虐殺事件の目撃者であったが、静子にもその事実を隠していた。その年の9月1日、関東地方を大地震が襲う。多くの人びとが大混乱となり、流言飛語が飛び交う9月6日、香川から関東へやってきた沼部新助率いる行商団15名は次の地に向かうために利根川の渡し場に向かう。沼部と渡し守の小さな口論に端を発した行き違いにより、興奮した村民の集団心理に火がつき、後に歴史に葬られる大虐殺が起こってしまう。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 

 

95点

 

 

正直、本作を観るのを迷ってました。というのは、2020年ごろ、松江哲明監督による性加害事件が話題になった時、森達也監督は松江氏の擁護側に回り、被害者の加賀さんに対して二次加害的なツイートをし、それを訂正も削除もしないままだったからです。もちろん森監督も本人なりに信念があってそうしているんでしょうけど、私からすれば「ムラ社会の義理人情を優先して、デマを流している」としか見えなくて。私は森監督の著作は何冊か読んでいるし、映画も何本か観ていて、「ファンというほどではないけど好き」ではあったので、かなり失望したのです。

 

 

興味がある方はこちらの記事を読んでいただければ。

 

 

ただ、ドキュメンタリーを主戦場としてきた森監督の「初の劇映画」なのは気になるし、それ以上にこの時代に「福田村事件」を題材にしたのはスゴいとしか言いようがない。いや、でも、二次加害を垂れ流し状態だしなぁ…と思っていたら、愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題映画になったということで。「じゃあ、この感想で森監督の二次加害についても書いておくか」と思いつつ、9月12日(火)、渋谷のユーロスペースのスクリーン2にて、火曜サービスデーを利用して1200円で鑑賞してきました。スゴい作品でしたよ。

 

 

客席は8割ぐらい埋まってました。

 

 

身も蓋もなく劇中の時系列を一部無視して内容を適当に書くと、舞台は1923年8月下旬の千葉県にある「福田村」。映画が始まると、「提岩里教会事件に関わって心を病み、韓国から地元に帰って来た元教師の澤田智一(井浦新)と、そんな夫に不満を抱えるハイカラ妻・澤田静子(田中麗奈)」「旦那が戦争に行ってしまって寂しさのあまり浮気してしまった島村咲江(コムアイ)」「戦争に行っている友人の妻・咲江に手を出してしまった渡し守の田中倉蔵(東出昌大)」「戦争に行っている間に父親(柄本明)と妻(向里祐香)がデキててゲンナリな井草茂次(松浦祐也)」デモクラシーかぶれの村長・田向龍一(豊原功補)」「犯罪はなんでも不逞鮮人の仕業』にする報道姿勢にイライラしている熱血記者・恩田楓(木竜麻生)」「香川県からきた薬売りの行商団(被差別部落出身)を率いる沼部新助(永山瑛太)」といった、市井の人々の日常を描いた群像劇が続くんですけれども。

 

映画中盤、9月1日に関東大震災が発生すると、世間には 「朝鮮人が井戸に毒を投げ入れた」なんて流言飛語が飛び交い(国家権力も加担)、自警団が続々と結成された挙げ句、朝鮮人の虐殺が始まった…だけでなく。それに乗じて、警察によって平澤計七(カトウシンスケ)などの活動家の粛清も秘かにおこなわれた(亀戸事件)という酷い話。そして、福田村にも数日遅れで「朝鮮人の悪い噂」が流れてきて、「福田村の在郷軍人会のリーダーである長谷川秀吉(水道橋博士)」を中心とした村人たちがいきり立つ中、行商団と渡し守の間でトラブルが勃発。行商団は村人たちに「こいつら、朝鮮人だ!」と決めつけられると、9人(妊婦含む)が惨殺されてしまったのでした――。

 

 

鑑賞直後の私はこんな顔でしたよ(「刃牙道」第8巻より)。

 

 

率直な感想を書くと、今年のベスト級に「感心した映画」でした。まず、「社会的意義」が大きい。「関東大震災における朝鮮人虐殺」という歴史的に揺るがしようもない事実を「諸説ある」などと言い出して「なかったこと」にしようとする人たちが現れている昨今、そのことをテーマにした劇場用長編作品を撮るなんて、相当なリスクがあり、相当ハードルが高いじゃないですか。しかも本作では、朝鮮人差別だけでなく、これまたデリケートな部落差別も描かれるし、今考えても「よくぞこの題材を扱ったなぁ」と。つーか、恥ずかしながら、私はこの映画が作られるまで「福田村事件」をまったく知らなかったんですが(汗)、私のように本作をキッカケとしてこの最悪な事件を知った人がかなりいるのは間違いないのではないでしょうか(実際に映画を観なくても、Wikipediaで調べたりする人は絶対増えたと思う)この「社会的意義」は半端ないと思います。

