りんくのページへ  ◆もくじ1へ(ガラパロ他) 
もくじ2へ(スキビ1) ◆ もくじ3へ(スキビ2)

ご訪問ありがとうございます。

Kierkegaard
その前の話 その1その2その3

羽が舞い落ちる

花びらが舞い落ちる

木々がざわめく

そうざわめいたのだ、彼の魂は、学園に残った

そう他の者たちと同様に・・・

「・・・君の体に聞いてみようか」

蓮の細くてしなやかな長い指が、雛鳥ののど元に到達し、ネクタイが緩められ・・・

「クス、やっぱり女の子だったね」

いたずらするような、そして柔らかな微笑を蓮は浮かべた。

「・・・この、この、セクハラ男!」

京、いや、キョーコは足を蹴り上げたが、如何せん身長差、足の差で届かない。

「どうしてこの学園に来たのかな、君は」

「貴方に話す理由はありません」

「君、・・・の妹だろう」

「ど、どうして?」

「君の兄さんが1年次の寮長は、俺だよ。君は、彼にそっくりだし、写真を見たことがあったからね」

「な、内緒にしてくれますか?」

「どうしようかな、そうだ、口止め料をくれたら内緒にしてもいいけど」

「く、口止め料って」

蓮が彼女の頬に口づける、真っ赤になった京は、今度こそ自由になった右手で蓮の頬をぶった。

「こ、この、ファーストキスなのに」

「ほっぺだよ」

「ふん」

京は、ネクタイを締め直して、足早に温室を立ち去った、後に残された蓮は、

「あれは事故だと聞いたけど・・・、君は何を探しているの?」

京は、中庭から急いで自室へ戻るために階段を駆け上がり、踊り場で少年とぶつかった。

「てーな、気をつけろ」

「す、すみません」

「あれ、お前新顔だな、名前は?」

「も、最上京です」

「お前が俺の新しいルームメートかよ、俺、不破尚、よろしくな」

「よ、よろしくお願いします」

その様子を2階から見ている青年がいた。

髪が影になって、その顔がどんな表情かわからないが、彼は、京を見つめていた。

続く その5