こんばんは
会うとホッとする心理カウンセラー
ジャージコバ認定カウンセラー
せいちゃんです。
俺自身の
少年から思春期にかけての性に対する気持ちや
異性に対する気持ちの
変化と葛藤を書いている
シリーズ『少年が性の扉を開けたとき』
この続き
・・・てっ、手、、繋ごうか？
うん。
中３の冬
初めてゆきのさんと手をつないだ一瞬。
あの時と、また感覚が違う。
今、俺は自らの言葉で伝えている。
勇気を出して
大人っぽくして
俺がリードしようとしている。
頼もしく
男らしく
なったような気がした。
初めて、ずっと女の子と手をつなぐ。
めちゃめちゃ緊張する。
緊張して手が震えないように
一定の力で手をつなぐ。
さっきまで弾んでた会話は静まり
商店街を行き交う車やバスの音が騒がしく感じる。
白山さんは恥ずかしそうに下を向いていた。
俺は、ロボットのように一定の力で手を握る。
どう握っていいかわからない。
震えるかもしれない。
それは嫌われるかもしれない。
だから一定の力で。
緊張で、手には何の抑揚もリズムもない。
ただ、夏の暑さで
手と手の中がゆっくり熱く、湿っていく。
その俺の手を
白山さんはゆっくり強く握り返した。
その瞬間
胸が急にあったかくなった。
つないだ手
握り返されるだけで
こんなに嬉しいのか。。。
その瞬間
そこに言葉はないんだけど
証拠みたいなものは何もないんだけど
白山の思いが俺の胸に届いた気がした。
白山さんの「好きだよ」が伝わってくる。
商店街の終わり、その先は龍田橋、俺の家のほう。
ここで今日は別れる。
ゆっくり手と手が離れる。
龍田橋を1人歩きながら
熱かった手は冷めて、風で乾いていく。
その夜、自分の部屋のベッドの上
テレビの Mステーション
見るはずが
ぼっーと天井を見つめて思う。
手をつないでて、、、
改札とかトイレとか何か買う時とか、、
一回、手を離すよなぁ。
そのあと、どうしたらいい？
またさっきのように
手、つなごうか？
って言うのかなぁ、、、。
手を離すたびにあの緊張のセリフを何回も言うのか。
それはそれで不自然だし
何かカッコ悪い。
一度、手が離れる。その後どうしてるだろ。
キムタクはドラマでどうしてたんだろ。。。
。。。
何も言わず、そっとまた手をつなぐのが
良いんだろうなぁ。。。
それが男らしくて
カッコいいんだろうなぁ。
そんなことできるのか俺。
でも、見ずに手を握ろうとして
手の位置が違って
白山さんの手を掴み損ねたら
手がバタバタしてたら、白山さんびっくりするだろ。
それはそれでカッコ悪いしなぁ。。。
そんなことを考えながら
気になってたMステーションは
いつの間にかエンディング。
電気を消して
山から入ってくる涼しい風と月のひかりに
今日の幸せを照らし合わせる。
心地よく、知らぬ間に眠っていく。
そして次の日の学校帰り
その手をバタバタさせ、うまくつなげず
失敗をした。
白山さんは嬉しそうに笑って
手をつないでくれた。
そうやって
だんだんと手をつなぐのが自然になる。
彼氏彼女ってこんな感じかぁ。
その日も
倉岡町駅を降りて
自然に手をつなごうとした
その時だった。
後ろから
懐かしい匂いがした。
土と汗の匂い、久しぶりに聞く声
嫌な感じがした。
よう〜、、、せい。久しぶりやな。
あっ、、、お久しぶりです。
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