 

そして、「面白かった」のがスゴい。ハッキリ言って、「社会的意義」がある映画なんて、世の中にはそれなりに存在していますが、いくら「社会的意義」があろうとも、説教臭かったり、つまらなかったりしたら、多くの人には届かないワケですよ。でも、本作は、知名度が高く演技力のある俳優さんたちが何人も参加して(私的には、名バイプレイヤーのカトウシンスケさんが、いつもより少し大きめの役だったのがうれしかった)、脚本はしっかりしているし、演出だって練られているし、ビジュアルだって安っぽくないし、映画としてしっかり「面白い」んですよね。これは、森監督が「福田村事件」を撮ろうとしていることを知って「一緒にやらないか」と協力を申し出た荒井晴彦監督らのグループの力も大きいんじゃないかと思います。同事件には差別問題が複合的に絡んでいるし、加害者と被害者の子孫は今も存在するし、「エンタメにして良いのか?」という批判があるのは至極当然ですが、でも、エンタメにしたからこそ広く強く伝わるメッセージもあるんじゃないかと。

 

 

ちなみに、荒井晴彦監督は中川五郎さん「1923年福田村の虐殺」を聴いて、「福田村事件」を映画化しようと思ったそうな。

 

 

 

私、正直なところ、観る前は「陰惨な話だし、嫌だな…」と思ってたし、まぁ、実際に観てみたら「どうかしてるほど陰惨な話」なのはその通りだったんですが(そりゃあ現実で起きた虐殺事件を扱っているわけですから)、それでも「エンタメ」的な見せ場がしっかり作られていて劇映画的な魅力と言い換えてもいい)。関東大震災後、朝鮮飴売りの少女が自分の名を叫んで殺されるシーンはハードながらもグッときたし、クライマックスで殺気立った村人たちを相手に、主要登場人物たちが勇気を振り絞って次々と「この人たちは朝鮮人じゃないんだ!」と擁護し始める中、永山瑛太さん演じる沼部新助が「朝鮮人なら殺してもええんか!?」と怒鳴りながら問いかけるシーンには衝撃を受けたし(私も観ながら「この人たちは朝鮮人じゃないのに!」と、疑いを晴らすことばかり考えちゃって、根本的な部分をすっかり忘れてた…)その直後に起こる殺戮にも心底ゲッソリさせられたし、事件を記事にしようとする新聞記者に村長が「俺たちはずっとこの村で生きていかなくちゃなんねぇんだ。だから書かないでくれ…」と哀願する場面もキツくて素晴らしかったし…(そして結局、「福田村事件」が長期間隠されていたという現実が、記者の意思が潰されたことを示しているのもイイ)。トータルして、本当に「映画として面白かった」です。

 

 

鑑賞後はすっかり徳川光成気分だったのです(「刃牙道」第15巻より)。

 

 

な~んて、「文句なしじゃ」画像を貼った直後ながらも、微妙に感じた部分もあって(結局、書く文句)。それは、向里祐香さん演じる嫁の義父へのナマ乳サービスシーンは必要だったのか…というだけでなく。率直な話、本作を観て「私も加害者になるかも?」とは全然思えなかったこと。朝鮮人虐殺や福田村事件の肝って、「普通の善良な人々が虐殺に加担してしまった恐ろしさ」じゃないですか。ちょっと美醜の話になっちゃいますけど、本作の主役級である井浦新さんや田中麗奈さん、コムアイさん、東出昌大さんは軒並み美形な方々なわけですが、彼らは差別的な言動をしたり、不倫関係になったり、「虐殺に加担した過去(でも直接的に手は下してない)」があったりすることで「市井の人々」感はあっても、ちゃんと「クライマックスの虐殺は防ごうとする側」なんですよね(まぁ、井浦さんたちのキャラは「ヒロイックな行動をしても防げない無力さ」担当なんでしょうけど)

 

