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Kierkegaard
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『終わりのないはじまり』

僕の背中の翼は、永遠だと思っていた・・・

僕が掴んだ世界は、永遠だと・・・

宇宙(うみ)に僕は確かに抱かれ・・・

物質と反物質

光と影

終わり・・・いやはじまりだった

***

蓮、キョーコ、レイノ、尚は鎮守の森が守る教会の近くに降り立った。

レイノは、教会内部のステンドグラスをみると、三賢人の物語に変わっていた。

かって教会を、学園全体を覆っていた何かが消えていた。

「これは、蓮、どういうことだ」

「もともと綻びかけていた結界が、いやあの世界が、無くなること僕らの存在する世界も影響を受けると」

「マリアちゃんだわ、お父様とお母様に逢えて少しだけ変わったんですね?」

蓮はにっこり笑う、それが答えだ。

尚は、キョーコをそばに抱き寄せる。

「お前は、あの世界の守り人といった。ひとじゃないのか?」

「もう俺は守り人ではない、ただのひとだ」

「蓮さん、あなたが何者でもどうでもいい。これで本当に終わったんですね」とレイノが問う

「ああ、キョーコちゃん、君の兄さんは、死んでいないから、あの少年もね」

「え?ということは、私は、この学園に・・・」

「編入してないね、尚の部屋にあったはずの私物も全て自宅にあると思うよ。君の家まで俺が送って行こう」

「あの、その、私は家出したということでしょうか?」

「倖人が取り繕っているはずだ、おいで」

キョーコは蓮に腕を掴まれ駐車場に向かう、自分の服をみると、さっきまで着ていたはずの制服が、変わっていることに気が付く。

「これは?」

「時間は修正されたんだよ、結界の影響により失われたものが元通りになったはずだ」

「あの少年が、あの寮に在籍しているんですね」

「あの世界に触れたものだけは記憶を残している、だが少年は、もう倦んでない」

「良かった」

「君がいたからだ、ありがとう」

「私はなにも」

「俺を救ってくれた」

蓮の瞳がキョーコを捉え離さない、囚われ、抱き寄せられ、口づけがなされる、痺れるような感覚に体から力がぬけその身を蓮に預ける、キョーコの意識は遠のき、気を失う瞬間、映像が映し出された。

蓮の瞳が妖しく光る、燔祭は終わっていない、羊はキョーコなのだ。



エピローグにつづく その18(最終話)