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Kierkegaard
(肌色じゃないから大丈夫だと思う、服は面倒なのだ)

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その14

僕の世界は、貴方の世界だ・・・

少年の背中には、翼が生えている、そしてその翼を広げ、飛ぶんだ・・・

新しい世界が僕を受け止めようと手を広げている・・・

僕の魂(心)は宇宙(そら)へ・・・

レイノと尚が石をさがしている時間は、時間にして30分程度だ、短い時間の間に、あの世界で何が・・・

***

蒼と金の少女は、青年にこっそり問うのだ

「蓮さまは、お姉さまが好きなの?」

「どうしてそう思うの?」

「だって蓮さまがお姉さまを見つめている瞳は、お父様がお母様に向けるものと同じだもの」

「隠しているつもりだったけれどね」

「ライバルは多そうですわ」

「応援してくれないの?」

「どうしようかしら?私はお兄様が大好きよ、だから幸せになってね」

少女は蓮の頬にやさしい口づけを、

「俺もマリアちゃんが好きだよ、きっと君はお父さんとお母さんに逢えるから」

この世界に必要なのは、一つの光、キョーコ存在した時点で入れ替えの儀式は始まっていた。

「はじまる・・・、キョーコちゃんおいで」

キョーコとマリアは互いの掌を合わせる、繋いだ瞬間瞬く光が二人を覆う、互いの体が透けて、瞳と瞳が交わり、その瞳に宇宙が映し出される。

浮遊感を伴う感覚にキョーコは戸惑いを隠せない、二人の意識は、成層圏からさらに高く、真空の宇宙(そら)へ、・・・

結界が守りし石は、要の石だ、何の、神話の世界の前に、大陸が分かつ前に堕ちた人々の祈りのための、その石だけが、彼の惑星(ほし)へコンタクトできる・・・

バベルの塔は・・・

雷が落ち、祈りの塔は・・・、雷は誰が・・・

「マリアちゃん・・・」

「お姉さま・・・憧憬と哀切、・・・石の記憶は願い、だけど・・・」

「そうね、末である私たちには、必要ない・・・」

「私は元の世界へ帰るけど、お姉さまお願い」

「わかったわ・・・さようならマリアちゃん」

「さようなら・・・おねえさま」

光がひとつ、石を砕く・・・

マリアとキョーコが消え、蓮を目を閉じ、キョーコが降りてくるのをひたすら待つ、彼女は必ず戻ってくる、蓮は自分に何度も言い聞かす。

そして、キョーコが姿を現す

「お帰り、行こうか」

キョーコは蓮の手を繋ぎ、その場所を目指す、幾人ものイカロスを飲み込んだ世界へ

***

レイノは、教会の内部のステンドグラスに描かれている物語を追う。

きっと謎はここに隠されている、そして気づくのだ

「そうか、そういうことか・・・、尚いくぞ、石を置く場所はここじゃない」

「そこにキョーコがいるのか」

「恐らくな」

蓮は、何故知っていた?レイノは、蓮をとても薄気味悪く思うのだ。倖人、俺、蓮は、マリアに出会い、彼女がこの結界に閉じ込められ可哀想だと、解放したいと思っていた。

解放するためには、隠されている石が必要で・・・、それだけじゃないと何故知っていた?

レイノは尚と一緒に、蓮とキョーコがいるだろう場所に急ぐ、間に合ってくれと。

つづく その16