じゃあ、虐殺をするのは誰かって、口火を切るのは「赤子を抱えた女性」ですが(夫が殺されたと思い込んで、朝鮮人に敵意を抱いてる)、あとのメンバーは観客からしても「自分はこんな風にはならないかな…」ってムードがムンムンなブサイクマッチョな人たちなんですよね。例えば、水道橋博士が演じる長谷川秀吉とか、松浦さんが演じる井草茂次とか。お二人とも身を削るような演技が素晴らしいのは確かなんですけど(特に長谷川のラストの「お上を責める慟哭」はお見事ッ!)、とはいえ、最初から「こいつらならやりそうだな」感が全開なんだもの…。私的には「自分も憎悪を燃やして、人を殺してしまうかも?」と思わせて欲しかったのに、残念ながら本作を観てもあまりそうは思えなくて。これはこの映画の大きな瑕疵なんじゃないでしょうか。

 

 

「文句なしじゃ」と書きつつも、正直、こんな風にも思ったという、面倒くさいアタシ(「バキ道」第3巻より)。

 

 

それと、「監督の人格と作品は別」という意見もありますが…。この感想文の冒頭にも書きましたが、本作で「真実を見極めて良心に沿って行動することの大切さ」を訴えているはずの森監督が、性加害事件の被害者を傷つけるような自己陶酔ツイートを垂れ流し、それを放置したままなのはどうなんですかね。前述したように、松江監督側につくのも別に森監督の自由ですけど、私は「森監督は言行不一致で不誠実な人間」だと思い続けるし、これからも森監督について語る時はしつこくこの話題に触れると思います。

 

 

私の森監督への気持ちを代弁する徳川光成を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」第26巻より)。

 

 

その他、「たぶん『グラップラー刃牙』の存命の登場人物の中で、関東大震災を経験しているのはこの人ぐらいだろう」と思って徳川光成の画像だけ貼ってみた…なんてことは、ほとばしるほどどうでも良くて。ダラッと駄文を書き連ねましたが、私の感想は、こんな感じこんな感じ。ちょっと「音楽」を観た時を思い出す後味というか、森監督のせいで恐ろしく気まずいけど、とはいえ、本当にスゴい作品ではありました。なお、内容が充実してて超お買い得なパンフに掲載されていた、市川正廣さん佐伯俊道さんによるヒリヒリした対談によると(超素晴らしいので必読!)実際の事件の状況とは結構違うそうなので、辻野弥生先生の著書「福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇」をちゃんと読んでおこうと強く思った次第。

 

 

一応、kindle版を購入いたしました。でも、まだ読んでないです… (´∀`;) スミマセン

 

 

おしまい。

 

 

 

 

「福田村事件」を知るのに最適な辻野弥生先生の著書。私の姉も買ってました。

 

 

映画の端緒となった、中川五郎さんの曲でございます。

 

 

必読の名著「九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響」も合わせてどうぞ。

 

 

 森達也監督の前作。私の感想はこんな感じ。

 

 

 

 

ヴァチカンのエクソシスト(ネタバレ)

ヴァチカンのエクソシスト

 
 
原題:The Pope's Exorcist
2023/アメリカ、イギリス、スペイン 上映時間103分

監督:ジュリアス・エイバリー

製作:ダグ・ベルグラッド、マイケル・パトリック・カチュマレク、ジェフ・カッツ

製作総指揮:ジョー・ホームウッド、ソフィー・キャシディ、エドワード・J・シーバート

原作:ガブリエーレ・アモルト

原案:マイケル・ペトローニ、R・ディーン・マクレアリー、チェスター・ヘイスティングス

脚本:マイケル・ペトローニ、エバン・スピリオトポウロス

撮影:カリッド・モタセブ

美術:アラン・ギルモア

衣装:ローラ・マリー・ムーガン

編集:マット・エバンス

音楽:ジェド・カーゼル

出演:ラッセル・クロウ、ダニエル・ゾバット、アレックス・エッソー、フランコ・ネロ

パンフレット:★★★(880円/もう少し企画ページがほしいけど、高橋ヨシキさんと田中昇神父のコラムが良かったから、許す)

(あらすじ)
1987年7月、サン・セバスチャン修道院。アモルト神父はローマ教皇から、ある少年の悪魔祓いを依頼される。少年の様子を見て悪魔の仕業だと確信したアモルトは、若き相棒トマース神父とともに本格的な調査を開始。やがて彼らは、中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判の記録と、修道院の地下に眠る邪悪な魂の存在にたどり着く。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 

