デス・ウィッシュ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

デス・ウィッシュ(ネタバレ)

デス・ウィッシュ



原題:Death Wish
2018/アメリカ 上映時間107分
監督:イーライ・ロス
製作:ロジャー・バーンバウム
製作総指揮:イロナ・ハーツバーグ
原作:ブライアン・ガーフィールド
オリジナル脚本:ウェンデル・メイズ
脚本:ジョー・カーナハン
撮影:ロジェ・ストファーズ
美術:ポール・カービイ
衣装:メアリー・ジェーン・フォート
編集:マーク・ゴールドブラット
音楽:ルドウィグ・ゴランソン
出演:ブルース・ウィリス、ビンセント・ドノフリオ、エリザベス・シュー、ディーン・ノリス、キンバリー・エリス、カミラ・モローネ、ボー・ナップ、カービー・ブリス・ブラントン
パンフレット:☆(720円/薄くて超ショック…。銃器解説、過去作との比較、ギンティ小林さんのコラム起用など、やれることはあるのでは)
(あらすじ)
警察すら手に負えない無法地帯となったシカゴで救急患者を診る外科医ポール・カージー(ブルース・ウィリス)。ある日、ポールの家族が何者かに襲われ、妻は死に、娘はこん睡状態になってしまう。警察の捜査は一向に進まず、怒りが頂点に達し、復讐の鬼となったポールは自ら銃を取り、犯人抹殺のために街へと繰り出す。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




95点


あのイーライ・ロス監督が「狼よさらば」をリメイクすると聞いたら、「街のダニども全員死刑に処す」系ムービーを愛する僕的には、そりゃあ観たくなるのが人情ということで、前売り券を購入。ただ、主演がブルース・ウィリスなると、「彼にチャールズ・ブロンソンのキュートさは出せまいよ ┐(´ー`)┌ シカタナシ」と思うところもあって、後回しにしようとしていたところ。愛聴しているラジオ番組「アフター6ジャンクション」の週刊映画時評コーナー「ムービーウォッチメン」の課題作品になったので、先週の日曜日にTOHOシネマズ日本橋にて「旅猫リポート」と続けて鑑賞。さらに今週水曜日にTOHOシネマズ新宿2回目を観てきました。テストステロンがッ、噴出したッ!Σ(°д° ) クワッ


前売り特典は「汚れには問答無用『デス・ウィッシュ』特製てぬぐい」だったり。


1回目は日本橋の11番スクリーン。日曜日ということもあって、ほぼ満席でしたよ。


2回目は新宿で6番スクリーン。22時からの回だったせいか、観客は10人ぐらい。



お話を雑に書いておくと、妻を殺されて娘を昏睡状態にされた外科医のポール・カージーが、たまたま銃を手に入れた&犯罪行為に直面したことで自警団活動に開眼!Σ(°д° ) クワッ さらに、妻を殺した男たちの手掛かりを摑んでオレ流捜査を始めると、街のダニどもをひとりひとり殺していくという大好物すぎる展開が繰り広げられるのデス (´∀`=) ウフフ オチを書いておくと、娘が意識を取り戻したので帰宅する→主犯格の男が仲間を引き連れて家を襲撃してくる→見事返り討ち→刑事も「自警活動を辞めるなら許す!(・∀・) シカタナシ」と罪に問われずに済んで、娘も大学に無事通えるようになりましてね…(しみじみ)。最後は、街中で見かけた泥棒に向かって銃を撃つ仕草を見せて、終わってましたよ。


このシーン、「狼よさらば」のラストのオマージュなのです。



スゲー面白かったです。イーライ・ロス監督作では「ホステル」「グリーン・インフェルノ」も大好きですが、ハッキリ言って、現在、本作をぶっちぎりで愛しております。「狼よさらば」の今風アレンジとなると、近作(とは言っても10年以上前)では「ブレイブ ワン」あたりが脳裏に浮かぶワケですが、あっちはかなり重めだったじゃないですか。そりゃあ、傑作「狼の死刑宣告」もしかり、「愛する人を殺されて自警活動を始める」なんて話は重くて当然なので、もちろんそれはそれで嫌いじゃないんですけれども。


久しぶりに観直した「狼よさらば」には、ギンティ小林さんが仰っていた通り、デンゼル・ワシントンが出てました(右)。



もうね、本作の見事なところは、「マッスル&フィットネス 2006年7月号」誌上で発表された「パワーとモチベーションがUPする25曲」の第3位に選ばれたAC/DCの名曲「バック・イン・ブラック」を訓練シーンやエンディングで使うという、いわゆる「ジャンル映画らしい、わかりやすい“軽さ&燃え&面白さ”」を見せながらも、構成や演出は何気に細部まで考えられていて、しっかり「楽しいけど考えさせられる作り」になっている気がしなくもないように感じてるし、そう思いたい(なんだこれ)。僕なりの意見を書くと、オリジナル版の良さというのは「妻を殺して娘を陵辱した犯人たちが野放しのまま終わる」部分にあって。ストレスは溜まるものの、それゆえに主人公の自警行為が「どうしようもない足掻き」に見えて、指鉄砲を撃つラストカットがキュートながらも不穏なワケですよ。で、本作は加害者どもを全員殺してしまう部分はオリジナルの良さを損なったとも言えるんですが、ブルース・ウィリス演じるポール・カージーがちゃんと「若干、サイコ」に見えるので(この「若干」が重要!)、ラストは「お目当てのクズを全員殺しても罪に問われず、人生を再スタートできる」という爽快な状況にもかかわらず、観客には「これで良いのかな… (`Δ´;) ヌゥ」といった妙な後味が残るのがイイ…って、伝わりますかね。


