道化師頭1 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 仮面屋で道化師頭を購入した。布製の派手なマスクだが、それを被っていると周囲に笑いが絶えない。真面目な会議の席でも私が発言を始めただけで他の出席者達が揃って爆笑するし、時には赤の他人と路上で擦れ違いざまに目が合っただけで声を立てて笑われる。どうやら私の存在が世間の雰囲気を陽気で朗らかな方向へと導いていっているらしいのである。

 明るい社会の実現に貢献しているらしく、とても誇らしいので、私はこのところ足繁く繁華街へと出掛けている。なるべく大勢の人々に笑ってもらいたいと願っている。そして、知人に対しても道化師頭を購入するように勧めている。皆がその仮面を装着すれば平和な世界が実現するのではないか、と半ば本気で期待している。


「道化師頭」シリーズ






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