 

75点

 

 

今さらながら感想を残しておきますよ。率直な話、最近の私は「悪魔祓いモノ」に飽きているところがあって。定番の「本当に悪魔が憑いているのかな? 心の病なのかな?(`∀´) ククク」的な展開とかは好きだけど、とはいえ、ちょっと食傷気味。そもそもキリスト教も好きじゃないし…。ただ、あまりに本作の評判が良い上に、愛聴しているラジオ「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題映画になったので、7月18日(火)、仕事帰りにTOHOシネマズ新宿の6番スクリーンで鑑賞してきました。普通に面白かったです (・∀・) ヨカッタ!

 

 

当日のgif。客席はほぼ満席。量り売り菓子を緑で統一することにより、野菜を摂取した気分になったという。

 

 

ちなみに今回は宇多丸師匠はお休みで、三宅隆太監督&山本匠晃がレビューしております!

 

 

親日家&プロレスファンのプロデューサーのジェフ・カッツに抗議されそうなほどに、ストレートなウソを交えた雑なあらすじを書いておきますと。シングルマザーのジュリアは、亡き夫が所有していたスペインのサン・セバスチャン修道院を改修して、生活を立て直そうと奮闘してましてね。ブーたれる娘エイミー&素直な息子ヘンリーと一緒に、修復中の修道院で暮らし始めるんですが、しかし。ヘンリーが乱暴に話し始めたり、奇怪な行動をとったりと、モロに悪魔憑きみたいになったから、さぁ大変!Σ(゚д゚;し タイヘーン! 地元の若手神父トーマス・エスキベルを頼ってみてもまったく頼りにならないし、なんと悪魔が直々に指名してきた…ということで。「ヴァチカンのエクソシスト」として名を馳せる、ガブリエーレ・アモルト神父の登場だい!(突然、「イカ天」の相原勇さん風に)

 

 

普通の少年ヘンリーが、アイーン顔して悪態をつきまくるようになりましてね。

 

そんな彼を救うべく、アモルト神父がスクーターに乗ってやってきた! やだ、可愛い〜 (´∀`=)

 

 

「人は見た目が9割」「悪魔憑きは精神疾患が9割」が持論のアモルト神父がヘンリーと接してみると、例えるなら「童貞だった頃、見栄を張って友人たちに架空の性体験を話したら、ウソだってバレバレな雰囲気が瞬時に漂ったものの、見て見ぬふりをする情が虎眼流剣士たちにも存在した」といった(あまり同感を得られなさそうな例え)「自分しか知らないはずの隠したい過去」を嬉々として暴露してきたりするから、アモルトもスムースに悪魔憑き認定ですよ (o^-')b ニンテイ! 早速、悪魔祓いを試みるも、敵はなかなかパワフルで歯が立たず。打開策を見つけるために修道院を探索してみれば、「強力な悪魔アスモデウスが高名な神父に憑りついてしまい、罪のない人を宗教裁判にかけては大量に虐殺していた→この修道院に封印されていたのに復活→悪魔ったらアモルトに憑依して同じことを実行する気マンマン!」ということが発覚しましてね。いろいろあって、アモルトったらすっかり憑りつかれそうになるも、最終的にはエスキベルと協力してラテン語パワーで悪魔を退治!ヽ(`Д´)人(`Д´)ノ ラテンGO! 実は悪魔が封印された場所は全世界にいくつもあるそうで、「オレたちの戦いはこれからだ!Σ(゚д゚(゚д゚ ) クワッ!」ってな調子で映画は終わってたんじゃないかしらん。

 

 

最後はこの2人が世界各地で悪魔祓いをしまくりそうなムードで終わってましたよ。

 

 

前評判の高さ通り、良いエンタメ作品でしたな (´∀`) タノシー まず、主役にラッセル・クロウを配したのが大正解だったかと。私的に彼はどうしても「L.A.コンフィデンシャル」とか「グラディエーター」の頃の「シュッとしたタフガイマッチョ」なイメージが強くて(とはいっても、もう20年以上前の話ですがー)。ごめんなさい、基本的に「グッドシェイプな肉体」が好みなので(ただし、サモ・ハン・キンポーのように最初から動ける太っちょは好きさ!)、演技力はスゴいと思っているものの、近年の太ったビジュアルはそんなに支持していなかったんですよね…。

 

 

