国の自由度を推し量るには、その国の「言論の自由」が保証されているかどうかが大きなポイントになります。例えば、共産主義の旧ソ連体制下では言論の自由はありませんでした。現在の中国共産党政権下でも言論の自由はありません。例えば、中国人の風刺漫画家が弾圧されて命の危険があるために本国に帰れずにいることなどもその一例です。また、南京事件に関する書籍を置いているアパ・ホテルが中国政府の観光局からボイコット令が出され、サイバー攻撃を受けたのも記憶に新しいことだと思います。

 

今、「自由主義国家」であったはずのアメリカに異変が起きています。それは、アメリカで自由主義の最後の砦ともいうべき「言論の自由」が密かに脅かされているからです。

 

 

アメリカの独立系インターネットメディアの元祖とも言える「ドラッジ・レポート」(1994年設立)の生みの親であるマット・ドラッジ氏は、特定の政党や企業の利権に一切影響されずに完全に自由な立場で発言していることが重宝され、今ではアメリカで最も影響力のあるジャーナリストとして知られています。

 

ドラッジ・レポート自体はドラッジ氏が選んだ他社の記事へのリンクの寄せ集めであるキュレーションサイトですが、ドラッジ氏の信ぴょう性が高いため、ご本人のツイッターやここに掲載される記事は一見、小さな記事に見えても必ず注目を浴びます。現在、ホワイトハウス報道官の記者会見で他社の記者が「ドラッジがこうツイッターで言っていますが、どう答えますか?」などという質問をするくらいです。

 

こちらの映像は、1998年にマット・ドラッジ氏がワシントンDCのナショナルプレスクラブで講演した際のもので、大手メディアの倒産を予測し、「個人のブロガーがニューヨークタイムズのような力を持つ」と語りました。当時、ドラッジ氏はクリントン大統領のインターンとの淫行問題を最初に取り上げたことで一躍有名になった後で、この予測は笑われましたが、ドラッジ氏が予測したことは、現在では現実になっています。大手メディアでは、ドラッジ氏が「保守系」という風に位置づけられていますが、ドラッジ氏自身は「自分は真実の側に立っているだけ」と述べています。

 

 

オバマ政権時代は、政権の許可まで得てクリントン陣営がドラッジ氏に対して巨額の慰謝料を請求する訴訟を起こしたこともあります。最近、大手メディアによって「ロシアの工作員」と名指しされて批判されていますが、ドラッジ氏は、2016年12月から数週間にわたって、これまでにないサイバー攻撃を受けたことを明かしました。

 

2016年にアメリカ政府はロシアの外交官を国外追放し、サイバー攻撃を含めた反撃をする旨を公言しましたが、その後にロシアの外交官が何人も暗殺されたり、不審死しました。ハーバード大学の左翼学者によって、「ブライトバート」、「ドラッジ・レポート」、「インフォウォーズ」などが、ロシアの工作員だと名指しされました。

 

ドラッジ氏は、2016年12月のサイバー攻撃について、20年以上もインターネットニュースサイトを運営していて、これほどの強烈なサイバー攻撃を受けたことはない、と述べています。ドラッジ氏のによると、このサイバー攻撃は、「DDOS」というタイプのもので、様々なタスクをサイトに同時に課すことによってエラーを起こすというものです。実際に、「ドラッジ・レポート」を見ようとするとサイト自体にエラーメッセージが出て、サイト全体がまったく表示されないという自体が数日続きました。

 

ドラッジ氏によると、このタイプのサイバー攻撃は、過去に中国で起きたことが知られており、オバマ政権下でアメリカがこのタイプのサイバー攻撃を中国と共同でやっているか、中国にアメリカ市民をターゲットにして攻撃することを許容するように指示があったのではないかとの見解を出しています。オバマ政権とヒラリー・クリントンがチャイナマネーにまみれていたことは、日本ではジャーナリストが暴露していると思います。

 

日本でちょうど同じ時期(2017年1月)に、中国に都合の悪い情報が書いてある書籍を置いているアパホテルがサイバー攻撃に遭っていましたね。また、日本では、MX東京テレビの番組「ニュース女子」の二度目の沖縄基地問題特集が地上波での放映禁止となり、インターネット放送のみとなりました。沖縄を「日本のものではない」と主張しているのは、中国であることが報道されています。また、日本の公安調査庁は「中国が沖縄分断工作」をしていることを発表しています。

 

ドラッジ氏は、1998年の段階で、インターネットの独立系メディアの性質を「中間業者がいない、ビッグ・ブラザーがいない」といい、歴史的な視点から見て「ラジオがテレビに負けた時、ラジオは政府に頼んでテレビを規制しようとした」ことを挙げ、インターネットメディアも同じような「規制の動きに遭うかもしれない」ことを示唆していました。

 

 

アパホテルの元谷社長とドラッジ氏に関して、「本当のことを言う人物で影響力がある人が言論弾圧された」、という点で状況が似ています。また、日本でもアパホテルと本谷社長の知名度がアップし、むしろ業績がアップしたそうですが、アメリカでも似たような現象が起きています。

 

「ドラッジ・レポート」に対する言論弾圧や攻撃が増すほど、読者が増え、「言論の自由が侵されているのは問題だ」と問題視する人たちが増えてきているのです。「ドラッジ・レポート」のような個人経営で細々とやっているような独立メディアが規制されてしまうということは、誰でも個人が同じような弾圧を受ける可能性があることを示唆しているからです。つまり、社会が自由を失いつつあり、危険な暴政の下に置かれつつあることの証明になるのです。

 

■ドラッジ・レポート

http://drudgereport.com

 

アメリカで起きている言論弾圧