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Kierkegaard
(あ、ペン画の練習はどこにいったんだろう)

その前の話 その1その2その3その4

見えるだけが僕の世界じゃない・・・

貴方の心の中の世界も、僕の世界だ・・・

「おまえ背小さいな」

「え、こ、これから伸びる予定なんだ」

「食わないと大きくならないぞ、牛乳買ってやるから飲め」

「ありがとう」

ルームメートとなった尚くんは、気さくでいいヤツである。

京、キョーコは戸惑いがある、以前通っていた共学の男子とは、あまり接触はなくて、気さくに話しかけられたり、そして肩を叩かれたり、というより、男子ってこんなにスキンシップが多いものか、頭に?マークをいっぱいにしながら、雰囲気に合わせるのであった。

「どうした京?あ、俺、実は関西出身なんだ。お前関東もんか」

「うん」

「そうか、吉本じゃないんだな」

「はあ?」

(私は、九州出身だ、笑点より吉本新喜劇ばかり見ていた。笑いの質が西と東じゃ微妙に、いやかなり違う)

「そういえば、部活って何をやっているの?」

「俺、バスケやってんだ、京もやってみるか」

「僕は、あまりスポーツは・・・」

「じゃ勉強が得意なのか」

「一応は・・・」

尚は、両手を頭の上で合わせて

「頼む明日試験なんだ、山を張ってくれ」

「わ、わかった」

という感じで、京はなんとかルームメイトとそれなりに親交を深めたと言えよう。

京は、教科書を見ながら適格に山を張っていく、そしてさり気無くルームメートに聞き出すのだ、少年のことを。

「ねえ、尚、去年の5月に、事故で亡くなった生徒のこと知ってる?」

「・・・お前何でそれを?」

「気になってさ、どうしたの、なんだか顔色が悪いよ」

「アイツは、俺のルームメートだったんだ。大人しい、お前より線が細い感じだった」

「・・・ごめん、悪かった」

「あいつの場合は・・・、」

コンコンと部屋の扉を叩く音がして、

「尚、新入りだって?」

「あ、レイノさん、入っても構わないですよ」

「こんにちは、君が新しく入った最上京くん?」

「こんばんは、2年次に編入する最上京です、よろしくお願いします」

「僕は、・・・レイノ、寮長をやっている、今年で卒業するから短い間だけどよろしくね」

京とレイノの視線が絡まる、レイノは何か言いたげだった。

「あのどうかしました?」

「いや別に」

京、キョーコは知らない、レイノと兄の事を・・・

続く その6

Kierkegaard