「グラディエーター」より。この頃の体が好きだったなぁ (´・ω・`) ウーン

 

 

だがしかし。本作のラッセル・クロウは、肥満による肉体の大きさと丸みが絶妙な”熊っぽさ”を醸し出していて。もうね、小さなスクーターで移動する姿とか「可愛い」といっても差し支えなく(なお、パンフに載ってた「正直に言って、怖い映画は好きじゃないんです。眠れなくなるから…」というラッセル・クロウの発言もまた可愛い)。とはいえ過体重による貫禄もしっかり兼ね備えており、まさに独特の魅力を持つ唯一無二のキャラクターを作り上げていたのです。私はようやく「そうか、ラッセル・クロウは”悟り”ならぬ“太り”を得たのだな」と気づかされまして。すっかり「D-E-B-U、太ったっていいじゃない」的な気持ちになり、ダイエットもサボりがちになったというね。だから先日、メタボ検診を受けた時も保健師の方に「私は“太り”を得たのです!Σ(°д° ) クワッ!」と強弁してみたものの、「〆のラーメン禁止令」を発令されてしまった…って、どうでもいい話ですな。

 

 

ここまで読んだ人の気持ちを代弁しそうな曲「どうでもいい! (feat. 初音ミク)」貼っておきますね↓

 

 

 

ただ、ちょっと不満を書いておきますと。ラッセル・クロウが可愛い分、ホラー映画としてはそんなに怖くない上に、ジュリア親子の顛末が投げっぱなしで終わったのが残念…というだけでなく。これ、高橋ヨシキさんもパンフで指摘されてたし、映画仲間のそーす太郎さんもブログで書かれていて、「我が意を得たり!Σ(°д° ) クワッ」と思ったんですが、キリスト教側がやってきた悪行を「悪魔に憑りつかれたせい」にするのはズルいなぁと。まぁ、本物のガブリエーレ・アモルト神父の主張自体がそんな感じだったらしいですけど、だから宗教って好きになれないよな…なんて思ったり。

 

 

実際のアモルト神父はこんな感じ。

 

 

とはいえ、上記のあらすじからは省きましたが、「悪魔を豚に憑依させる」というオープニングの悪魔祓いシーンから「つかみはOK!」だったし、ジュリアス・エイバリー監督はあの「オーヴァーロード」「サマリタン」を撮った人なので、エンタメ的にちょうどいい面白さがあって。バディモノとして普通に楽しかったです(って、悪魔祓い映画はたいてい「ベテラン×若者」のバディモノになってる気がしますがー)。続編が公開されたら、また観に行きます、たぶん (o^-')b タブン!

 

 

 

 

原作となった、ガブリエーレ・アモルト神父の回顧録。現在、アホみたいな値段(9万円台)になっております。

 

 

デジタル版のサントラになります。

 

 

ジュリアス・エイバリー監督の前作であり、シルベスター・スタローン主演作。それなりに面白いヒーロー映画でしたな。

 

 

戦争映画と思いきや…的なジュリアス・エイバリー監督作。これも普通に面白かったです。

 

 

格闘家が「神の右手」で悪魔をぶちのめすキム・ジュファン監督作。最近観た悪魔祓い映画では一番好みかな。

 

 

こちらの記事を読んで気になっている学園×青春×悪魔祓いムービー。今度観ますッ!

 

 

 

 

先週の備忘録(2023/9/5~9/11)

毎週火曜日は備忘録を更新する日ということで、先週の出来事や思ったことを適当に書き残しておきますね↓

 

9月5日(火)、職場で仕事→新宿で映画を1本鑑賞

9月6日(水)、職場で仕事→渋谷で映画を1本鑑賞

9月7日(木)、職場で仕事→新宿で映画を1本鑑賞

9月8日(金)、自宅で仕事→東中野で映画を2本鑑賞

9月9日(土)、新宿で映画を2本鑑賞次姉の家で母の誕生祝いッ!