ちなみに、久しぶりに観直した「ロサンゼルス」にはローレンス・フィッシュバーンが出てましたよ。



キャスティング&演技のアンサンブルも良かった。主演のブルース・ウィリスが予想以上にポール役に合っていただけでなく、奥さん役のエリザベス・シューと娘役のカミラ・モローネとの“仲良し家族ムード”が素晴らしかったからこそ、観客的には「ポールの怒りと挫折感」に感情移入しまくれるワケで。弟フランクにビンセント・ドノフリオという「こいつも何かしでかすのでは?」的なキャスティングも良いスパイスだし、ディーン・ノリスとキンバリー・エリスによる刑事コンビはスピンオフを作ってほしいほどに最高でした。強盗犯を演じた人たちも文句ナシで、特に「観客からすると最も苦しんでほしいクズ」の筆頭である強盗ジョーを演じたロニー・ジーン・ブレヴィンスに関しては、彼の「卑劣なクズ演技からの『やめてくれ! (´Д`;)』演技」はシャッキリポンと舌の上で踊る級の美味であり、最後は車に潰されて脳が出てましたけど(苦笑)、「この人、スゲー良い仕事をしたなぁ (´∀`=) ホッコリ」とホッコリいたしました。そして、何よりもカービー・ブリス・ブラントンが演じた「初めての銃?川`∀´)」と声をかけてくる銃砲店のベサニーにすっかり恋をしたことも書き残しておきましょう(偉そうに)。


この仲良し家族描写がスゲー良かったし…。


刑事コンビも無能に見えなくて良い感じ。


そして素敵すぎる銃砲店のベサニー! 僕も…銃が買いたいです… (´Д`;) ハァハァ



現代風にアップデートした数々の要素がまた良すぎて、挙げるとキリがないんですが、僕的に歓喜したのが、外科医という設定(オリジナルでは建築士)。外科医といえば「人体を毎日こねくり回している→人間の急所を熟知している人種」なワケですけれども。もうね、ジョーを拘束してから座骨神経にブレーキ液をかけるという外科医の知識を活かした拷問をやってくれた時は「待ってましたぁ!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ!」と声が出そうになったし、「坐骨神経痛には痛散湯だよ!(・∀・) ヒューヒューダヨ!生島ヒロシさん気分になったほど。あとは、諸々をネットで学習する様子や射殺動画がSNSで拡散されたりするのが今どきだったりとか(それを見てうれしそうなポールが怖い!)、警察の捜査が進展しない事情の描き方がスマートだったりとか(ポールが警察署を訪れると避けないし、単なる無能として描かない)、銃撃アクションが素人っぽい&捨て鉢っぽくて意外と新しかったりとか、事件発生直後からの現場検証シーンへの転換演出が良かったりとか、ハードディスクをドリルで開けるくだりで「ドリル優子」を思い出したりとか、伏線を張っていた“収納キットの中の銃”でラスボスのノックスを射殺するくだり(100点!)が「スーパー・マグナム」のオマージュっぽかったりとか、ノックスを射殺した時のBGMの2度使いが愉快だったりとか、マジで褒めても褒めても褒めたりないほど良かったのです (´∀`=) スキヨ


ジョー役のロニー・ジーン・ブレヴィンスが良い感じで苦しんでくれるので…。


主人公の外科医設定が光輝くというね。


ここの突発的な銃撃シーン、ショッキングなだけでなく、主人公の「人生を投げた感」もあってグッときました。



その他、「強盗犯たちがなぜ医者を警戒していたのか?」とか「ノックスはポールを一方的に襲撃すれば良かったんじゃないの?」とか「アメリカの銃社会問題って解決しようがないよな…」とか思うところはなくはないんですが、長くなるので割愛! ちくしょう、夢のように面白かったし、なんかね、本作を観たことで体内のテストステロンが過剰に分泌されて、「バック・イン・ブラック」を聴きながら帰っているだけで、どことなく全身が強靱になってきた印象(※個人の感想です)。とは言え、その副作用として非常に短気になっていて、この感想がアップされるころ、ちょうど仕事の打ち合わせがあるのでね(苦笑)、こっちが下請けだと思って舐めた口を叩いてきたら、一生残る痛みを与えてやるーー。ふふふ、そんな社会人失格な文章を書いてみたけれど、私は元気です (´∀`) ナンダコレ


結局、最近はAC/DCばかり聴いてます。



おしまい (´∀`) ナンダコレ




デジタル盤のサントラ。輸入盤もありますが、どちらも「Back In Black」は入っておりませぬ。



イーライ・ロス監督作で一番好きなのは、今まではこれでした。僕の感想はこんな感じ



マイケル・ウィナー監督×チャールズ・ブロンソン主演作。2作目からは毛色が変わるけど、決して嫌いにはなれないぜ。



ニール・ジョーダン監督による、ジョディ・フォスター版「狼よさらば」と言える作品。



ジェームズ・ワン監督×ケヴィン・ベーコン主演作。最高の1本でございます。