こんばんは

会うとホッとする心理カウンセラー
ジャージコバ認定カウンセラー
せいちゃんです。
この続き。
もう引き返せない。
白山さん!
出発する電車の音にかき消される。
(気づいていない。)
もう一度言おうか。
いや、恥ずかしい。
大きい声出したら周りから見られて
恥ずかしい。
カッコわるい。
革靴の音を急がせ
改札を出た白山さんを追いかける。
革靴が大きく地面を鳴らす。
白山さーん!
ん? えっ。えっ。
不思議そうにこっちを見た。
白山さん! 俺、隣のクラスのせい。
(知らない奴って怖がられたらどうしよう)
あっごめん。
知ってる?知らないよね。
知ってる!隣のクラス友達いるから、よく行くし、見てるよ! 男子少ないから。
えっ?ほんと!?
しっ、白山さん、家このへんなの?
あっ、うん。
この商店街を最後までまっすぐ行ったところ。
おっ、おっ、俺もその方向。
えっ、せいちゃんはどこに住んでるの?
あっ、いや、俺は商店街の先の龍田橋を渡って、、、ずっーと向こう。
(めちゃめちゃ山奥って言えない。)
へぇ~そうなんだ。そっちは行ったことない。
そんな話をしながら
商店街を歩く。
無我夢中で、沈黙にならないように。
黙ってしまったら
おどおどしてそうな奴って思われそうで
おもしろくない奴って思われそうで
一緒にいても楽しくない奴って思われそうで
だから、、
商店街が終わるまでの
ほんの200メートルくらいだけど
必死にしゃべり続けた。
私、ここから右に曲がる。せいちゃんは
この龍田橋を渡るんでしょ。
えっ、あっ、うん。
じゃあ、ここで。
また学校でね。バイバイ!
あっ、おん!
歩いていく白山さんの後ろ姿を少しだけ
見て。
いや、やっぱり見て。
汗でびっしょりになったカッターシャツを
ひらひら、なびかせながら歩く。
龍田橋に吹き上げる風で冷ましながら。
7月に入り、期末テストが近づく。
白山さんとは
帰りの電車が一緒になることが多かった。
けど、白山さんには友達がいたから
俺はいつも違う車両に乗った。
途中、山の中を走る帰りの電車は
急に視界を広げ、小さな街並みと大きな橋を
見せてくれる。
それが倉岡町と龍田橋。
最寄りの倉岡町駅に着くと
軽快に革靴を鳴らし
おっす!白山さん!今帰り?
(カッコつけて、軽やかに声をかける)
(心の中はいつもドキドキしてるのに)
(体は汗びっしょりになりながら)
あっ!せいちゃん!
こうやって
駅前の商店街の道が終わるところまで
何度もしゃべりながら
僕らは帰った。
数学の先生の怒るときのクセとか
学校の売店で好きなパンの話とか
お互いの好きなミュージシャンとかね。
200メートルくらいだけど
すっごく楽しかった。
白山さんもときどき吹き出して笑ったり
すっごく楽しそうだった。
立ち止まって1時間くらい話すときもあった。
家に帰っても
白山さんのことが気になった。
期末テストの勉強よりも白山との会話を思い出して
ベッドで天井を見つめながら
1人なのに、自然と緩む顔が恥ずかしく。
くるくるまわりなかまら
下唇を少し噛み、眠った。
帰りが一緒にならない日もある。
その日は学校が終わって
俺1人、帰りの電車をホームで待っていた。
帰りの電車が
ゆっくり
駅のホームに入ってくる。
俺はベンチから立ち
ぼっーと4両目が止まるのを待つ。
1両目
2両目
3両目
(あっ、、、、、、ゆきのさん。。。)
4両目
電車が止まり、ドアが開く。
俺の目の前に座ってるのは。
つづく。
ー今後のイベントのお知らせー
7月になんと!!!
パートナーシップとセクシャリティのカウンセラー
めちゃめちゃ素敵なこのお二人✨
このお二人のイベントにゲストで出させて頂きます✨
誰を生きる?自分を生きる✨
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