9月10日(日)、娘と遊ぶ→自宅で仕事

9月11日(月)、職場で仕事

※この週は、劇場で新作映画を8本観ました(うち2本は短編映画)。

※先週の「アトロク」は、「『バービー』サントラ解説」「『劇場版シティーハンター 天使の涙』情報」が好みでした。

 

 

先週は、「アトロク」出演によって消耗した体力を回復すべく、ゆっくり過ごすつもりだったんですが、結局、ほぼ毎日ペースで仕事帰りに映画を観てしまったというね (´∀`;) エヘヘ 「CLOSE クロース」「オオカミの家(短編「骨」併映)」「658km、陽子の旅」「星くずの片隅で」「シン・ちむどんどん」「映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐 」「映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン」などを鑑賞したんですが、私的には「シン・ちむどんどん」にグッときましたねぇ…(しみじみ)。ダースレイダーさんのラップに感動したのはもちろんのこと、沖縄問題がよくわかって超タメになったのでね、ぜひみなさんにも観ていただければと。

 

 

先週観た映画のgif。「658km、陽子の旅」「星くずの片隅で」も結構好きでしたよ。

 

 

あと土曜日は、横浜の次姉の家にて母の82歳の誕生日を祝う会がありまして。参加したのは、私+母+次姉+その旦那+甥っ子+その赤子の6人。酒を呑みつつ、猫を撫でながら、適当な駄話をしたんですが…。なんと姉が宇多丸さんの9月1日のオープニングトークを読んだ影響で、「九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響」「福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇」を購入&読破してて、かなりビックリした次第 (゚д゚;) マジカー

 

 

次姉の家では、この日本酒を持ち込んで、みんなで呑んだりしたのです(赤子除く)。

 

ちなみに日曜日は、娘とずっとゲームをしてました。


 

 

唐突ですが、なんとなく「ほぼネコ映画」もチェックしていただけたら、本当にうれしいです… (´ΦωΦ`) ニャー

 

 

 

その他、「『大盛軒』で鉄板麺が食べられなかったのは残念だった…」なんてことは置いとくとして。最後に今週のスケジュールを書きますと。都内上映が終わりそうな映画をそれなりに観つつ、金曜日は職場の飲み会に顔を出し、土曜日は超大切な仕事があって、日曜日は妻子と芋掘りに行く予定でございます。そして、例によってnoteを更新するのは当然ながら、意外と続いている感想週1本運動も継続しますYO!ヽ(`Д´)ノ キィィィィッ!

 

 

今月の推薦曲は、RHYMESTER「なめんなよ1989 feat. hy4_4yh」なのです。

 

 

 

以上、先週の備忘録でした。ではでは〜。

 

 

 

 

オオカミの家(ネタバレ)

※今回の記事は、本作が好きな方は不快になる怖れがあるので、気をつけて!
 
 
 

 

オオカミの家

 
 
原題:La Casa Lobo
2018/チリ 上映時間74分

監督・脚本:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ

製作:カタリーナ・ベルガラ、ホアキン・コシーニャ

製作総指揮:ニレス・アタラー

脚本:アレハンドラ・モファット

出演:アマリア・カッサイ、ライナー・クラウゼ

パンフレット:★★★★☆(990円/デザインが不気味なのが良いし、解説記事も充実。本作を理解したい人にはマストの一冊。同時上映の短編「骨」のポスター型パンフも付いてます)

(あらすじ)
美しい山に囲まれたチリ南部で、「助けあって幸せに」をモットーに掲げて暮らすドイツ人集落。動物が大好きな少女マリアは、ブタを逃してしまったために厳しい罰を受け、耐えきれず集落から脱走する。森の中の一軒家に逃げ込んだ彼女は、そこで出会った2匹の子ブタにペドロとアナと名づけて世話をするが、やがて森の奥からマリアを探すオオカミの声が聞こえてくる。マリアがおびえていると子ブタは恐ろしい姿に変わり、家は悪夢のような世界と化す。(以上、映画.comより)


予告編はこんな感じ↓

 

 

 

70点

 

 

いつの放送かは失念しましたが(汗)、私が愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」で話題になったので、「オリジナルA4クリアファイル」付きの前売り券を購入して、それなりに楽しみにしてましてね。同番組の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の今週の課題映画になったということで、9月6日(水)、会社帰りに家系ラーメンを食べてからシアター・イメージフォーラムにて鑑賞いたしました。「凄ェ…ッッ!Σ(°д°;) ヒィィッ」と度胆を抜かれましたよ。

 

 

当日のgif。観客は30人ぐらいだった記憶。



最近は、あまり事前情報を入れないで観るのが好きでしてね(微笑)。本作については、「世界中で評価されているストップモーションアニメ」とか「あのアリ・アスター監督が本作に惚れ込んで、同時併映の短編『骨』の製作総指揮を務めた」とか「チリの犯罪カルト集団『コロニア・ディグニダ』が題材になってる」程度の知識しかなかったので、「オオカミと七匹の子ヤギ」をストップモーションアニメにしつつ「虐待」を描いた見里朝希監督の短編「マイリトルゴート」っぽいのを連想してたんですが…。もうね、予想とまったく違ってました。

 

 

「マイリトルゴート」はYouTubeで観られます。私の感想こんな感じ。

 

 

一番驚かされたのは、アニメ表現。舞台となる「オオカミの家」では、物体が次々とアニメ的に姿を変えていく上に、壁面も次々と塗り替えられていって、しかもどの場面も「一枚のアート」として成立するクオリティなんですよ。最初に上映された同時併映の短編「骨」(14分)も、「1901年に作られた」という設定で、骨が次々と姿を変えていったり、等身大の人間(?)も出てきたりして、かなりおかしな内容でしたけど、本作については「まさかこんなアニメ表現があるとは!Σ(゚д゚;)」と。凄まじくタメになるパンフによると、本作はさまざまな国の美術館やギャラリーで「実寸大の部屋のセットを組んで展示していた作品」を少しずつ変えては撮影し、5年間かけてストップモーションアニメにした…というモロにアートな作品でしてね。美術や何やらにはすっかり疎い私ですけど、これは観た瞬間、「アート!Σ(゚д゚;)」と思ったし、とにかく「今、凄いものを観ている」という感覚に包まれたというか。これ、マジで一見の価値アリだと思います。

 

 

鑑賞中の私の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「刃牙道」第4巻より)

 

 

しかも、内容は「おぞましい」のひと言。前述の通り、長期に渡って男児に性加害を実施していた犯罪カルト集団「コロニア・ディグニダ」が題材なんですが(誰もが世界史上でも稀に見るチャイルド・マレスターだということが公になったジャニー喜多川とジャニーズ事務所を連想するのでは)、本作は「一捻り」あって。コミューンから逃げ出した女性が2匹の子ブタ(のちに「子ども」になる)を保護して一緒に暮らし始めるも、彼女自身が虐待ばかりでまともな教育を受けていないから、自分がされたようなことをしてしまう…ってな調子だから、ゲッソリですよ ('A`) ゲッソリ もうね、次々と様相を変えていくビジュアル(変化するたびにやたらと目や口から黒いモノが流れ出るのが不気味だし、「十字架がハーケンクロイツになって窓枠になる」とか、細かい部分もよくできてる)とにかく圧倒されるし、「結局、反逆した子どもたちに食われそうになって、自分を虐待していたオオカミに助けを求めてしまう」というゲッソリなオチも含めて、悪夢を観た気分になった次第。


 

鑑賞後の私の気持ちを代弁する範馬刃牙を貼っておきますね(「刃牙道」第4巻より)

 

 

ただ、正直なところ、ごめんなさい、退屈でもありました (´∀`;) エヘヘ これ、宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」とか、フィル・ティペット監督による渾身のストップモーションアニメ「マッドゴッド」を観た時も「似た感覚」に襲われたというか。「いや、本当にアート的だし、スゴいものを観てる自覚はあるんだけど、なんか飽きてきたな…いや、本当にアート的でスゴいのだけれども… (´Д`;)」的な? たぶん私の脳には情報過多な作品なんでしょうな…。だから、なんかね、ああん、上手く書けないんですけど、ごめんなさいって感じです(突然、投げ出した感じの文章)

 

 

そんなワケで、鑑賞後、こんな気持ちの私もいた次第「範馬刃牙」第30巻より)

 

 

その他、「短編『骨』は事前知識がないとサッパリだな」とか思ったりしましたけど、それはそれとして。微妙なことも書いちゃいましたが、スゴい作品なのは間違いないです。「合う!ヘ(゚∀゚*)ノ」「合わない!(・A・)」がハッキリ分かれそうな気がしますが、映画(特にアニメ)が好きな人は一度は観ておくと良いんじゃないかと強く思います。おしまい。

 

 

 

 

今年観た「コロニア・ディグニダ」を扱った映画。私の感想はこんな感じ。

 

 

「コロニア・ディグニダ」を扱ったエマ・ワトソン主演作。未見なんですよね…。

 

 

 

 なんとなく貼ってみた、アリ・アスター監督のデビュー作。私の感想はこんな感じ。

 

 

 

 

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